キクビアオハムシ Agelasa nigriceps (Motschulsky, 1861 )

先週末に、家族が山登りにお友達と行くというので、私は、一行を登山口で下ろし、下山口で拾うという完全な運転手の役を買って出た。

買って出た理由の一つは、登山口も下山口も標高は1000メートルぐらいあり、待ってる間の5時間(結局は7時間)は、自由に自然観察やイワナ釣りが楽しめるからである。登山一行もスタート地点に戻ってこないコースが取れる事を喜んでくれる。お互いの利害が一致した。

想像以上に豊かな生態系であったが、先ずはこんなのもいた。

大きさは、体長7ミリぐらいだった。

現場でも光沢の綺麗なハムシだなとは思ったが、緑色の無数の光沢のあるハムシの中から、種を特定出来るか自信がなかったのも本音。ただ、よく見ると、胸部は黄色い事に気が付いた。こうなると、俄然、種の特定に近付く。

案の定、あっさりとキクビアオハムシという山地性のハムシに辿り着いた。

山地では、ブナ、ウツギ、ヤマブドウ等色々な植物に集まるらしい。

今度は、もうちょっと陽射しのある環境で出会い、鮮明な写真を撮らせて貰えればなと思う。

ハンノキハムシ 幼虫 成虫 Agelastica coerulea (Baly)

最近、近隣で、このハムシの幼虫を大量に見かけた。

畑作地帯の中の小さな調整池と公園のようなものが一体になったちょっと面白い空間で見かけた。この場所はユニークで、単なる機能だけの調整池というだけでなく、水面と同じレベルにコンクリートの道路があり、ベンチなんかも有るんだが、それ以外の広場用途に考案されたエリアは、ズブズブのグチャグチャの半湿地で、一般人の感覚の広場としてはとても機能していない感じである。

この池のきわに、ハンノキが沢山生えているのだが、まさにそのハンノキにどんだけいるのというぐらい沢山付いていた。

直ぐにハバチの幼虫と思ったのだが、調べたところ、どうもハムシの幼虫のようである。

確かに、その幼虫ほどではないにせよ、成虫のハムシも少し居たので、それらの一匹を写真に撮ったのが、以下のものである。

大きさは、体長6ミリぐらいで、ハムシにしては大きい方だと感じた。

ハンノキしか生えていない湿地のハンノキにいたので、普通に辿り着くのは、ハンノキハムシである。

ただ、気になるのは、黒い幼虫が、ハムシの幼虫にしては大きいのがいたような気がする点である。今回は、深く考えないようにしようと思う。

最後に、この調整池というか湿地には葦も生えていて、葦には、今度はスゲドクガの幼虫が大中小様々に沢山付いているのである。

どちらに対しても、この場所では、天敵はいないのであろうか?

ヨツボシハムシ ?

昨晩、我家の外灯化で見かけて写真に撮っていた。

大きさは、体長6ミリ弱。

なんとなく見覚えのある奴だとは思っていたので、過去の投稿を振り返ると、サイズや色のパターンとかが同系統のアトボシハムシという種の投稿をしている事を確認した。

同時に、世間にはヨツボシハムシという種も存在・認知されており、上の写真の個体は、ヨツボシハムシに近いと感じた。ヨツボシハムシに近いと感じたと表現した理由は、私が写真に撮った個体は、ヨツボシが完全に分離していないけど、ヨツボシハムシなんだろうなぁと思ったという事からである。一応、ネット上のヨツボシハムシの写真は、黒い星がそれぞれ独立した個体の写真ばかりで、私の撮った写真のような個体は簡単には見つけられなかった。

以下は、私の撮った写真の個体をヨツボシハムシと認識しての記述になる。

さて、このヨツボシハムシの集まる植物は、アマチャヅルにカラスウリ等との事である。家の近所で、アマチャヅルは見た記憶がないが、カラスウリは、何処にでもある。この習性は、アトボシハムシも同じである。

そして、気になったのは、アトボシハムシとヨツボシハムシの関係性である。このとても似た2種の繋がりが読み解きたくて、2種の分布域を国外含めて眺めて見ることにした。

そうすると、ヨツボシハムシの方は、本州から九州までと近海の島嶼に及んでいる事が分かり、国外では、中国東部との事であった。一方、アトボシハムシの方は、北海道から南西諸島までと広範囲で確認されており、国外では、中国、朝鮮半島、台湾と書いてある記事があった。この情報から、推理すると、陸続きの場所が多かった何千万年も前に、アトボシハムシは日本に移動して来ており、その後の陸続きの場所が限定され始めた時代に、姿を少し変えたヨツボシハムシが渡って来たのかなと思いたくもなった。

どうなんであろう?ただひとつ言えるのは、虫達の歴史の方が、人類の歴史より、全然長く古いことである。