ミツボシツチカメムシ ヒメオドリコソウ

ミツボシツチカメムシを調べると、必ずヒメオドリコソウを吸汁するとの情報に出くわすが、これまでのところ、ミツボシツチカメムシを見かける付近にヒメオドリコソウが生えているのは確かだが、なかなかピンポイントでヒメオドリコソウに群がっている瞬間に出会した記憶はなかった。

しかし、最近、若干、日陰に生えていた通常と少し違う(花色や葉の色や大きく育っているところ)雰囲気のヒメオドリコソウに、ミツボシツチカメムシが群がっている現場に出会し、写真に撮っていたので、その写真を紹介しようと思う。

この株には、数十匹のミツボシツチカメムシが群がっていた。

そして、不思議なのは、数メートル離れた場所には、一般的な若葉が赤っぽくなるこじんまりしたヒメオドリコソウが沢山生えているのだが、そちらの付近の地面等には、ミツボシツチカメムシはいても、それらの日向の一般的なヒメオドリコソウには群がっていないというか、付いていないのである。

これには、何かしらの理由があるはずだが、現時点では、私には掴めない。でも、時々、その理由に頭をめぐらせてみるのも、楽しい時間である。

その日、付近にいたミツボシツチカメムシのうちの1匹

ミツボシツチカメムシ Admerus triguttatulus (Motschulsky, 1866)

数日前に、このカメムシの写真を撮っていた。

車の窓に飛んで来て止まれるぐらいだから、飛翔能力はしっかりしていた。

大きさは、体長6ミリぐらいで凄く小さい。種名は、ミツボシツチカメムシ。

3年前の4月にも投稿済みと知ったが、今回の方が断然しっかりした写真が撮れたので、再投稿してみた。

シソ科のヒメオドリコソウ(ヨーロッパ原産の帰化植物)やオドリコソウを吸汁すると言われているが、確かに、この時期春先の日向では至る所でヒメオドリコソウが薄いピンクの小花を咲かせている光景に出会えるかもしれない。

一応、国内では、ミツボシツチカメムシ属には、本主含め4種いるようであるが、本種が一番一般種なのかと思われる。分類上位のホシツチカメムシ亜科には、シロヘリツチカメムシ(Canthophorus niveimarginatus Scott, 1874)という種がいるが、こちらは、環境省のレッドデータで、準絶滅危惧種に指定されている種である。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州まで。海外の生息分布は、ちょっとインターネット検索では出てこなかったが、前出のシロヘリツチカメムシが、朝鮮半島にも生息していることは分かった。このことから、ツチカメムシ科ホシツチカメムシ亜科に属する小さなカメムシ達は、日本を東端にした極東の一部で繁栄している小さなカメムシ達なのかなぁとも想像したいが、どうなのであろう。