キオビベニヒメシャク 成虫 雌雄の見分け方 Idaea impexa impexa (Butler, 1879) 3

数日前に、我家の外灯下にキオビベニヒメシャクが複数匹訪れていた。

近隣で馴染みの種なので、いつものルーティンで何気なく写真を撮っただけだったが、撮った写真を見返しながら、色合いに個体差があるなという感想は抱いた。

そして、更に少し目を凝らして写真を眺めていると、撮った写真の個体達の色合いが違うだけでなく、触角の形状が違うことに気が付いた。

要は、触角の形状に関しては、櫛髭状と糸棒状の差があるということである。

では、触角が櫛髭状の個体の写真から。

触角が櫛髭状なのは確認出来て、色合いは、上のような感じで、キオビベニヒメシャクのキ(黄)の部分は、人それぞれの主観で許容範囲としても、ベニ(紅)の部分は、紅というよりは、茶色っぽく見える。

次に、触覚が糸棒状の個体の写真を以下に。

こちらは、触角が糸棒状であり、色合いは、下地が上の写真の個体より黄色っぽく見えて、帯の部分も、より紅色がかっている気がする。

以上のような比較から、触角の形状の違いで、キオビベニヒメシャクは、雌雄が見分けられる事を掴んだ。更に、色合いの違いも雌雄差と連動していないかと類推したいが、その類推をするには、まだ比較の回数が少ないとも感じている。(光源の当て方によって、蛾の色合いは随分変わるし……。)

今後も、キオビベニヒメシャクに出会った時には、色合いに意識して、観察を続けて行きたく思う。

シロフチビコブガ? 成虫 Manoba microphasma (Butler, 1885) 2

数日前に我家の外灯下に来ていたところを、写真に撮っていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長7-8ミリぐらいしかない小さな蛾である。

直ぐに、「ハイハイ……コブガの一種ですね。」と思ったので、コブガ科を調べたところ、シロフチビコブガという種が有力だなと感じた。ヨシノコブガという種も、そっくりらしく外見的に区別をするのは難しいという事だが、確かに自分でもヨシノコブガとしてネット上に出回っている写真を見た限り、正直なところ両種を区別出来るのかと思った。

という事で、上の写真の個体を投稿するにあたって、タイトルは、シロフチビコブガにクエスチョンマークを付ける形にしてみた。

ところで、シロフチビコブガの幼虫の食草は不明という記事が多い中、ナワシロイチゴと報告されている方もいた。逆に、ヨシノコブガの幼虫の食草は栗の花らしい。外見的には、随分とそっくりな2種だが、幼虫が好む食草は随分と違うなと感じた。

と、ここで、この2種を単にそっくりな2種として片付けるだけでなく、この蛾が我家の外灯下に来ている限りは、そして今後も来るであろう限りは、2種の違いに繋がる何かしらのヒントを見出してみたいとの気持ちになって来ている自分がいる。

取り敢えず、この2種は、触覚がかなり櫛髭状に見える個体達の写真が出回っているが、上の写真の個体は、櫛髭状でなくシンプルに糸棒状なので、両種とも雄は櫛髭状の触覚を持っているが、雌の触角は、糸棒状なんだと考えたい。

また、私の記憶では、今年の初夏あたりに、この蛾は我家の外灯下で既に見ている記憶がある。(写真を振り返れば、撮った写真を見つけれるかもしれない……。)

という事で、ゆっくりと、上の写真の個体が、シロフチビコビガなのかヨシノコブガなのか、はたまた違う種の可能性はないか等、今後、観察を続けて行ければなと思う。

最後に、シロフチビコビガの生息分布は、国内は、本州以南……九州近海を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の生息分布は、ちょっと分からなかった。一方、ヨシノコブガの生息分布は、本州以南……九州近海を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外は、それに繋がる台湾にもいる事が知られているらしい。

キアシネクイハムシ? Donacia (Donaciomima) bicoloricornis (S.-H. Chen, 1941)

一昨日の晩に、我家の外灯下に来ていた甲虫の一つである。

大きさは、正直記憶出来ていない。というのも、上の写真の個体がキアシネクイハムシという種なら、9-10.5ミリぐらいの甲虫なんだが、そんなに小さかったけというのが本音である。しかし、イネネクイハムシ等の近似種になるともっと小さく、6.5ミリぐらいなので、そこまで小さくなかったことは確かだと言える。

初めて、この手の甲虫の存在に気づいたが、こんなに上翅の表面に特徴のあるカミキリっていたかという率直な疑問から種の特定はスタートした。しかし、やはり、カミキリムシの仲間でないなら、カミキリに似ている他科の甲虫を当たる中で、ハムシ科ネクイハムシ亜科なる存在を知った。

そして、国内にネクイハムシ達は23種いるとの事だが、本種は、キアシネクイハムシが一番近いかなと感じ、キアシネクイハムシ?のタイトルで投稿させて頂いている。

以下は、上の写真の個体をキアシネクイハムシとして、文章を書いてゆくが、生息分布は、国内は本州にはいるのは、我家で見かけたこともあって確かであるが、海外は、ロシア沿海州にも生息しているような情報を見たような気がする。

そして、キアシネクイハムシは、都道府県が独自に定めるレッドデータでは、千葉県が絶滅危惧Ⅱ類に、栃木県と青森県が、準絶滅危惧種に指定している。ちなみに、キアシネクイハムシだけが希少種という訳ではなく、ネクイハムシの仲間達は、軒並み希少種と考えた方が良いかもしれない。

ここで、ネクイハムシ達の習性なのだが、湿地に生える植物を食べることがある。キアシネクイハムシなんかは、ガマとかミクリなんかを好むとの事である。

湿地に生える植物を意識して見始めたのなんかここ数年前からなので、過去にそれらの湿地の植物がどんな推移をしてきたか見当も付かないが、これらのネクイハムシ達の増減・減少には、少なからずそれら湿地性植物の栄枯盛衰が関係してきているものと思われる。

今後は、意識的に水辺の植物と共に、ネクイハムシの仲間達も意識的に捜してみようと思っているが、現時点では、そうした水性植物の側で、ネクイハムシの仲間達に出くわした思い出は持っていない。