ネアカマダラメイガ 成虫 Etielloides bipartitella (Leech, 1889)

数日前に我家の外灯下に来ていた蛾のひとつである。

ちょこまかと動き回っていたので、写真がピンボケになってしまったが、種名は、ネアカマダラメイガだと思う。

前翅の後端の方が、もう少しハッキリと見える写真を以下に。

大きさは、前翅長で10ミリぐらいはあり、決して小さい印象は持たなかった。

似た種に、イタヤマダラメイガ(旧名 ナシハマキマダラメイガ)がいるが、イタヤマダラメイガの方が、下唇髭が細く尖っているようである。また、イタヤマダラメイガの方が、気温が低くなる標高が高い場所や北の方に生息しているような傾向が読み取れる。

では、本種、ネアカマダラメイガの幼虫の食草はと言うと、まだしっかりと確認されていないようである。

生息分布の方は、国内は、本州以南………対馬含む九州まで。海外の生息分布は、朝鮮半島には生息している模様。一方、イタヤマダラメイガは、国内は、北海道にも生息しているようである。

ヒミズ Urotrichus talpoides (Temminck, 1841)

珍しく哺乳類の投稿である。

数日前に我家のコンクリートの駐車エリア上で息絶えていた。一瞬、モグラと思ったが、あまりにも小さい。

腹側から写した写真をもう一枚。

大きさは、尾長を入れないで、60ミリぐらいしかなかった。

種名は、おそらくヒミズ(日見不)と思われる。近似種にヒメヒミズというのが居るらしいが、ヒメヒミズは、もっと標高の高いところに生息しているとのことである。

ヒミズの平均サイズが、90-110ミリぐらいであり、今回の個体は、ヒミズにしては小さいが、幼体の可能性もあるだろうし、尾の太さや毛の色合いや生息環境を考慮すると、ヒミズの方であろうと思いたい。

前々から、モグラとは違うが、モグラのような生態を持った哺乳類が、我家の庭には生息している予感はしていた。根拠は、庭に無造作に置いた木の板やブロック等を退けると、その退けた後に、明らかに小型のモグラが使っていそうな細い通路が見られることがあったからである。また、そんな半地中みたいな浅過ぎるところに通路が作られている事と、その近辺に、明らかにその小動物が出入りしていそうな穴が、時々、草むしりの際に目に留まることもあったからである。私は、てっきりモグラの放棄した坑道を利用しながら、地ネズミの類が住み着いているのかもしれないとの仮説は持っていた。

そして、今回、その地中生活をしている小動物の一つがヒミズだと確信できたわけである。

ただ、地ネズミの類も生息していないとは言い切れない。地元では、時々、地べたの障害物を退けると、穴に潜り込んでいく小動物に出会うことがあるが、物凄い速いのもいれば、目に焼き付く残像が、ヒミズのような黒ではなく、もうちょっと明るい色の小動物も見るからである。

今回、我家の庭で息絶えていたヒミズは、死んでから間もない個体だったと連想する。と言うのも、1、2時間前にその場所を通った時には、その個体はその場所には無かったように記憶しているからである。

きっと、移動の途中で、ヒミズからすると想像以上に温度の高かったコンクリートの上で息絶えてしまったのかなとも想像する。

では、このヒミズは、いつ頃から我家の庭に住み着いていたのかと推測するに、我家がこの土地を購入する以前は、棲息していなかったのではと思いたい。理由は、元々は、除草剤を撒いて管理されていたような草原の空き地であり、土は固く詰まったガチガチの土壌であった。その後、樹木を植え、その落ち葉も積もり、みるみる土壌が改良されて、フカフカの土に戻っていったのを覚えている。また、私が、落ち葉をそのままに放置するタイプだったので、まさに落ち葉の下で半地下生活をしているようなヒミズには好環境だったんだと思われる。

しかし、昨年ぐらいから、庭の雑草管理の観点から、落ち葉を掻いて、ところどころ除草剤も撒くようになってしまったのである。そういった点では、ヒミズの好むような環境が減って来ていた矢先の出来事であった。

また、話は少し飛躍するが、昨年からオスの地域猫が庭を我が物顔で徘徊するようになっていた。ある日、窓越しに、その猫を眺めていると、不自然な場所の地面に、じっと長時間座り続ける光景が目に入って来た。いくら我家の庭が気に入ったとしても、不思議だと思い、猫の視線の先を注視すると、2メートルぐらい先の小さなモグラ塚が少し動いているのが見えた。この時は塚の主のモグラを猫が捕まえることはなかったが、この猫が、ヒミズが地表との出入りする小穴の近くで、待ち構えてヒミズを捕まえている可能性は大いにあるなとも推測している。

最後に、ヒミズの生息分布を記しておく。エッて思ったが、どうも国内固有種のようである。本州から九州まで分布しており、対馬や隠岐といった島嶼にも生息しているとのことである。なお、都道府県が独自に定めるレッドリストでは、千葉県が準絶滅危惧種に、東京都と鹿児島県が動向を気にしているような扱いの種に指定している。

一方、近似種のヒメヒミズ(Dymecodon pilirostris True, 1886)も、国内固有種のようであるが、明らかに1000メートル以上といったような亜高山帯で見られる種のようである。その傾向を知っているのかは分からないが、17もの都道府県が、上は絶滅危惧Ⅰ類を筆頭に、何らかのレッドリストの括りに登録している。(元々、標高の低かったり、気温が高めの都道府県には、それほど生息していない種の可能性もあるような気はする。)

ヨモギヒラタマルハキバガ 成虫 Agonopterix yomogiella (Saito, 1980)2nd

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、体長10ミリ弱ぐらい。

種名は、ヨモギヒラタマルハキバガ。ヒラタマルハキバガに属する蛾である。

時々見かけるし、3年前の4月8日にも投稿済みである事を確認した。ただ、なぜ再投稿しようかと思ったかと言うと、3年前の投稿時に使っている写真が、全然鮮明ではないので、今回は、もう少しマシになった写真で再投稿してみようと思った次第である。

幼虫の食草は、キク科のズバリ……ヨモギらしい。(本当にヨモギだけしか食べないかと言う点は、慎重になった方が良さそうだが……。)

国内の生息分布は、北海道と本州で確認されている。海外の生息分布は、ちょっと情報に行き着かなかったが、学名の年代とネーミングを見て、頷けた。1980年に、Saitoさんが、Agonopterix yomogiellaという学名で登録している比較的新しく種として認められた種だと知った。学名に、yomogiellaというヨモギを連想出来る部分もある。