カエデシャチホコ 幼虫 Semidonta biloba (Oberthür, 1880)

先ほど、我家の庭のモミジの木にいた蛾の幼虫である。

まだまだ終齢までは行っていないが、頭部の大きさや、ライトを当てた時に、頭部を少し持ち上げる姿勢をとってきた事などから、シャチホコガ科の蛾の幼虫であろうなとの予測は付いたが、調べてみたところ、カエデシャチホコの幼虫と分かった。

決め手は、頭部を横に走る黒いラインだった。

自分の投稿を振り返ってみたところ、このカエデシャチホコの成虫の投稿は無かったので、一瞬、成虫になるまで飼育してみるかとも思ったが、成虫になるのは来年の初夏辺りである事を考えると、その長い期間しっかり世話を出来る自信も無いので、現段階では、慎重になろうと思っている。

ちなみに、カエデシャチホコの生息分布は、国内は、北海道から九州近海まで。海外の方は、ロシアには確実にいるようである。

そもそも、カエデの仲間が寒い地域の植物なので、この分布は頷ける。幼虫は、カエデ以外には、トチノキも、食べれるらしいが、トチノキも山地系の植物である。

クマスズムシ Sclerogryllus punctatus (Brunner von Wattenwyl 1893)

先ほど、我家の外灯下に来ていたコオロギの仲間である。

大きさは、体長9ミリといったところだったであろうか。

最初に、本年の我家を取り巻く鳴く虫の状況を説明しておくと、今年は、敷地内で初めて、スズムシが鳴いている。近隣のヤブでは、野生のスズムシの鳴き声はよく聞けるが、これまで我家の直ぐ側では聞いたことがなかった。昔から、スズムシの鳴き声が好きで、庭に大量に放したりした事もあったが、基本的に一代限り(運が良くて、翌年少しだけ誕生)で、庭でスズムシが歴代繁殖する事はなかった。

しかし、何故か、今年は、我家の庭でも野生のスズムシが鳴いている。誰かが逃したのではと邪推する必要は無いかと思う。理由は、簡単に放虫出来る人口繁殖スズムシ達の鳴き声とは明らかに違う鳴き声だからである。近隣の野生のスズムシの鳴き声の方が、終盤の余韻がなく、人工的に繁殖させられているスズムシの方が、私はメロディアスで美しいとは感じてしまう。

という事で、庭で鳴いている野生のスズムシの姿を一目見たいと思っていた矢先に、先ほど、上の写真の個体を見つけたのである。

ちょっと小さいけど、これが野生のスズムシかと思ったが、写真を見ながら、似てるけど、なんかスズムシではないと気が付いてしまった。

では、この虫は何という虫かというと、クマスズムシという種である。ただ、スズムシはマツムシ科に属すが、このクマスズムシは、コオロギ科に属しているようである。そして、鳴き声も、美声の部類ではあるが、スズムシの鳴き声とは全然違うのである。

ここで、近隣で鳴いているスズムシの姿を見たいという希望は、また、お預けとなったのである。

さて、このクマスズムシの生息分布の方は、本州以南……九州近海までで、南西諸島は、沖縄本島や久米島にはいるようである。また、チラッと目に入った情報で、伊豆諸島の八丈島にも居るというのが、個人的には興味深かった。海外の生息分布は、韓国や中国から生息報告が上がっているようであるが、どうも沿岸部に多かったり、長江に沿って内陸部へと拡がっているように見える。

ネグロヨトウ 成虫 Chytonix albonotata (Staudinger, 1892)

先週の水曜日の晩に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

相変わらず、近隣で日々蛾を含む生物にはよく出会っているのだが、未だ投稿していない種に出会える確率は確実に少なくなってきている気がする。ただ、以下の種は、未投稿の種と分かった。

大きさは、前翅長13ミリぐらいだったであろうか。

種名は、ネグロヨトウだと思う。

幼虫の食草は、不明とのことである。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州近海まで。海外の生息分布の方は、ちょっと分からなかった。少し山地性の蛾であるとの情報もあった。