ギンブナ

正月休みに、子供達を連れて、近所の里山で遊んだ時に、小さな水路でガサガサをした際に、ザリガニ、テナガエビ、モツゴにモロコ、ドジョウ等が取れた場所で網に入ってきた。

勿論、上の方の魚がギンブナである。因みに、下の方はヤリタナゴの雄で、ギンブナ達を捕まえた場所から2キロ程度離れた場所の小川でガサガサしたら、網に入って来た。寒空の中、タナゴ達も本流の水深のある深みに移動してそうなイメージだったが、水深20センチ程度で、枯れ草が川面に覆いかぶさっている下に潜んでいた。

さて、本題に戻るが、このギンブナは、平地での釣りや川遊びの際に出会う最も馴染みのある魚なのではないだろうか?

最大で30センチぐらいまで成長するようである。今となっては証拠は出せないが、25センチを超えるような大型のギンブナ(マブナって呼んでいた)を、よく捕まえていた思い出がある。小学校高学年を過ごした北九州時代に、幅員の広めの道路の下を川が通過している言わば薄暗いトンネルのような場所で網で捕まえていた思い出である。入口と出口の明かりを頼りに薄暗いトンネルを進むと、橋桁の下方の角っこになったところに数メートル間隔で大型のフナがジッと動かずに眠っていたものだった。それらを、見つけると、友達とそーっと近づいて行って、尾と頭の方にそれぞれ網を構えて距離を詰めていき、フナが異変に気が付いて猛ダッシュした時には頭の方に構えている網に入ってしまうという算段だった。かなりの確率で成功したのを覚えている。

ところで、このギンブナという魚は、ほとんど雌しか居ないのをご存知であろうか?私は、中学時代には、アニマという雑誌で、この事実を知っていた。魚類・両生類・爬虫類の仲間では、100種類ぐらい、無性生殖が出来る種が居るらしいが、ギンブナもその一種であるとの事である。要は、ギンブナの雄が居なくても、繁殖できるという事である。但し、メスが産んだ卵に発生のキッカケを与えるオスの精子は必要なのだが、これはギンブナの精子でなくても、同じコイ科の魚なら、他の種類のフナでも、コイでもオイカワでもドジョウの精子でも大丈夫との事である。そして、これらの異種とのハーフが生まれる事なく、ギンブナ(限りなくメス)が生まれるとの事である。

でも、どうしてギンブナが、この無性生殖出来る種に進化して行ったかは、興味が湧くところである。他の無性生殖出来る種と、共通点でも有るのであろうか。今度、時間が有ったら、調べてみようかなとも思う。

アオバアリガタハネカクシ

お正月休みに、近所の里山を流れる小さな水路を、網を片手にガサガサしていた際に、網の中に、この小さな朱色と黒のクッキリとしたコントラストの小さな虫が沢山入って来る事に気が付いた。

水中に半分埋没し半分浮遊しているような枯れ草を掬うと、必ずこの虫も沢山入って来るみたいな感じであった。

写真は拡大しているが、実物は1センチ無いぐらい。

直ぐに帰宅後に、名前を調べるが、意外とアッサリと、アオバアリガタハネカクシの名前が出てくる。

ここで、意外だった事実は、このアオバアリガタハネカクシの特徴として、潰れた時とかに体から滲み出るペデリンという毒成分に触れると、数時間の時を経て、物凄い痒みに襲われて、ゆくゆくは毒成分に触れた場所が、ミミズ腫れになるとの事であった。ネット状で見られるこのアオバアリガタハネカクシによると思われるミミズ腫れの写真は、まさに結構なミミズ腫れ状態の写真であった。

そして、結果、火傷(ヤケド)虫と呼ばれていて、注意喚起のネット記事が上位に沢山来ている事も知ることになった。

ここで疑問が出て来たのだが、一年を通して、時に水の中に浸かり、水辺の生き物を、かなりラフな格好(夏場とかは、半袖短パン等)で捕まえたり観察したりしている身だが、無意識のうちに、このアオバアリガタハネカクシに触れてミミズ腫れが出来た思い出や記憶が無い気がする。この原因として、敢えて潰さないとペデリンという毒成分に触れる機会が起こらないとか、アオバアリガタハネカクシ自体に、それほど攻撃性や攻撃力(毒量)が無いのとか、素朴な疑問が生まれて来たのも事実である。

さて、このアオバアリガタハネカクシは、夏場にはよく灯火にも集まってくるらしい。しかし、上の写真を見る限り、どこに翅が有るのとの疑問も生まれて来た。もちろん、上の写真の個体が幼体であり、翅が未発達の可能性もあるが、ハネカクシの名前の由縁も、ちょっと調べてみようかとの好奇心が湧いて来た。

あと、この時間差で痒みやミミズ腫れが起きるという現象も、少し良い知識が付いたと思う。皮膚から突然、痒みと共に、変な文字が浮き上がって来たとかの魔術とかにも利用出来そうと思った。

私は、魔術を仕掛ける側ではなく、暴く側の人間であろうと思う。

イオウイロハシリグモ

寒くなるのと歩を合わせ、めっきりフィールドの昆虫達の活動も簡単には視界に飛び込んで来なくなり、効率的に投稿のネタを見つける事が難しくなって来ていた。

そんな折、お正月休み、久しぶりに近所の里山で遊んでみる。枯れ草が覆い被さる小さな水路をガサゴソすると、先ず網に入って来たのは、縦筋文様のコントラストのハッキリした蜘蛛だった。拡大した写真だと分かりづらいが、脚を抜かした体長で、2センチ弱といったところであろうか。

撮った写真を参考に、早速、種を調べると、行き着いたのは、スジブトハシリグモとイオウイロハシリグモの2種であった。

大きさ的には、イオウイロハシリグモより小さめな特徴を持つスジブトハシリグモのような気がするが、スジブトハシリグモの横のクリーム色のラインは、イオウイロハシリグモの同じようなラインよりももっと真横に走っている気がする。また、スジブトハシリグモの方は、腹部の先の方のラインが、微妙に波打っているとの事である。この写真からだと、波打っているようにも見えるし、真っ直ぐのようにも見えて、分かりづらい。

因みに、どちらの種も、水辺に生息しているのは共通しているようである。短時間なら、水中で獲物を待つ事も出来るとの事である。

現段階では、私には、イオウイロハシリグモなのか、それともキシダグモ科の似た種類なのか断定出来ないが、取り敢えず、イオウイロハシリグモと言うことにしておく。

以上のようなことを書いていて、ふと思い出した事が有った。近所の里山の水際で同じような蜘蛛に出逢い、写真に収めていたよなと……

おそらく、それらのどれも、文様の変異に富むイオウイロハシリグモ達なんだろうと推測する。それらの写真も、以下にアップしてみる事にする。

上の個体の写真が撮られたのは、昨年の8月16日。この個体は、脚も入れると、8センチぐらいはありそうな大型の個体であった。卵嚢を抱えているのが分かる。

上の個体の写真が撮られたのは、昨年の8月10日と記録ではなっている。この個体は、水田から、数メートルのところの山側の藪にいたものだが、水路や河川からは、少し離れたところに生息していた。こちらも、卵嚢を抱えているのが分かる。