ツマグロヨコバイ Nephotettix cincticeps (Uhler, 1896)

昨晩、我家の外灯下で写真に撮ったヨコバイの一種である。

大きさは、体長6ミリぐらいだったのであろうか。

種名は、ツマグロヨコバイ。

ちなみに、ツマグロオオヨコバイという種もいて、自然下では、そちらのツマグロオオヨコバイの方が断然見かける確率が高いと思われる。

さて、上の写真の個体のように、尾端(爪)が黒っぽいのは、基本的にオスの特徴であり、メスは皆、全身緑色のようである。

そして、ツマグロヨコバイを調べるにあたって、このヨコバイが稲の害虫として、重点マークされている種と知った。直接吸汁されることによる不稔などの被害の他、萎縮病等のウイルスを媒介したりすることも警戒されているということを知った。

対策としては、農薬という手段もあるが、このツマグロヨコバイの産卵場所や越冬場所になる畦のイネ科雑草を駆除することがあると書いてあった。私の出歩く近隣の田んぼを見渡す限り、そんな事をこまめにしている農家をあまり見たことがない。逆に、イネを吸汁しそうな昆虫達を集め、水田まで入り込まないように留めさせるために、畦にイネ科雑草を茂らせている戦略かと思いたくなるほど、畦の雑草群には、イネの害虫が集まっている現場によく出くわす。

さて、このツマグロヨコバイの生息分布は、国内は、北海道から沖縄含む南西諸島まで。海外では、韓国からの報告が多い。また、中国の沿岸部や、タイの北中部からも報告があるが、そもそもヨコバイってどこが起源の昆虫なのか気になり始めた。

クロスジホソサジヨコバイ Sophonia orientalis (Matsumura, 1912)

先週末、我家の外灯下に来ていたヨコバイの一種である。

大きさは、体長6ミリぐらいだったと思う。

随分と、不思議な顔付きの昆虫だと思いながら、ネットで画像を照合していくと、割と直ぐにクロスジホソサジヨコバイという種に行き着いた。

しかし、この時点で気が付いた。右側の黒い小点を眼だと思い調べていたが、頭部は、上の写真だと左側かと。

そして、思った。急所攻撃を回避するための戦略かと。この仮説は、まんざらハズレではないらしく、よく見ると、偽眼の斜め後方に、手脚に見える紋様まであるのが分かる。他の昆虫で、こうした危険回避戦略を取ってるものでパッと思い付くのは、雑木林内で出会うアカシジミウラナミアカシジミがある。時々、どちらが頭部か分からない錯覚に、私も陥らされてしまうことがあったりする。触角を動かすような動きに惑わされて、捕食者達から翅先の方を攻撃されても、その蝶は、痛くも痒くもなく逃避するチャンスは作れる可能性がある。

さて、このクロスジホソサジヨコバイの生息分布は、国内は、本州以南……南西諸島まで。海外は、 GBIFのデータマップを眺めると面白く、台湾、ハワイ、ポリネシアの島、北米大陸東西沿岸部、ヨーロッパ西部沿岸部、カナリー諸島。何かしらの人の移動と共に、この昆虫も拡がったものと思われる。

一応、学名には、orientalis (東洋)が含まれている。元々は、何処の辺りが起源の昆虫なのであろうか。

ヒシモンヨコバイ Hishimonus sellatus (Uhler, 1896)

昨晩、我家の外灯下に来ていた昆虫のひとつである。

大きさは、他の方の紹介だと体長5ミリ弱というのもあったが、私が見たものは、3ミリぐらいしかなかったと思う。

種名は、ヒシモンヨコバイだと思う。

桑、柑橘類、バラ、茶、カラムシ、マサキ、ボケ、カナムグラ等に寄生することが知られている。