クロイロコウガイビル 捕食中 Bipalium fuscatum (Stimpson, 1857)2

我家の庭で、毎年、クロイロコウガイビルには出会うが、先日、ちょうど何かを捕食中の個体に出会った。

何となく捕食されているものも想像は付いたが、確かめるために、棒で突くと、結構な速さで、その場を後にしたが、食べられていたのは、以下の生物であった。

想像していた通り、小さなカタツムリであった。

ここで気が付いたのは、クロイロコウガイビルの口は、真ん中より少し後ろだったのと、飲み込むというよりは、溶かして養分を吸収する系かという事であった。

餌があるから集まる生物達………殆どの人が目を向けず、気が付かないだけで、自然下には、生態系がある。そして、常に変化している。

タスジコウガイビル 不思議な習性Diversibipalium multilineatum (Makino et Shirasawa, 1983)

数日前の朝から雨だった日に、よく通る短いトンネルの壁に、タスジコウガイビルと思われるコウガイビルが、多数トグロを巻いて屯ろしている現場を目撃した。

5メートルぐらいの距離(幅)に集中していて、その数20-30匹。高いところだと3メートルの高さまで登って、丸まっている。

こうやって見ると、タスジコウガイビルも、案外長い系なのが分かる。ちなみに、クロイロコウガイビルは、短い系かもしれない。

他の写真も。

こんな団子になったタスジコウガイビルが、壁のあちこちにいる。

今日は、アダルトなタスジコウガイビルの集会なのかと思って眺めていると、全長10センチぐらいの小さいのもいた。

微妙に動いているコウガイビル達を眺めて思うのは、こんなに頭部が小さかったっけという点である。

確かに、暖かいシーズンを通して、時々、田んぼ周りの石や木の板の下に、このコウガイビルを見かける事が出来るエリアではあるが、それにしても、この日は、何の目的で、これほどまでに、1箇所に集まっているのであろう?

毎回、雨の時に同じ行動を取っていないことは、その後に確認している。確かに、この日は、壁面もしっとりするような条件が揃った日ではあったが…。

ちなみに、オオミスジコウガイビルも、7月の長雨が続き気温が低い朝とかに、隠れ家へと戻り遅れている個体を多数見かけれる日に、何年おきかで遭遇する。オオミスジコウガイビルに関しても、雨で濡れた開けた駐車場とかに夜に何をしに集まっているんであろうとの疑問を抱き続けている自分が居る。

今後も、観察を続けて行きたい。

タスジコウガイビル?

最近、このコウガイビルを、短い期間に2回見かけている。

1回目は、1週間ぐらい前に家の近所で、雨が降る中、夜にヒダリマキマイマイという大型のカタツムリを見つけに行った時に、クズかなんかの藪を眺めていると、葉の上にトグロを巻いているのを見つけた。

ラッキー……新しいコウガイビルを見つけたー……みたいな感じで、その時は、乗っかってる葉と一緒に持ち合わせていたプラケースに入れて、持ち帰ったのだが、翌日の帰宅後に、ゆっくり観察しようとプラケースを覗いてみると、どこにも姿は無かった。ただ葉の上には、微かに固形物みたいなものが見て取れたので、おそらく、このコウガイビルが乾燥して縮まった亡骸なんだと解釈した。

今回は、浅い綺麗な水が流れる水路に戯れるエビ類や小魚を眺めていた時に、水路内に、このコウガイビルがいる事に気が付いた。

そして、水路に降り立って撮った写真が以下のものである。

なんだ……オオミスジコウガイビルだと思われた方もいるかと思われるが、オオミスジコウガイビルを何匹も見て来ている身としては、この個体は、オオミスジコウガイビルではないと感じた。

どこが違うかの理由を以下に述べていくと……

✴️ 写真だと分かりづらいが、現場では、2回とも色合いがオオミスジコウガイビルよりも薄白っぽい。と感じた。

✴️ 一応、3本の筋が見えるのだが、オオミスジコウガイビルの三筋は、もっとくっきり鮮明で、尾の方まで筋が続いている。この個体の尾の方では、筋は目立たなく見えないに近い。またオオミスジコウガイビルの三筋は、本体背部の中心に寄っている気がする。

✴️ 近隣でオオミスジコウガイビルをよく見かける場所は、高木の雑木林がありながらも、人工建築物等が多数ある日陰の多い場所である。一方、このタスジコウガイビルと思いたいコウガイビルが居た場所は、2回とも、田園地帯のど真ん中であり、イメージは乾いた開けた場所も多い場所である。

✴️ オオミスジコウガイビルは、発見日みたいな暑い日の日中に人目に付くような場所に現れるヘマはやらない。タスジコウガイビルと思しき個体との1回目の遭遇は夜だったが、気温が低い日では無かった。オオミスジコウガイビルが活動的になるには、夏のかなり気温の低い日が条件のような気がする。またオオミスジコウガイビルが地表以外の所の葉の上などにいるのを見たことがない。

以上のような事から、私は上の写真の個体は、オオミスジコウガイビルでは無く、タスジコウガイビルという種類ではないのかなと思った。タスジコウガイビルのタスジは、漢字で書くと多筋で、本来はサイド側に、もう一本づつの線が見えるのだが、上の写真でも薄らとサイドに線が見えてたりはする気がする。

さて、話が変わるが、このタスジコウガイビルと思われる写真の個体が、発見時に何をしていたのか気になり始めた。

というのは、上の写真を撮った後に、木の枝で、水中から引き上げて、他の石の上に乗せて撮った写真が以下のものである。

身体が半ば溶けていて、どんどんと分裂しそうな勢いなのである。勿論、分裂した箇所は、細い方が頭なのか、細い方を先頭に普通に動き出すのである。

コウガイビルには、卵生の種類もいれば、分裂増殖の種類もいれば、おそらくミックスのパターンもあるのだと思うのだが、このタスジコウガイビルは、卵生ではなく分裂増殖のコウガイビルと書いてあった投稿を読んだことがある。

とにかく、この日のこの現場が、このコウガイビルの何のステージに当たるのかは憶測の域を出ないが、あまり詳しくは生態が突き止められていないのが、コウガイビル一般の世界であるとの認識を持ち始めてもいる。

今後も、近隣で何種類かのコウガイビルに遭遇し続けるとは思うので、少しづつこのコウガイビルの仲間の知られざる生態に近付いて行ければなと思う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2021年7月16日追記

本年の3月22日に、タスジコウガイと思われる個体の写真を撮っていたのを思い出した。

田んぼ脇の木の板の下に居た。

————————————————————

2022年5月29日追記

最近、とある雨の日に、タスジコウガイビル達が、壁面に大集合してた日があった。

良かったら、タスジコウガイビルの不思議な習性というタイトルで投稿しているので、そちらもご覧になってください。