ミサゴ Pandion haliaetus (Linnaeus, 1758)

少し時間が経ってしまったが、昨年の12月の頭に,見かけて写真に撮っていた猛禽である。

場所は茨城県の涸沼であった。田んぼの間を走る真っ直ぐの細い農道を車で走行中に、電柱の頂点で美味しそうに獲物を啄ばむ猛禽が視界に入って来た。よくある光景なので、そのまま通り過ぎるつもりだったが、近付くに連れて、その猛禽の模様のコントラストが目に止まった。「こんなに白がハッキリと所々に見える猛禽って,いたっけ?」と思った。

車を電柱の直下に停めて、窓を開けて写したのが、以下の写真である。

大きさは、鳶よりは小さいが、カラスよりは大きい。小さい頃より、海釣りには結構出かけていたつもりで、魚をメインに捕食する茶色をベースにした猛禽類達は、嫌と言うほど視界に捉えて来たが、こんなに白が目立つ猛禽は初めてである。

帰宅後、調べたところ、直ぐにタカ目ミサゴ科のミサゴという魚食性の猛禽と判明。ミサゴという種名も、私にはお馴染みだったが、出会ったのは、初めてだったとも言える。

生息分布の方は、南極と北極圏シベリアを除けば、世界中に拡がっているようである。

さて、これまで一度も見たことがなかった理由に結びつけたい事実があるとすると,このミサゴは、環境省の定めるレッドリストで、準絶滅危惧種に指定されている猛禽である。47都道府県のうちの4分の3弱の都道府県が、準絶滅危惧種以上の指定をしている猛禽である。

同じエリアにいる鳶は攻勢を極めているのに,一方のミサゴが勢いを失っている理由は、現時点では、私の頭の中には浮かんで来ない。もう少し,ミサゴに出会い,ミサゴに出くわす場所の共通点みたいなものを自身で感じ取れないと,何とも無責任な憶測でページを埋めるだけである。

ちなみに,アメリカ軍と日本の自衛隊が配備している垂直離陸機にOSPREYという機種があるが、英語でミサゴのことらしい。

チョウゲンボウ 日本亜種? Falco tinnunculus subsp. interstinctus (McClelland, 1840)

仕事の合間に休憩に使うお決まりの場所で、今年に入り、見かけるようになっていた。そして、最初に見た時には、ペアでいた。

その後も数回目にはしており,近くの地面に降り立った際には、自分もそっと車から降りて、なんとか写真に収めようと試みてみたのだが、当たり前だが、警戒心が強く、スマホのカメラで写せる距離までは近づかせてくれなかった。

ただ、この日は少し違った。最初、近くの電柱に止まったのを見て、スマホを片手に近寄ってみたが、案の定、気配を警戒されて、飛び立たれてしまった。しかし,次に止まった場所がそう遠くない人工物上であった。そして、その人工物の構造上,今回のチョウゲンボウから完全な死角に入りながら真下まで近づける可能性を感じる事が出来る場所であった。かなり遠回りをしながら、チョウゲンボウから死角になっている高い壁沿いを慎重に慎重に近づいて行った。まだその場所に留まっている事を祈りながら、壁の終端から覗いてみると、運良くまだチョウゲンボウはそこに居た。もうここまで来たら、いつ飛び立たれても,良いようにそのチョウゲンボウをファインダーに留め、更なるストポジションへと移動を試みることにした。

予想外に、チョウゲンボウの真下に入って手を伸ばしスマホをのピントを合わせても、飛び立つことはなかった。その距離、ざっと頭上10メートルぐらい。なんとか撮れた写真が以下である。スマホは接写には強いが、遠くの物を鮮明に映し出すのには向いていないようである。

さて、このチョウゲンボウ(長元坊)であるが、近隣でも,この冬の時期には、車を運転中に時々見かける事がある。ただ、今回みたいに、日頃の私の休憩場所の付近を縄張りにしてくれたのは、偶然で幸運だったと思う。

このチョウゲンボウという猛禽を間近で見ての感想としては、抱いていたイメージより大きいなという印象を持った。サイズはカラスぐらいなのかもしれないが、とにかく筋骨隆々に丸々太ってがっしりとした身体つきに見える。そして、これはイメージ通りであるが、体色にメリハリがあり,見間違えることのない中小型猛禽である。

このチョウゲンボウという猛禽は、広義のFalco tinnunculus (Linnaeus, 1758)という学名で生息分布を調べると,南北アメリカ大陸とオセアニアとシベリアに目撃例が少ないが、世界中で目撃されている鳥である。また、日本亜種と思しきFalco tinnunculus subsp. interstinctus (McClelland, 1840)の生息分布は、私にはちょっと分からない。理由は、世界中に結構見た目やサイズが所々違う亜種が結構存在しており,目撃報告は、それらを正確に区別して報告しているとは思えない節もあるので、亜種毎の目撃情報を鵜呑みに信じてしまうことは避けるのが賢明と判断するからである。

