ウンモンオオシロヒメシャク 成虫 Somatina indicataria morata (Prout, 1938)3rd 2化目 or 3化目?

最近、近隣でこの蛾の写真を撮っていた。

大きさは、前翅長14ミリぐらいだった。

見覚えのある蛾なので、過去の投稿を振り返ったら、昨年は、5月21日に、一昨年は、7月9日(目撃場所:我家)に投稿しているのを確認した。

この出現のインターバルを考慮すると、年に2回か3回は、羽化している蛾だと分かる。

ちなみに、幼虫の食草は、スイカズラ科のスイカズラやヒョウタンボクとの事だが、近隣では、スイカズラが有力だと思われる。

この蛾の生息分布の方は、国内は、北海道から九州近海の屋久島辺りまで。海外の生息分布は、この蛾の学名ではヒットしてこなかったが、おそらく近縁の亜種が、近隣国には生息していると思われる。

多くの方の紹介で、平地から低山地、山地まで見られる蛾という件が多かったが、これもこの蛾の寒さへの順応の歴史を物語っている気がする。

キオビベニヒメシャク 成虫 雌雄の見分け方 Idaea impexa impexa (Butler, 1879) 3

数日前に、我家の外灯下にキオビベニヒメシャクが複数匹訪れていた。

近隣で馴染みの種なので、いつものルーティンで何気なく写真を撮っただけだったが、撮った写真を見返しながら、色合いに個体差があるなという感想は抱いた。

そして、更に少し目を凝らして写真を眺めていると、撮った写真の個体達の色合いが違うだけでなく、触角の形状が違うことに気が付いた。

要は、触角の形状に関しては、櫛髭状と糸棒状の差があるということである。

では、触角が櫛髭状の個体の写真から。

触角が櫛髭状なのは確認出来て、色合いは、上のような感じで、キオビベニヒメシャクのキ(黄)の部分は、人それぞれの主観で許容範囲としても、ベニ(紅)の部分は、紅というよりは、茶色っぽく見える。

次に、触覚が糸棒状の個体の写真を以下に。

こちらは、触角が糸棒状であり、色合いは、下地が上の写真の個体より黄色っぽく見えて、帯の部分も、より紅色がかっている気がする。

以上のような比較から、触角の形状の違いで、キオビベニヒメシャクは、雌雄が見分けられる事を掴んだ。更に、色合いの違いも雌雄差と連動していないかと類推したいが、その類推をするには、まだ比較の回数が少ないとも感じている。(光源の当て方によって、蛾の色合いは随分変わるし……。)

今後も、キオビベニヒメシャクに出会った時には、色合いに意識して、観察を続けて行きたく思う。

ハラキカバナミシャク? 成虫 Eupithecia subtacincta (Hampson, 1895)

先ほど、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長7ミリぐらいだったと思う。

この外見的雰囲気の蛾を見たら、私はシャクガ科のナミシャク亜科の蛾だろうなと考えるが、ナミシャク亜科を当たったら、ハラキカバナミシャクという種なんじゃないかなとの結論に至った。ちなみに、ナミシャク亜科で該当種が見当たらなかったら、ヤガ科のホソコヤガ亜科も当たってみようかとは考えていた。

さて上の写真の個体の腹が黄色い(ハラキ)かは微妙であるが、腹部の中央に色が薄くなった細い縦状が見て取れるのは、この蛾の特徴なんじゃないかなと感じた。

幼虫の食草は、キンポウゲ科のセンニンソウの蕾部分ということが確認されているようである。近隣には、センニンソウは結構生えている。

そして、この蛾は、8月ぐらいから秋にかけて現れる蛾とのことである。確かに、幼虫の食草が、センニンソウの蕾であるなら、春にはまだ蕾は出来ていないからである。

生息分布の方は、国内は、本州以南……九州を経て、沖縄本島を含む南西諸島まで。海外の方は、朝鮮半島とロシア沿海州には生息しているようである。ここで、ちょっと北の寒い地域にも順応している蛾だと理解したが、そもそもキンポウゲ科のセンニンソウって、どんな世界分布をしている植物なのか気になる。