キンモンガ (Psychostrophia melanargia Butler, 1877 ) 茨城県福島県県境 標高600メートル付近

茨城県と福島県の県境付近に、植物観察をするお気に入りの場所があり,先週末に出かけてみた。

観察中には、数種の昆虫にも出会ったが、本種もその一つ。そして、一目で、初めて出会う蛾だなと思った。蝶ではなく蛾だなと直ぐに気が付けるようになっているので、自分の虫眼も成長したなぁと思う。

大きさは、開張で20ミリぐらいの蛾らしいが、現場で見たこの個体のサイズは、もう少し大きかったような記憶がある。

幼虫の食草は、リョウブという樹木の葉らしい。リョウブは、山では普通に見られる木であり、低地でも人為的に植えたと思われる木によく出会える。

キンモンガの生息域は、国内は、本州、四国,九州。海外の生息分布はと思い,調べたのだが、日本にしか居ない可能性もある。多くの生物は、日本と大陸が陸続きであった時代から存在するので、逆に日本にしか居ない生物には、なぜの疑問の目線を持ってしまう自分がいる。

ちなみに、白い紋の個体も混ざるようである。(九州に多いらしい。)

ヤマトスジグロシロチョウ? 雄 春型 Pieris nesis Fruhstorfer,1909 or Pieris nesis nesisFruhstorfer,1909 福島県南部 標高600メートル付近

先週末に茨城県と福島県の県境辺りで渓流釣りをしていた際に見かけた。

最初は、こんな薄暗い場所にモンシロチョウがいるのは珍しいなと思った。同時に,モンシロチョウと同じ属には、少し山地生で食性も少し違う似たような種が居たよなという知識が脳裏をかすめた。確か名前はスジグロシロチョウ。

確かめるために,半ば寿命を迎えかけていたこの個体の翅裏を見てみた。

明らかにモンシロチョウとは違うし,スジグロ(筋黒)の所以みたいなものを見て取れる。

ここから、初めて、スジグロシロチョウなるものの生態を少し掘り下げて調べる作業をしてみたのだが、元々は、日本には、スジグロシロチョウ(Pieris melete Menetries,1857)とエゾスジグロシロチョウ(Pieris dulcinea tomariana Matsumura,1928)とヤマトスジグロシロチョウ(Pieris nesis Fruhstorfer,1909)の3種が知られていたようである。やがて、1952年には、ヤマトスジグロシロチョウは、本州中南部のものは少しまた違うということで、本州北部&北海道亜種と本州中南部亜種(Pieris nesis japonica Shirozu,1952)に区別されることにたったようである。

では、上の写真の個体が、どのスジグロシロチョウに当たるのかというと、おそらく、ヤマトスジグロシロチョウ本州北部&北海道亜種の春型♂であろうと思う。

スジグロシロチョウの見分けかたに関しては、ウェブ上に多くの紹介サイトが存在するので、それらの方々のサイトに譲ろうと思う。

一応,幼虫の食草は、自然のアブラナ科の植物ということである。

生息域の方は、上の方でも触れたが、北海道の一部と本州の山間部と思ってておけば無難なのではないだろうか。

サカハチチョウ  Araschnia burejana (Bremer, 1861)茨城栃木県境付近 標高300メートル

昨日、茨城県と栃木県の県境付近、標高300メートル付近で、少しだけ動植物を観察する時間があった。

すると、1匹の蝶が目に入った。2枚しかシャッターチャンスはなかったが、かろうじて飛び立つ前に姿を捉えれたのが以下の写真である。

アカタテハにしては、随分と小さいと感じたが、調べたところ、サカハチチョウという蝶らしい。紋

様から推察するに、多分、オスではないかと思う。このサカハチチョウという蝶は、春型と夏型とで別種と思われるぐらい色合い含め紋様が変わる蝶としても知られている。上の写真の個体は、春型である。

幼虫の食草は、イラクサ科のコアカソアカソが知られているが、ヤブマオやイラクサもいけるとの情報を読んだ。

生息分布の方は、国内は北海道から九州まで。海外の生息分布は、朝鮮半島からロシア沿海州南部まで………樺太にもいるようである。この分布からも分かるように、北方系の種のようで、この辺が、平地で殆ど見かけられない所以のひとつかもしれない。

また、ヤブマオメヤブマオは、平地でも見れる植物だが、この蝶が近隣の平地に降りて来ていない状況を考えると、好みの気温を捨ててまで、暑い里に降りてくる必要性は感じていないのかもしれない。

各都道府県が独自に定めるレッドデータでは、鹿児島県と長崎県が、絶滅危惧Ⅱ類に指定している。