ノコンギク  Aster microcephalus var. ovatus (Franch. & Sav.) Soejima & Mot.Ito

数日前に、カントウヨメナ(関東嫁菜)と思われる植物の投稿をしたが、そっくりな植物にノコンギクという植物がある。

そして、今度は、このノコンギクと思われる植物を近隣で見かけたので、投稿してみようと思う。

よく行く雑木林内に生えていた。

さて、最近知った見分け方であるが、ヨメナかノコンギクを見極める時に、花の総苞の部分を横から見る方法が、有効に使えるかなと思うようになっている。ヨメナの場合が、浅いお椀みたいな形なら、ノコンギクの方は、少し長めの広口の花瓶みたいな形かもしれない。以下に、その特徴が分かる写真を貼り付けてみる。

葉に毛が生えているのも、かろうじて見て取れる。

あと、冠毛があるのもノコンギクの特徴と言われているので、少し写真は鮮明ではないが、その冠毛が見て取れる写真を以下に。(冠毛を簡単に説明すると、最終的にタンポポの綿毛みたいになる部分である。)

他に、ヨメナとの違いを列挙していくと……。

◯ ヨメナの葉はスベスベしているが、ノコンギクの葉は、表面も裏面も毛が生えている。ノコンギクの葉の方が、緑色が濃いような気もする。(先日投稿したカントウヨメナの葉も、少しザラついていたような感触だった気もするが……)

◯ ノコンギクの方が茎の先端で枝分かれして花がスプレー咲きのようになっていると言われている。言われてみれば、確かにそんな気がする。

ここからは、個人的視点だが……。

◯ ヨメナは、茎の芯が立たず、こんもりと地を這うような姿であるが、ノコンギクは、ピンッと芯が立った姿のものも多い。

そんなところであろうか。また、ノコンギクは、花の形状等に変異が多いとの情報を読んだが、おそらくこれも正しく、これもあれもノコンギクみたいに少しづつ違う色々な花の形状があるような気はする。

さて、このノコンギクの生息分布は、日本の本州、四国に多く、九州や対馬にも生息しており、数は少なくなるが北海道にも生息している感じである。私が調べたソースだと、海外の分布は、ちょっと確認出来なかった。

クワクサ Fatoua villosa

やっと、この植物の名前が分かった。芽生えて間もない頃の瑞々しい薄緑の葉の形状から、これまでシソが野生化していると、正直思っていた。

ただ、大きくなり、葉の表面はザラザラ感が強くなり、茎の先端の方の所々に、紫色の小塊の花を付けるようになると、これはシソではないなと気が付いたのである。シソなら、茎の先端に花穂が出来るはずである。

では、何という植物なのであろうと調べたところ、クワ科のクワクサという一年草だと分かった。

さて、この植物の生息分布は、国内は、本州以南……九州近海を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の生息分布の方は、韓国、台湾、中国南東部、フィリピンインドネシア、ニューギニア、オーストラリア東岸とニュージーランド。……所謂、環太平洋のアジア・オセアニア側には、濃く生息している模様である。そして、北アメリカの東半分にも、このクワクサは進出しているのである。他にも、飛び飛びに世界各地で確認されているようである。

ここで気になるのは、この拡がりになるまでに、どれぐらいの時間がかかったのかという点である。もし、近年の急激なものなら、世界的に、侵略的生物として捉えられているはずだが、そのような動きはない気がする。

おそらく、東南アジアの何処かが原産地だと推測したいが、近隣での生え方を眺めると、日向日陰の何処かしこからも生えて来るわけではなく、元々低木や樹木が半日陰を作り、その下で、雑草が繁茂し始めて土壌の表面も風通し悪く常に湿り気味のような場所に芽生えて来る気がする。抜いてみると分かるのだが、根は直根ではなく、フサフサの髭根がモワモワッと存在するタイプである。要は、地表近くの水分量が、この植物には好影響をもたらしてくれている気がする。

また、雑草が繁茂してても、年中日向みたいな強光線が当たるような場所には生えておらず、やはり1日のうちに半日陰や日陰になるような場所に多い気がする。

発芽率の方は、かなり戦略が感じられる。過去に、このクワクサが毎年、適度に生えて来てしまうのを防ごうと、種子が落ちる前に、ほぼ全草抜いた時があったが、休眠種が芽生えて来るのか、あまり発芽率を抑えることが出来ない印象を持っている。

利用法に関しても、あまりネット上に情報のない植物でもあった。

カントウヨメナ Kalimeris pseudoyomena or Aster yomena var. dentatus.(APG分類Ⅲ)

この野菊は、近隣の小川の土手やら田圃の畦やらで、夏の終わりぐらいから薄紫色の花を目にすることが出来る植物である。

今まで、この植物の紫がかった花びらの色から、この植物をノコンギク(野紺菊)と思いたがる自分がいたが、今回、少し気合を入れてちゃんと調べてみたところ、ノコンギクではなく、カントウヨメナという種であろうとの結論に至った。

ざっと、カントウヨメナとノコンギクの違いは、横から見た時の総苞の形で、ある程度見分けられる事を知った。ノコンギクの総苞を横から見た時に、筒状に少し長めなのに対して、カントウヨメナは、お椀状に短めであるらしい。横から総苞を見た写真を以下に載せておく。

さて、このカントウヨメナの生息場所であるが、川の土手等の湿り気のある日向に生えている気がする。薄暗い雑木林内とかでは、他の野菊に出会う気がする。

このカントウヨメナであるが、関東以北と近畿地方にも生息する野菊であり、近畿地方を除く関東以西には、ヨメナという微妙に違う野菊が生えているらしい。海外の生息分布の方は、ちょっと分からなかった。