クスサン 繭 Saturnia japonica japonica (Moore, 1872)

最近,近隣のとある場所で、建物の壁に、この繭が沢山張り付いている場所に出くわした。

こんなに目立つ大きな繭を作る蛾達と言えば、ヤママユガ科の蛾達しかないよなと思ったのだが、初めて見る繭だった。

同時に,ヤママユガのクスサンの繭って,どんなんだろうと調べたところ,ズバリ、クスサンの繭と判明。

この大型のクスサンという蛾が、茨城県でも増えているらしい。ただ、ヤママユガやヒメヤママユやウスタビガの繭は近隣でよく見かけるが、このクスサンの繭に近隣で出会ったのは、今回が初めてであり,近隣の至る所に広範囲には拡がっていないのは分かる。

一応,このクスサンの繭(別名スカシダワラ)を2個ほど胸ポケットに入れて持ち帰って来たので、羽化するのは今年なのか来年なのか分からないが、羽化を待ってみたいと思う。

一応,クスサンの幼虫は、広食性で様々な植物を食べれるようである。そして、これが、時に害虫として、嫌がられるケースに発展することもあるとのことである。

生息分布の方は、国内は、北海道から屋久島辺りまでいるようである。奄美大島以西の沖縄諸島には、少しだけ違う亜種が生息しているようである。そして、台湾や中国東岸や朝鮮半島からロシア沿海州南部まで、海外にも生息しているらしいが、あまり正確な情報を掴めなかった。

ヤママユ 成虫

最近、近隣でこの巨大な蛾を見かけ写真に撮っていた。

シチュエーション的には、車を運転中に、高速道路下の短い隧道に入ったところ、壁に巨大な蛾が揺らめいているのが視界に入った。車を安全な所に停めて写したのが、以下の写真である。

大きさは、とにかく大きかった。私の中での遭遇した蛾の巨大さランキングでは1位の気がする。オオミズアオなんかよりも大きく感じた。開張で180ミリぐらいあったのではないだろうか。

種は、調べたところ、ヤママユと分かった。

ヤママユの幼虫の食草は、所謂ブナ科の広葉樹という事で、近隣だとクヌギ、コナラ辺りなんだと思われる。

このヤママユも天蚕と言われて、最高級の生糸が繭からは取れるとのことである。繭は、写真で見る限り、薄緑色でとても綺麗なのだが、私は、一度も見かけたことはない。

ちなみに、ヒメヤママユという種もいて、こちらは、その巨大な幼虫が我家の庭のモミジ他、色々な木で育っているのを時々見かけるが、今回のヤママユとの遭遇によって、ヤママユと比べると全然小さい蛾に見えるようになってしまった。