先週末に、家族が山登りにお友達と行くというので、私は、一行を登山口で下ろし、下山口で拾うという完全な運転手の役を買って出た。
買って出た理由の一つは、登山口も下山口も標高は1000メートルぐらいあり、待ってる間の5時間(結局は7時間)は、自由に自然観察やイワナ釣りが楽しめるからである。登山一行もスタート地点に戻ってこないコースが取れる事を喜んでくれる。お互いの利害が一致した。
想像以上に豊かな生態系であったが、先ずはこんなのもいた。
大きさは、体長15ミリぐらいだった。
直前に50メートルぐらい下方で、ハサミツノカメムシと出会っていたので、また同じ種に出くわしたと思ったのだが、少し小さめな感じがしていた。帰宅後に、写真を見返して調べたところ、ベニモンツノカメムシという別種だと分かった。
ベニモンツノカメムシは、ウコギに集まるカメムシとの事であるが、まさに、現場にはウコギが沢山あった。陽の当たる斜面がウコギだらけみたいになっているなと、現場で眺めながら、ウコギって、こんな標高の場所にも、たくさん生えているんだと感じていた。しっかり確認をとったわけではないが、その場のウコギには棘がなかったような気もするが、ちゃんと確認しなかったのが、少し悔やまれる。
さて、このツノカメムシの近似種達は、世界中に結構広がっているようで、動物地理学的な旧北区(ヨーロッパから日本までのユーラシア大陸)に、新北区の北米大陸にオセアニア区のオーストラリア南部にも目撃情報が多い。私が、参照にしたのは、Elasmostethus Fieber, 1860というカメムシである。
ちなみに、少し前に、ハサミツノカメムシの良い匂いに打ちのめされていたので、このカメムシの匂いもチェックした。やはり、一瞬、普通のカメムシ臭がした後、直ぐに甘爽やかな匂いが指から離れなくなった。
こうして来ると、カメムシの良い匂いに気が付かせてくれたセアカツノカメムシに始まり、ハサミツノカメムシ、今回のベニモンツノカメムシに共通しているものが見えてきた。属する科が、ツノカメムシ科なのである。ツノカメムシ科のカメムシは、良い匂いなのか、更なるツノカメムシ達との出会いに期待する。