コシダカヒメモノアラガイ (つくば市南部)

少し前に散歩中に発見。

田植えシーズン真っ盛りで、大小かかわらず用水路の水量は増え、タニシの類も水中から這い上がり、水路の壁面をよじ登るようになった。こうなって来ると、タニシなのかカタツムリ(ウスカワマイマイ)なのか、一瞬分からない個体が目に付くようになった。

そんな中、水路の水が少し漏れ出した場所で、いつもならウスカワマイマイの住処となりそうな感じの石をひっくり返した時に、見慣れないカタツムリを発見。

大きさ(殻高)は、1センチ弱。

写真で分かるように、体表が乾燥しているので陸棲のカタツムリの仲間かと最初は思ったが、水棲の淡水巻貝の可能性はないかと調べたところ、コシダカヒメモノアラガイという種に行き着いた。

コシダカヒメモノアラガイの習性として、完全な水棲というより、水辺の湿った地表上に居ることが多いとの記述もしっくり来る。

さて、このコシダカヒメモノアラガイは、世界中に分布していて、日本にいるものが在来の系統なのか外来の近代に入ってきた系統なのか見た目の形状的には分からなくなってきているようである。

ただ、遺伝子レベルの研究では、在来のコシダカヒメモノアラガイは存在すると考えられていて、そういった観点からは、長野県は独自にレッドリストの絶滅危惧I類に指定している。そして、外来種のサカマキガイとの競合等の関連も含めて、モノアラガイやヒメモノアラガイと同様に全国的に数を減らしている淡水巻貝のようである。

この背景には、もうひとつ理由が有りそうで、ヒメモノアラガイもこのコシダカヒメモノアラガイも、肝蛭(カンテツ)という寄生虫の中間宿主(最終宿主は、牛や馬や豚含む哺乳類の肝臓)となっている事が知られ、家畜が感染してしまう事があった過去の時代に、撲滅排除された動き(?)も多少影響されていると思う。

現代では、そうした寄生虫が人間の体内で産卵して動き回る事になっても、異変に気が付いてから何かしらの駆除薬を服用すれば、そうした寄生虫は完全に体内で死滅に追いやる事が出来るらしいが、こうした貝が身近な水辺に増えれば、人間もペットも家畜も、感染のリスクが高まると思う。

畑の野菜を時に這いまわっているカタツムリやナメクジも広東住血線虫という寄生虫の中間宿主になっているが、誤食している可能性はあっても、滅多に人への感染は聞かない。この理由は、すべての中間宿主になっている生物が感染しているわけでは無いし、地域地域による差があるからとも考えられる。

私は、突然生まれる難病奇病は、こうした自然下の小さな生き物の繋がりを見抜けていない所から来ている事も多いと思う。

自然は大切なパートナー。市民一人一人が見守ってあげよう。