キアシネクイハムシ? Donacia (Donaciomima) bicoloricornis (S.-H. Chen, 1941)

一昨日の晩に、我家の外灯下に来ていた甲虫の一つである。

大きさは、正直記憶出来ていない。というのも、上の写真の個体がキアシネクイハムシという種なら、9-10.5ミリぐらいの甲虫なんだが、そんなに小さかったけというのが本音である。しかし、イネネクイハムシ等の近似種になるともっと小さく、6.5ミリぐらいなので、そこまで小さくなかったことは確かだと言える。

初めて、この手の甲虫の存在に気づいたが、こんなに上翅の表面に特徴のあるカミキリっていたかという率直な疑問から種の特定はスタートした。しかし、やはり、カミキリムシの仲間でないなら、カミキリに似ている他科の甲虫を当たる中で、ハムシ科ネクイハムシ亜科なる存在を知った。

そして、国内にネクイハムシ達は23種いるとの事だが、本種は、キアシネクイハムシが一番近いかなと感じ、キアシネクイハムシ?のタイトルで投稿させて頂いている。

以下は、上の写真の個体をキアシネクイハムシとして、文章を書いてゆくが、生息分布は、国内は本州にはいるのは、我家で見かけたこともあって確かであるが、海外は、ロシア沿海州にも生息しているような情報を見たような気がする。

そして、キアシネクイハムシは、都道府県が独自に定めるレッドデータでは、千葉県が絶滅危惧Ⅱ類に、栃木県と青森県が、準絶滅危惧種に指定している。ちなみに、キアシネクイハムシだけが希少種という訳ではなく、ネクイハムシの仲間達は、軒並み希少種と考えた方が良いかもしれない。

ここで、ネクイハムシ達の習性なのだが、湿地に生える植物を食べることがある。キアシネクイハムシなんかは、ガマとかミクリなんかを好むとの事である。

湿地に生える植物を意識して見始めたのなんかここ数年前からなので、過去にそれらの湿地の植物がどんな推移をしてきたか見当も付かないが、これらのネクイハムシ達の増減・減少には、少なからずそれら湿地性植物の栄枯盛衰が関係してきているものと思われる。

今後は、意識的に水辺の植物と共に、ネクイハムシの仲間達も意識的に捜してみようと思っているが、現時点では、そうした水性植物の側で、ネクイハムシの仲間達に出くわした思い出は持っていない。

カタシロゴマフカミキリ Mesosa (Perimesosa) hirsuta hirsuta (Hayashi,1965)

最近、近隣で見かけ写真に撮っていたカミキリの一種である。

大きさは、体長15ミリぐらいだった。

この手のカミキリで近隣でよく出くわすのは、ナガゴマフカミキリだが、ナガゴマフカミキリよりはずんぐりとしていて、上翅の紋様も違うように見えるし、なんと言っても、上の写真のカミキリには、毛が生えているのが目立つ。

こうして、しっかりと調べてみたところ、カタシロゴマフカミキリという種と判明。

各種紅葉樹やマツの枯木に集まるカミキリのようである。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州近海まで。最近、対馬亜種は、同一種とみなされたようである。

海外の生息分布の方は、ちょっと厳密には分からなかったが、この手のカミキリが属するゴマフカミキリ族は、ヨーロッパから極東アジアまでのユーラシア大陸といったちょっと雑に言い換えると動物地理学的な旧北区には繁栄しているカミキリの仲間のようではある。

タケトラカミキリ Chlorophorus annularis (Fabricius, 1787)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていたカミキリムシである。

大きさは、体長15ミリぐらいであったであろうか。

この手の紋様のカミキリムシは多いが、このカミキリは近年の記憶の中では初めて出会うカミキリだと思った。近年の記憶の中ではと前置きをしたのには理由があって、カミキリの名前など気にしていない時代には、よく出会っていたカミキリだよなと思ったからである。

そして、なんとなくこんな名前だったよなという記憶を頼りに調べてみたが、やはり、なんとなくの記憶の中にあるタケトラカミキリという名前が、このカミキリの種名であった。

さて、このタケトラカミキリは、伐採された竹や加工された竹に発生するカミキリであるが、近隣には、伐採されたり、自然倒壊したりの竹が結構放置されていて、見かける度に、タケトラカミキリは居ないかなと探していたのだが、これまで出会えないでいた。

正直、今回、この個体の写真を撮った場所の側にも、伐採された竹が山積みになっている場所があり、幾度となく何か居ないかなと通り過ぎながら眺めていたが、タケトラカミキリを見たことはなかった。

ただ、とうとう出会えて、写真にも撮ることができた。待てば、海路の日よりありである。

さて、このタケトラカミキリの生息分布は、国内は、本州以南……四国/九州……。おそらく南西諸島にも居るんだと思われる。というのは、海外の分布は、基本的に広く東南アジアには生息しており、暑い地域のカミキリと思ったからである。ただ、ヨーロッパ、北米大陸の西海岸、ブラジルの海岸沿い、南アフリカ、オーストラリア東部といった具合に、世界各地の沿岸主要都市に拡がっているようである。おそらく、竹製品の貿易や、竹の移植等で、人為的に移動させられた個体群と思われる。