そして、私が最近見ているチョウゲンボウのタイプは、冬になると目に付く気がするので、何処か北の方の冬は雪景色に埋まるような地域から南下して来ているのかなとも思いたい。ただ、このタイプは、移動せずに留鳥として、その場で繁殖している家系も結構いるとの事である。最近は、鉄橋等の人工物に営巣する個体も多いようである。

また、コチョウゲンボウというような少し小さくて明らかに見た目に差異がある亜種達も、冬の日本には大陸から冬鳥としてやって来て、バードウォッチャー達を楽しませているようである。

最後に,このチョウゲンボウの行動で気がつく事は、地面に降りて来て、少しモゾモゾしながら数秒で飛び去るという行動をしている現場によく出くわす。おそらくの推測だが、餌を捕まえているか、その場で食べていると思われる。そして、この冬の寒い時期に、この場所で沢山捕まえる事が出来るのは、体長5-7センチぐらいのツチイナゴなんじゃないかなぁーと思いたい。そして、今年,私の昼の休憩場所の近くに、このチョウゲンボウが現れた理由も推測すると,珍しく冬場に,草刈りが行われた。その結果、葛の枯れ蔦や他の枯れた下草が除去されたため、地表のツチイナゴが見つけ易い場所になったことが関係しているような予感がする。

最後に,この同じ場所は、ノスリも冬になるとよく見かける場所だが、ノスリとの関係性も気にして眺めてみたいなとも思う。身体のサイズはノスリに分があるが、なんか華奢な感じはせず意外と強そうだと知ったチョウゲンボウという鷹である。

ジムグリ? Euprepiophis conspicillata (Boie, 1826)

つい最近,近隣で見かけたヘビである。

少し薄暗い場所のアスファルトの道路上を横切っているのに気が付き、直ぐに写真を撮ろうと追いかけたのだが、竹藪の倒木の中に逃げ込んでしまった。

逃げたあたりの竹の倒木を慎重に退けたところ,なんとか写真に撮れたのが以下の写真である。残念ながら、頭部を探して竹の枯葉を退け始めると,枯葉の下の土中へとスルスルと消えてしまったのである。

本個体は、道路上を横断している際の目測だと,80センチぐらいだったと思う。

さて、今回,ヘビを追いかけてまで写真に撮ろうと思ったのは、このヘビの体色に理由があった。薄い赤系の地色が気になったのである。当初から、もしかしてジムグリではないかなとの予感がしていたのであった。

近隣で見かける蛇は、最近は圧倒的にアオダイショウが多くなったが、時々シマヘビにも出会える。あとは、林縁の石や倒木を退けると,ヒバカリにも出会える。そして、ごく稀には、シロマダラ。が、こんなに薄い赤系で無地に近い紋様をしている蛇って何であろうとなるのである。アオダイショウのこのサイズだと、鎖状の紋様が見え、やっぱりもっとダークな色合いである。シマヘビのこのサイズだと、黒く太い縦縞が見える個体が殆どでである。ヒバカリは、黒が強くて、もっと小さいく、こんなに肌感が艶だっていない。

そうすると,1番雰囲気が似ているのは、やはりジムグリかなと思いたい。

ところで、このジムグリの生息分布は、知られているところでは、日本国内に限定されるようである。(国後島からの報告が載っているサイトも見た。)では、北海道から九州までのメインランド以外の島嶼はと言うと、主要なものでは、伊豆諸島、隠岐、五島列島、種子島、屋久島であった。対馬と言及しているサイトは一見しただけでは、なかった気がする。ここで、気になるのは、南方系の蛇ではないのは分かるが、その生息分布である。本当に,対馬や朝鮮半島やロシア沿海州南部には居ないのであろうかという疑問である。似た亜種みたいなものも居ないのであろうかという疑問である。

もし居ないとしたら、どの蛇から進化して来た種なんだろうとの好奇心が湧く。

ところで、このジムグリの習性として、モグラやヒミズや、他にも土中で暮らす地ネズミの類を彼らの巣穴に入り捕食することがあげられる。この行動から、地潜りが訛ってジムグリの名前が付いたようである。

この見かけた日も、姿を消した場所の周りの竹の落ち葉を退けてみたのだが、再発見することは出来なかった。竹の落ち葉の下を擦り抜けている気配も感じ取ることが出来なかった。もしかしたら、土中に潜り込んで行ったのかもしれない。

最後に、このヘビは可愛くって、我家の庭に居て欲しいなって思った。理由は、このヘビの好む土中性の小型哺乳類を減らしてくれればなとの期待があるのかもしれない。モグラは、毎年,芝エリアの地中を動き回り,芝エリアを凸凹にするし,ヒミズも、相当な数が我家の庭に暮らしていると思われ、細い坑道も塵も積もればなんとやらである。

あと,上の写真のヘビをジムグリとすると,ジムグリは比較的珍しいヘビになって来ているらしく、都道府県が独自に定めるレッドデータにおいて、絶滅危惧Ⅰ類に指定しているのが、千葉県、絶滅危惧Ⅱ類に指定しているのが東京都、準絶滅危惧種に指定しているのが、福島県、埼玉県、奈良県,徳島県、島根県、福岡県、大分県である。他にも幾つかの県で、要注目種のような括りで扱われているようである。