オビヒトリ 成虫 腹部の色

最近、このヒトリガの仲間と思しき蛾を見つけ、写真を撮りながら観察した事があった。

ちなみに、この日、同じ場所にアカハラゴマダラヒトリもいたが、本個体は、アカハラゴマダラヒトリと思われる蛾よりは一回り大きく、腹部を観察したところ、アカハラゴマダラヒトリとは別種であろうとの結論に至っている。腹部の雰囲気が全然違う気がする。

腹部は以下のような感じであった。

正直、赤が濃くってムラが無いのに驚いた。同時に、腹部の太さというかふっくら感も目立つ。

こうした特徴で調べたところ、本種は、オビヒトリという種に行き着いた。

過去に、オビヒトリの投稿はしているが、そちらが本当にオビヒトリなのかも再検討する余地も浮上してきた。この手の白い翅系のヒトリガ達は、上翅の紋様ではなく、腹部の特徴の方が種の特定には根拠を持たせれるような気がして来ている。

さて、今回の、オビヒトリと同定した蛾の特徴として、他に気が付いた点を上げていくと……。

○ 触角が、櫛歯状には見えず、おまけに先の方が白いという特徴が見てとれた。

○ 脚部の雰囲気がだが、黒い部分が目立っているところも、本種の特徴の気がする。夏の終わりに現れる同サイズで、似た雰囲気のシロヒトリは、反対に脚部の踵節と脛節は白い。

また、今回の個体の翅の表面は、少しクリーム色だが、シロヒトリは、純白のイメージである。

アカハラゴマダラヒトリ?  成虫 Spilosoma punctarium

キハラゴマダラヒトリを見かけるようになってから早いもんで1ヶ月弱が過ぎようとしている最近の事である。

気まぐれで、久しぶりにキハラゴマダラヒトリの腹部でも確認するかと、摘んで腹部を見て、オヤッてなった。キハラゴマダラヒトリの山吹色の腹部を予想していたのだが、この個体は違った。腹部が朱色である。

腹部の色が確認出来る写真も以下に。

こうなって来ると、これがアカハラゴマダラヒトリなのかと思ってしまいたい自分がいる。

自分の仮説では、キハラゴマダラヒトリとアカハラゴマダラヒトリは、明確に棲み分け環境や生息時期が違うに違いない……そうあって欲しいと思いたかったのだが、ここに来て、完全な同所(少し前までキハラゴマダラヒトリを沢山目撃して来ていた同じ場所である)に、生息時期もそれほど変わらず共生もしくは誕生している事実を知ってしまったのである。

また、私はキハラゴマダラヒトリとアカハラゴマダラヒトリは、限りなく同種に近いとも思っているのだが、今回の個体は、小さめのキハラゴマダラヒトリよりも、気持ち小さいように感じた。勿論、これはこの個体の個体差かもしれないが…。

さてさて、キハラゴマダラヒトリとアカハラゴマダラヒトリの成虫の違いが、少しづつ掴めてきた気がするが、両種を通しての一つの疑問が生まれてきた。

それは、サイズに関わらず、どの個体の触角も櫛歯状なのであるが、キハラゴマダラヒトリやアカハラゴマダラヒトリは、雌雄によって触角の形状の差異はないのであろうかという疑問である。ちなみに、通常は、雄が櫛歯状の触角で、雌は糸状の触角のパターンを持つ蛾達が多い気はする。 

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2022年5月1日追記

学名のSpilosoma punctariumで検索したところ、英語で書かれたウキペディアがヒットして来た。読んだところ、極東ロシアに中国全土、朝鮮半島、日本に生息している蛾だと理解した。とても似た雰囲気のキハラゴマダラヒトリの方が、ヨーロッパにも生息している事を考えると、進化の過程に繋げられそうな興味深い情報である。

シロヒトリ 卵 成虫

8月のお盆過ぎ辺りから9月の最近まで、近隣近所で、シロヒトリの成体を沢山見かけた。

高い位置に設置される外灯を見上げると、大きな蛾が複数旋回している光景が、近所のあちこちで見てとれた。

そして、ある時、その大きな蛾の正体を知りたいと思っていると、そのまま、螺旋状に旋回しながら、地面まで落ちて来た個体があった。

確認すると、ヒトリガ科のシロヒトリという蛾である事が分かった。

その後も、沢山のヒトリガの成体に出会い観察していくうちに、ヒトリガの成体の特徴や傾向の法則性みたいなものが掴めて来た。

先ずは、近隣で見られる似たようなヒトリガ科の他の蛾達と比べると、明らかにサイズが大きいと思う。

そして、昼間に多数群れて止まっているような場所だと、明らかに大きいサイズと少し小さいサイズのタイプがおり、大きい方がメスで、小さい方がオスだと思われる。また、オスの方が、前脚の赤い部分が目立つ気がする。

また腹部に関して、サイドが朱色で、腹部上部の真ん中は、白い。春に近隣でよく見れるアカハラゴマダラヒトリは、腹部が上面も黄色がかったオレンジ色といった感じで違い、何よりもシロヒトリと比べると全然小さい印象である。

今回は、とある場所に複数止まっているシロヒトリのうちの数個体が、何日も同じ場所に留まっていることに気が付き、何の目的があるのであろうと想像していた矢先に、ウグイス色の卵を産んでいるのに気が付いた感じである。地面には、息絶えたシロヒトリも複数転がっている。産卵後に、その場で死んでしまう個体も居るに違いないと思う。

外灯の周りをブンブンと飛びまくるシロヒトリ……灯取りの名に相応しい蛾である事が知れた2021年の晩夏であった。