ドブガイB型

先ず最初に、私達が暮らしている近くの水路や小川や河川には、淡水2枚貝というものが、結構生息している事を、皆知ってるのだろうか?

下の写真は、先日、近所の小川から採ってきたものだが、この小川には、かなりの高密度で、この貝達が生息している。

写真の個体は、わざと小さめのものを集めてきたのだが、小さめのもので5センチぐらい、大きいもので13センチぐらいだと思う。名前は、限りなくドブガイB型で良いと思う。もしかしたら、ドブガイA型が混じってる可能性もあるかもしれない。

ドブガイB型という種類は、一昔前の名前ではタガイと呼ばれていたもので、湧水源から間もない水深の凄い浅めで、透き通った綺麗な水が流れる水路でよく見かけるタイプである。ひと昔前の知識では、冬に産卵するタイプとの認識だったが、先程ネットで調べていたら、周年産卵出来ると書いてある記事が多くなっていた。

一方、ドブガイA型という種類は、ひと昔前の名前ではヌマガイと呼ばれていたもので、比較的水深(50センチ以上)の有る河川や、沼や池のような止水域でよく見られるタイプである。産卵時期は、昔から夏型と認識されていた。

私的意見として、この2タイプは、限りなく同一種だと思う。住む場所によって大きさが変わる理由は、一つは、餌となるクロレラみたいな植物プランクトンが、湧水直下の綺麗な水には少なく成長が遅い、一方、大きめの川や沼では、餌となる成分が豊富に有り、成長が早い等も考えられるかもしれない。もう一つは、捕食者への対応である。タニシ他貝類をバリバリ食べそうな鯉が侵入できないような浅い水路のドブガイは小さくても問題なく、逆に捕食者となる鯉がうろついているような川や沼では、食べられないサイズへと早く大きく成長していく必要性を遺伝子的に直ぐに学習してるようにも思われる。

同じような理由で、産卵時期がずれる事も、何かしらの仮説は立てれそうな気はする。ドブガイA型が、冬の水の澄み切り、餌の少なくなる時期に稚貝を誕生させない理由が、何かあるはずなのである。

ところで、この小さめのドブガイB型を持ち帰って来たのには理由があって、家で飼ってるヤリタナゴアカヒレタビラが、こうした小さなドブガイでも産卵を意識するのかが観察したかったからであった。一般的に、産卵管が短いと言われているヤリタナゴやアカヒレタビラは、小型の淡水2枚貝であるイシガイやマツカサガイ等を産卵に選ぶと言われているが、私は近所でマツカサガイを見つけた覚えは無いし、イシガイも殆ど出逢わない。

昔は茨城の水郷地帯に当たり前に居たと思われるヤリタナゴやアカヒレタビラが、もう少し復活するためにも、イシガイが好む環境は、意識的に創生・維持したいね〜。