チャバネアオカメムシ 褐色タイプ Plautia stali Scott, 1874

最近、近隣で、こんなカメムシを見かけた。

大きさは、体長で10-12ミリぐらいだった気がする。

近隣でこの色合いだと、クサギカメムシだが、細部が少し違うのは、肉眼で見ていた時にも感じていた。

しかし、この色合いのカメムシを調べても、中々、同じカメムシを見つけることができなかった。そして、この手のカメムシは、どんな亜科のカメムシなんだろうという切り口から正解へ近づこうと考えた時に、カメムシ亜科の近隣では、お馴染みのチャバネアオカメムシと色合い以外は瓜二つということに気が付いた。

そして、チャバネアオカメムシの紹介をするサイトを、幾つか読むうちに、秋に現れる個体に、褐色の個体が居るとの情報に複数出会うことが出来た。

上の写真の個体は、チャバネアオカメムシの秋に誕生した個体が、越冬に向かって褐色に変化したものだと思う。ここで、チャバネアオカメムシのよく見かける緑色のタイプと、上の写真のような褐色タイプとの違いを調べたところ、日照時間の長短によって体色が変化する光受性のあるカメムシだと知った。

要は、日が短くなって来ると、褐色に変わり、落ち葉の下で越冬し、来春になり暖かくなるにつれて緑色に戻り、春の終わりや初夏に産卵して一生を終えるようである。そして、夏の終わりや秋の初めに生まれた個体が、日が短くなるにつれて褐色へと変化するとのことである。(これは、日長時間を人為的に調整する実験で証明されているようである。)

ここで、驚いたのは、あんな小さなカメムシが、約一年弱も生存していたのかということであった。ちょっと昆虫の寿命について、認識が変わったかもしれない。

さて、チャバネアオカメムシの生息分布の方は、国内は、北海道から対馬含む九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の分布は、朝鮮半島からロシア沿海州南部まで。他には、台湾や、珍しいところでは、ハワイからも生息報告があるようである。

キゴシハナアブ Eristalinus quinquestriatus (Fabricius, 1794)

最近、近隣で写真に撮っていたハナアブである。

大きさは、体長10ミリ弱ぐらい。

種名は、調べたところ、キゴシハナアブと判明。

写真の個体は、複眼の間が離れているので、雌と思われる。

このキゴシハナアブの外見的特徴として、複眼の複雑な紋様があると思う。また背胸部背側の縦縞も特徴なのではないだろうか。

このキゴシハナアブの生息分布は、国内は、本州から九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の分布は、中国の東部の一部や、香港からの報告が上がっているようである。

ハスモンヨトウ 幼虫 Spodoptera litura (Fabricius, 1775)

数日前に近隣で見かけて写真に撮っていた蛾の幼虫である。

乗っていた葉っぱは、小川の土手に生えているアレチウリの葉である。

この幼虫は、ハスモンヨトウの幼虫なのだが、気が付いてきたのは、ハスモンヨトウの幼虫は、外見のバリエーションが紛らわしくなく、この色合いのものが多く、この紋様パターンのものが殆どなのではということである。

以下に、近隣の他の場所で、本年の8月に写真に撮っていたハスモンヨトウの幼虫の写真を以下に。一枚目の写真の幼虫が3センチぐらいだったが、2枚目の幼虫は、体長5センチ弱ぐらいあり、ハスモンヨトウの幼虫も大きくなるんだなと感じたのを覚えている。

さて、このハスモンヨトウの幼虫は、多色性で、殆どの野菜や草本植物を食べれるようである。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。小笠原諸島の父島、母島にもいるようである。海外の生息分布は、韓国、台湾は勿論、中国の東海岸から東南アジアを経てインド全域にまで。他にも、フィリピンやインドネシア。オーストラリアの沿岸沿いやニュージーランドや、ポリネシアの島々にも生息しているようである。

勿論、もっと寒い地域からの局所的な報告も上がっているが、暑いところに繁栄している蛾のような気がする。

最後に、ハスモンヨトウの名の由来だが、漢字で書くと、斜(ハス)紋夜盗であり、斜紋は、ハスモンヨトウの成虫に見られる斜めの紋様のことなのかなと考えたいが、どうなのであろう?