ツチカメムシ Macroscytus japonensis (Scott, 1874)

ちょうど1週間ぐらい前に、我家の玄関前で写真に撮っていたカメムシである。

肉眼で一瞬でツチカメムシであると分かった。一応写真に撮った感じであったが、4年前の5月10日にしている本種の投稿より,ずっと特徴を捉えた大きい写真が撮れたと思うので、再度投稿してみる。

大きさは、体長で10ミリ弱ぐらいのカメムシである。

種名は、ツチカメムシ。

ちなみに、2個前の投稿で、本種を数段小さくしたヒメツチカメムシの投稿をしているので、良かったらそちらも参照されたし。

さて、このツチカメムシは、成虫も幼虫も、ウコギ科のヤツデやクスノキ科のクスノキやマメ科のクズなんかに集まる事が知られている。最近,庭にヤツデを数鉢増やしたので、この辺が、我家の庭での、このツチカメムシの生息数に影響するのかも,今後観察してみたい。

生息分布の方は国内は、北海道から九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外は、朝鮮半島からロシア沿海州の南部までと、台湾や中国の東部にもいると思われる。

ところで、このカメムシを見て、いつも思うのは、脚の棘の意味である。脚に棘がある昆虫には、捉えた獲物を逃がさない目的で棘を備えている昆虫も多いが、本種のような草食系の昆虫の脚の棘の意味は何なんであろう?捕食された時に、捕食者に不快感を与えるためであろうか。ゴキブリなんかにも,同じような棘があるが、気になるところである。

ヒメツチカメムシ Fromundus pygmaeus (Dallas, 1851)

昨晩、我家の外灯下に来ていた極小のカメムシである。

この写真で奇妙に見える飛び出した対のパートは、黒い方が上翅で透明に見える方が下翅である。地表徘徊性のカメムシの印象だったが、今回、ヒメツチカメムシという種は飛べるんだと言う事を知った。

大きさは、体長で4.5ミリぐらい。 

肉眼では、ハッキリとは認識出来ていなかったが、写真を見た途端に、「ツチカメムシだ。」と分かった。

ここで、ツチカメムシって、こんなに小さかったかという疑問が芽生え、少し調べてみたところ,体長10ミリぐらいの所謂ツチカメムシというのは別種として存在する事を確認した。そして、本種と紛らわしい種に、同サイズのマルツチカメムシという種がいることも学んだ。

では、ほぼ同じサイズのヒメツチカメムシとマルツチカメムシの違いはと言うと、マルツチカメムシの方が、真上から見た時に、もっと更に丸く見えるようである。あとは違いとしては、上の写真も拡大して目を凝らして眺めると,頭部や胸背部の縁に細い長毛が生えているのに気が付けるはずである。この長毛が、腹部の方の縁にも及び,もっと密に生えているのが、私には、マルツチカメムシの特徴の気がした。

ゆえに上の写真の個体は、ヒメツチカメムシだと思う。

以下に、一応,今回の個体を真上から写した写真を載せておく。マルツチカメムシは、もっと丸く見えるらしい。

このヒメツチカメムシの生息分布は、国内は本州以南……九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。伊豆諸島や小笠原諸島にも生息しているようである。海外の生息分布の方は、韓国や東南アジア全般には生息しているようで、他には小笠原諸島の南に拡がるミクロネシアや更にその南方に拡がるメラネシアからの生息報告がある事に,興味がそそられる。

ミツボシツチカメムシ ヒメオドリコソウ

ミツボシツチカメムシを調べると、必ずヒメオドリコソウを吸汁するとの情報に出くわすが、これまでのところ、ミツボシツチカメムシを見かける付近にヒメオドリコソウが生えているのは確かだが、なかなかピンポイントでヒメオドリコソウに群がっている瞬間に出会した記憶はなかった。

しかし、最近、若干、日陰に生えていた通常と少し違う(花色や葉の色や大きく育っているところ)雰囲気のヒメオドリコソウに、ミツボシツチカメムシが群がっている現場に出会し、写真に撮っていたので、その写真を紹介しようと思う。

この株には、数十匹のミツボシツチカメムシが群がっていた。

そして、不思議なのは、数メートル離れた場所には、一般的な若葉が赤っぽくなるこじんまりしたヒメオドリコソウが沢山生えているのだが、そちらの付近の地面等には、ミツボシツチカメムシはいても、それらの日向の一般的なヒメオドリコソウには群がっていないというか、付いていないのである。

これには、何かしらの理由があるはずだが、現時点では、私には掴めない。でも、時々、その理由に頭をめぐらせてみるのも、楽しい時間である。

その日、付近にいたミツボシツチカメムシのうちの1匹