トウキョウヒメハンミョウ Cicindela kaleea yedoensis. (Kano, 1933) 2

最近、ちょっとハンミョウに愛着を感じていて、フィールドで出会ってみたい昆虫の一つなのだが、昨晩、我家の庭にも、ハンミョウの一種が生息して、生活を構築しているのを知ることになった。灯台下暗しである。

ハエが飛んだり止まったりしているのかと、一瞬思ったのだが、直ぐにハエじゃなくってハンミョウだと分かった。

ハンミョウの類は、過去の経験で動きの速さから写真を撮るのが難しいのは知っていた。根気よく、シャッターチャンスを待ちながら、ハンミョウの動線を追って撮った一枚を以下に。

大きさは、ちょうど体長1センチないぐらいである。ハンミョウの仲間としては、小柄で、眼が飛び出しているのが特徴と認識した。

調べてみたところ、トウキョウヒメハンミョウという種だと確認した。そして、同時に、昨年(7月19日)に我家の外灯下に来た個体を、既に投稿済みの種と知った。

しかし、今回の写真の方が、アップで、より特徴を捉えた写真が撮れたと思うので、再投稿した次第である。

前回の投稿で、本種が昭和初期ぐらいに中国方面から日本にやってきた外来種であることは学んでいた。ゆえに、東京近辺と北九州市の辺りに拡がっている種である事は知っている。

では、今回は、学名で検索することにより、本種が国外の何処に生息している種なのかを調べてみようと思った。

しかし、予想に反して、殆ど海外の本種の情報が出てこない。そもそも、海外の人達は、ハンミョウに興味がないのか?そんな事はない。ハンミョウが世界中にいる事は知った。

とにかく、このトウキョウヒメハンミョウが、何処から来たのかは突き止めたいものである。そして、我家の敷地内に生息するようになった経緯や歴史も知りたいものである。いつ頃、どうやって来たんだろうか?

ニワハンミョウ Cicindela japana Motschulsky 1858 福島県 標高1100メートル

先週末に、家族が山登りにお友達と行くというので、私は、一行を登山口で下ろし、下山口で拾うという完全な運転手の役を買って出た。

買って出た理由の一つは、登山口も下山口も標高は1000メートルぐらいあり、待ってる間の5時間(結局は7時間)は、自由に自然観察やイワナ釣りが楽しめるからである。登山一行もスタート地点に戻ってこないコースが取れる事を喜んでくれる。お互いの利害が一致した。

想像以上に豊かな生態系であったが、先ずはこんなのもいた。

大きさは、体長13ミリぐらいだったのではなかろうか。

陽の当たる登山道に、ハンミョウがいると気付き、必死にスマホを片手に追いかけるのだが、とにかくすばしっこい。1回目は、見失う。

それから、数分後、再び、このハンミョウが落ち葉も混ざる登山道を疾走し始めたのが目に止まった。今度も、とにかく速いし、おまけに瞬間移動の如く突然数センチ高速で飛んだりして、予測不能な動きも見せる。

ただ、今度は角度は悪いが、登山道の木枠で休んだ瞬間があった。恐る恐るカメラを近付けて写せた写真が上のものである。

さぞや、標高1100メートルにいたハンミョウだから、珍しいハンミョウかと思いきや、調べたところ、普通種のニワハンミョウだと思われる。

生息分布は、本州以南……九州辺りまで。

このニワハンミョウは、上翅の色合いや光沢感は個体差があるようで、上の写真の個体は、地味目な方なのかもしれない。ただ、腹部の側は、どんな個体でも光沢感があるらしいので、今度は摘んで写してみようと思う。

ハンミョウ

ちょうど2週間ぐらい前の事だが、家族で一番近い山系の山に登山に出かけた。

その際に、見かけて写真に撮った。

大きさは、体長15ミリぐらいだったと思う。登り始めて何合目ぐらいなのであろうか、標高200メートル付近の開けた日当たりの良い場所に群れでいた。

どの個体も近付くと直ぐに飛び立つが、ハンミョウという虫である事は分かった。ハンミョウ自体は、カラフルに鮮やかな虫として知っていたが、実物に出会ったのは、初めてであった。

確かに、頭部に金属光沢があり、全体的に多彩で、人目を引き、人間の記憶に残りやすい虫ではあるが、タマムシの全体的な光沢と輝きには敵わない気がした。ネット上で、美しいと言われている虫達は、実際にフィールドで出会って、自分の目で見て、自身の感想を持つ事は大切であると思う。同じく、ネット上で美しいと言われているアカスジキンカメムシなんかも、同じタイプであろう。ただ、どちらも繊細に味のある美しさ(光沢)を持った色彩の昆虫である事は同意する。

さて、このハンミョウを、その場で捕まえる事は出来たが、ハンミョウ=カンタリジン(有毒水脹れ成分)の子供の頃からの前知識があり、指で摘むことを躊躇した。

しかし、もう一度、調べ直してみると、時代は変わっていた。正確には、。ツチハンミョウ科のツチハンミョウマメハンミョウは、カンタリジンという有毒成分を持っているとの事だが、所謂、本種含むオサムシ科ハンミョウ亜科のハンミョウ達には毒は無いと紹介されるようになっていた。ちなみに、同じ毒成分は、私が近隣で出会う昆虫達の中では、ハネカクシ科のアオバアリガタハネカクシ(アオバアリガタハネカクシの毒成分は、ペデリンという別成分であるらしい事が後日分かった)やカミキリモドキ科のモモブトカミキリモドキなんかも備え持っている。

という事で、今度は素手での捕獲にチャレンジしてみようと思う。このハンミョウは、同じ山の600メートル付近の開けた林道の辺りにも居た。要するに、水が染み出すような山間の開けた乾燥した場所に群れていた印象である。

最後に、沖縄には、オキナワハンミョウという種が居るらしく、本土のハンミョウと瓜二つの外見なのだが、沖縄本島含む南西諸島は、170万年前には、大陸や日本本土と地殻的に分離していると認識している。それほど長い期間を瓜二つの形態維持で生きてきている事に、ちょっとだけ好奇心がくすぐられる。