オオバギボウシ Hosta sieboldiana (Hook. ) Engl. var. sieboldiana(1888)

先週末に、茨城県と栃木県の県境付近、標高300メートル付近で、少しだけ動植物を観察する時間があった。

ふと、林道の開けた陽射しの当たる場所で、以下の植物が目に飛び込んできた。

私の心の中での、第一声は、「ギボウシじゃん。しかも超でっかい。」であった。

今まで、我家の近隣の平地で、野生のギボウシを見かけることはあったが、どれも、上の写真のギボウシより5分の1ぐらいは、小さく、もっと葉っぱの色が濃いギボウシである。この平地で見かけるギボウシが、元々自生していたのかは分からないが、花期に薄紫の花を咲かせている時期には、綺麗な花の色合いだなと見惚れてしまうのも事実である。

さて、今回のこの巨大なギボウシの種名はと言うと、これがオオバギボウシという種だと思いたい。花はコバギボウシの薄紫と違い、白色らしい。そして、平地で見かける野生のギボウシの方が、コバギボウシなのではと思いたい。もしかしたら、もっと細分化されているかもしれないが、取り敢えず、この2系統は気温で棲み分けをしているのが読み取れる。

基本的に、高緯度や山地等の涼しめの環境で生育しているのが、オオバギボウシで、西日本とかにあるのがコバギボウシと読み取った。

ところで、この上の写真の個体も、微妙に葉の端の方が色が薄く覆輪の形で斑が見えるが、こうした中から日本人が選抜し、楽しんでいたであろうギボウシを江戸時代ぐらいに、ヨーロッパへと持ち帰ったものから、現代の海外の斑入りを始め、様々な改良されたホスタがスタートになっているのかなと想像した。

一応、オオバギボウシの分布を簡単に書いておくと、国立科学博物館が日本の固有種と紹介しているページがあったが、なんとなく、隣国の同環境には生息してそうな予感もする。