オカモノアラガイ 茨城県那珂川中流 標高50メートル

最近、茨城県のど真ん中を流れる大きな河川である那珂川の中流で川遊びをした時に見かけた。

最初は、河川敷の砂の上に、キャラメル色をした綺麗なツルツルの小石が沢山めり込んでるなと思っていた。

しかし、その場所を数往復しているうちに、小石じゃなくって陸棲貝(カタツムリ)じゃないかよと気が付いた。

陸生貝類の仲間には、キセルガイの仲間やオカチョウジガイの仲間や一般的なマイマイの仲間があり、それらを身近なフィールドで見てきているが、この一風変わった貝殻を持ったカタツムリは、初めてのタイプである。

しかも、極小や小型のカタツムリを見慣れている身としては、このカタツムリ達は大きい方だと思う。大きさのイメージが湧くように、人差し指の先と一緒に写した写真が上のもだが、明らかに殻長で2センチ以上ある。

そして、殻の特徴から、もしかして、これが、オカモノアラガイ?と現場でも予想したが、帰宅後に調べたところ、やはり、オカモノアラガイのようである。

身近な水辺環境で、ヒメオカモノアラガイの仲間やサカマキガイを見慣れている身としては、それらを調べる経緯で、オカモノアラガイの存在は知っており、本当に、同じようなタイプの貝で、2センチ以上にもなるような陸生種がいるのかなと半信半疑であった。

ただ、今回、実際に、オカモノアラガイと遭遇して、シッカリとオカモノアラガイの姿や印象を脳内に、自分の実経験としてインプットする事ができた。

さて、今回のこのオカモノアラガイの生息環境だが、川の背後に控える大きな土手の河川敷側にしかおらず、反対の里山として利用されている水田側には居なかった。

また、種名が分からないのだが、2メートルを超えそうな茎の太い草本(後にオオブタクサと分かった)の茂みの中を生活場所にしているらしく、下草が刈られた雑草混じりの野芝のエリアにはいなかった。この日も、たまたま、雨がちの日が続く中で、移動を試みていたのか、川へと続く堆積した砂の道上にも、沢山いた。

そして、この河川敷は、時々、川の増水によって、地面が水面下になっていることは明らかである。結構な増水の時には、2メートル近い草本も、激流によって薙ぎ倒されているはずである。そんな過酷な環境下に生息しているというか、好んでいるカタツムリのようである。(激流時には避難するのか、流されてしまうのか気になるところである。)

さて、このオカモノアラガイ……幾つかの小型の亜種が存在しており、それらの中には、レッドデータの絶滅危険度の高いカテゴリーに入れられいるものもいると知った。

今度は、何処で出会えるかな。