ユウマダラエダシャク 秋型 Abraxas miranda miranda Butler, 1878

数日前に、我家の庭で見かけた蛾である。

直ぐに、ユウマダラエダシャクであろうと思ったが、一応、調べて見たところ、やはりユウマダラエダシャクで間違いなさそうである。

大きさは、前翅長23ミリぐらいだった。

過去にも投稿済みのユウマダラエダシャクを再投稿してみようと思った理由は、10月の半ばにも、まだ成体(今シーズン2化目の個体だと思われる)が確認出来たと言う証と、春型と秋型とで何か外見的違いがあるのであろうかという点からである。

この外見的特徴の差異に関しては、私が気付けるのは、秋のユウマダラエダシャクの方は、若干小さいかなと感じるぐらいである。

このユウマダラエダシャクの幼虫の食草は、ニシキギ科のマサキやマユミ等とのことであるが、我が家の生垣にマサキが長い距離使われている場所がある。嫌でも視界に入って来る生垣なのだが、未だユウマダラエダシャクの幼虫を、その生垣で目にしたことはない。

ユウマダラエダシャクの生息分布は、国内は、北海道から九州を経て屋久島辺りまでいるようである。(沖縄本島含む南西諸島にも生息しているかは、目下、私なりに、情報を整理検討中である。)海外の分布は、韓国からの報告が上がっている。

ちなみに、ヒメマダラエダシャク(Abraxas niphonibia Wehrli, 1935)という少し小さくて酷似した外見の種がいるが、我が家の庭では、ユウマダラエダシャクと、このヒメマダラエダシャクが、同時期に混生しているようである。ヒメマダラエダシャクの方の生息分布は、国内は、北海道から九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の生息分布は、朝鮮半島を経て、ロシア沿海州南部まで。

個人的には、この2種の生息分布が被りすぎているところに興味が湧く。

スナゴケ? Rhacomitrium canescens (Timm ex Hedw.) Brid.

最近、少し盆栽というものに関心があり、若く細い苗木を引き立てる為に、苔を張って主役から目を外らせるかと目論み、近隣で、容易く手に入る苔を探し始めた。

直ぐに、目に飛び込んで来たコケの一つが以下のコケだった。

何という苔なんだろうと調べたところ、スナゴケという苔なのではないであろうかと思っているのだが………。

このスナゴケは、日照や乾燥にも強く、育てやすい苔として人気があるとの情報も読んだ。

また、土が無くても育つので、コンクリートの屋上緑化に使われていたりするらしい。確かに、このコケの写真を撮った場所も、土の上と言うよりは、アスファルトの上と言った方が良い場所だった。

ちなみに、この写真で見て取れるこのコケの星のような形状は、接写した写真ではハッキリと見て取れるが、肉眼では、なんとなく見えるぐらいである。

さて、このコケの生息分布は、日本には亜種含めて生えていて、海外は主に、北半球の亜寒帯や寒帯と言えるような地域に生えているようである。

チャバネアオカメムシ 褐色タイプ Plautia stali Scott, 1874

最近、近隣で、こんなカメムシを見かけた。

大きさは、体長で10-12ミリぐらいだった気がする。

近隣でこの色合いだと、クサギカメムシだが、細部が少し違うのは、肉眼で見ていた時にも感じていた。

しかし、この色合いのカメムシを調べても、中々、同じカメムシを見つけることができなかった。そして、この手のカメムシは、どんな亜科のカメムシなんだろうという切り口から正解へ近づこうと考えた時に、カメムシ亜科の近隣では、お馴染みのチャバネアオカメムシと色合い以外は瓜二つということに気が付いた。

そして、チャバネアオカメムシの紹介をするサイトを、幾つか読むうちに、秋に現れる個体に、褐色の個体が居るとの情報に複数出会うことが出来た。

上の写真の個体は、チャバネアオカメムシの秋に誕生した個体が、越冬に向かって褐色に変化したものだと思う。ここで、チャバネアオカメムシのよく見かける緑色のタイプと、上の写真のような褐色タイプとの違いを調べたところ、日照時間の長短によって体色が変化する光受性のあるカメムシだと知った。

要は、日が短くなって来ると、褐色に変わり、落ち葉の下で越冬し、来春になり暖かくなるにつれて緑色に戻り、春の終わりや初夏に産卵して一生を終えるようである。そして、夏の終わりや秋の初めに生まれた個体が、日が短くなるにつれて褐色へと変化するとのことである。(これは、日長時間を人為的に調整する実験で証明されているようである。)

ここで、驚いたのは、あんな小さなカメムシが、約一年弱も生存していたのかということであった。ちょっと昆虫の寿命について、認識が変わったかもしれない。

さて、チャバネアオカメムシの生息分布の方は、国内は、北海道から対馬含む九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の分布は、朝鮮半島からロシア沿海州南部まで。他には、台湾や、珍しいところでは、ハワイからも生息報告があるようである。