マダラコウラナメクジ 子供

最近、長さ30メートルぐらいのトンネルの中で、彼らを見つけてしまった。

暗いながらも、このナメクジっぽい生物は、マダラコウラナメクジの幼体であろうとの見当は付いた。撮った写真を、その場で見返して確信した……やっぱりなと。

大きさは、4センチぐらい。長く伸びて這い回っている時の長さなので、丸まっている時は、2センチぐらいと結構小さいはずである。

こちらは、マダラコウラナメクジの幼体で良いと思う。

そして、その付近を眺めていると、直ぐ近くに、色の薄い一般的なナメクジに見える個体が居たので、写真に撮ってみる事にした。

その時撮った写真が以下である。

そして、流れ的に考えると、この直前の個体も、マダラコウラナメクジの幼体と思いたいのだが、随分色合いが薄めで、紋様もボヤけた個体も居るんだなとの知識を得る事になった。

ニヨリチャコウラナメクジ? Ambigolimax nyctelius

我家の庭には、在来のフタスジナメクジという種が確実に生息している。夜になるとよく出会える。

それとは、別に一般的なチャコウラナメクジと呼ばれる種類も生息しているが、どうもこのチャコウラナメクジと呼ばれる種は一種類ではなく、最近、幾つかの種に分類出来るのではと思うようになってきた。

先ずは、フタスジナメクジと似たような色合いのグレーベースなのだが、甲羅の名残を見て取れる種である。ただ、甲羅の名残は、個体によっては、殆ど見えない個体もおり、時に、フタスジナメクジとチャコウラナメクジのハーフなのではと思いたくもなる。

ただ、どうもその紛らわしいナメクジが、時にニヨリチャコウラナメクジと呼ばれている外来のナメクジなのではと思うように至った。

理由は、海外の画像である。東欧辺りの原産のナメクジに、瓜二つの画像を見つける事が出来るのである。しかし、陸続きで、古来より人の移動の激しいヨーロッパである。元々は、何処が原産という事実が意味をなさなくなってきている気もする。

先ずは、我家のフタスジナメクジと色合い(グレー感)が似ているが明らかに違うナメクジの画像を以下にアップしてみる。

先ずは、このナメクジの特徴を列挙していくと、

✳️ 伸びて這っているところばかりを目撃する。その際の大きさは、7,8センチぐらいで、逆に石の下で縮まってる場面に出くわした記憶が殆どない。普段は、何処に隠れているんだろう?

✳️ 身体の横側にも、マダラ紋様が目立つ個体が多い。

✳️ 余りマダラ紋様が目立たず、一瞬フタスジナメクジと思いたくなる個体もいるが、甲羅の名残の下の方にオレンジ黄色に内臓物が透けて見える個体が殆どである。

✳️ 5月に、既に大きく育った個体をよく目撃したが、最近の9月にも同じぐらいの大きさの個体を目撃出来た。

✳️ 写真でも見て取れるが、このナメクジは長いツノを2本以外に短いツノを2本の計4本のツノを出している瞬間が殆どである。概して、4本のツノは長めに見える。カタツムリの仲間は、よく4本のツノを出している種類が多いが、大概のナメクジは2本に見える事が多いはずである。

このような特徴のナメクジだが、海外の記事で、Balcan threeband slug(Ambigolimax nyctelius /旧学名Lehmannia cf. nyctelia )として紹介されているナメクジとそっくりなのである。ヨーロッパでは、オールシーズン見られるナメクジとして捉えられている。

海外の記事で、このBalcan threeband slugと似ていると言われているのが、Ambigolimax valentianus/旧学名Lehmannia valentianusであり、日本でよく見かけるチャコウラナメクジである。こちらは、ヨーロッパでは、夏にメインに見られると捉えられているナメクジである。このことから寒いのが苦手で温室に集まるのか、greenhouse threeband slugの名で呼ばれている。

そして、実際のところ、チャコウラナメクジ(Ambigolimax valentianus/旧学名Lehmannia valentianus)で片付けられているが、こちらの方も、世界中のフィールドで、しっかり観察していくと、チャコウラナメクジを更なる亜種のようなものに分類出来るのではと予想する。

日本には、一体どれだけの外来帰化生物であるチャコウラナメクジの亜種達が居るのであろう?

ニワコウラナメクジ? Milax Gagates

近隣の里山の主に田んぼと隣接する道路までの斜めのちょっとした土手にふと置かれた木材やブロックの下で見かけることが出来るナメクジである。

一瞬、日本で一般的に見られるチャコウラナメクジ系のナメクジが、このような保水力のある黒い土で育つと変色してしまうのかなと思いたくもなるが、どうも別種のようである。ただ、場所によっては目と鼻の先にチャコウラナメクジ系のナメクジがほぼ同所的に生息しているケースも稀にあり、確実な棲み分けが出来てないときもあり、別種か同種か、本当に自信が持てなくなる時がある。

そして、このナメクジを検索すると、ノナメクジとかノハラナメクジとヒットして来て、意図せぬ外来種としての紹介と共に学名が付されている事が多い。

しかし、では、海外の文献を当たろうと、その学名で検索すると海外の記事では、ちょっと雰囲気の違う写真が出てきてしまう。

そこで、海外のナメクジの画像から、近隣の里山の水辺環境(主に水田)にいる薄黒いナメクジと同じ雰囲気のものを抽出すると、学名でMilax Gagatesという種が浮上してくる。

一旦、ここで、私が近隣で見かけるMilax Gagatesと思うナメクジの写真を以下にアップしてみる。撮影場所と日時は、今年の7月4日、利根川の河川敷の運動公園の利根川本流が数十メートルのところの遊歩道上である。

大きさは、5センチぐらいだったと思う。普段、近隣の里山の田んぼの直ぐ傍とかで見かける個体達は、ひっくり返した石の下とかにいる為、丸まっていることが多く小さい印象を受けるが、移動しようと伸びれば、これぐらいの5センチぐらいには伸びるのではと推測する。

ここからは、この近隣の自然豊かな環境下で特に水と切っても切れない環境で見かけれる上のナメクジを、Milax Gagatesとして、話を進めると、本来のこのナメクジの生息地は、北アフリカ西部のチュニジアからモロッコにかけて、その対岸のスペイン、ポルトガル、大西洋に面したフランスの海岸線にかけての辺りだったとの事である。

しかし、今では輸送物資に混じって、世界中の国に生息しているようである。

ただ、海外のウキペディアで、私が着目したのは水環境の近くに生息しているという紹介である。ここは、近隣でのこのナメクジの生息環境と、大いに合致している。

また、このナメクジの別名が、Green House Slug(温室ナメクジ)というのだが、ここは、世界的に、本当にそのような環境に居るナメクジなのか再調査の必要があるのではと考える。

元々の生息分布を見ると、暖かい地域の生物の気がするので、移入場所では、暖かい温室とかでしか生き残れなかった偶然を、命名に拾われていないかなとも考えたい。

あとは、日本では水田周りの水辺等に辿り着いた経緯も知りたいところである。ダイレクトなのか、時間をかけた大移動なのか等である。