チョウゲンボウ 日本亜種? Falco tinnunculus subsp. interstinctus (McClelland, 1840)

仕事の合間に休憩に使うお決まりの場所で、今年に入り、見かけるようになっていた。そして、最初に見た時には、ペアでいた。

その後も数回目にはしており,近くの地面に降り立った際には、自分もそっと車から降りて、なんとか写真に収めようと試みてみたのだが、当たり前だが、警戒心が強く、スマホのカメラで写せる距離までは近づかせてくれなかった。

ただ、この日は少し違った。最初、近くの電柱に止まったのを見て、スマホを片手に近寄ってみたが、案の定、気配を警戒されて、飛び立たれてしまった。しかし,次に止まった場所がそう遠くない人工物上であった。そして、その人工物の構造上,今回のチョウゲンボウから完全な死角に入りながら真下まで近づける可能性を感じる事が出来る場所であった。かなり遠回りをしながら、チョウゲンボウから死角になっている高い壁沿いを慎重に慎重に近づいて行った。まだその場所に留まっている事を祈りながら、壁の終端から覗いてみると、運良くまだチョウゲンボウはそこに居た。もうここまで来たら、いつ飛び立たれても,良いようにそのチョウゲンボウをファインダーに留め、更なるストポジションへと移動を試みることにした。

予想外に、チョウゲンボウの真下に入って手を伸ばしスマホをのピントを合わせても、飛び立つことはなかった。その距離、ざっと頭上10メートルぐらい。なんとか撮れた写真が以下である。スマホは接写には強いが、遠くの物を鮮明に映し出すのには向いていないようである。

さて、このチョウゲンボウ(長元坊)であるが、近隣でも,この冬の時期には、車を運転中に時々見かける事がある。ただ、今回みたいに、日頃の私の休憩場所の付近を縄張りにしてくれたのは、偶然で幸運だったと思う。

このチョウゲンボウという猛禽を間近で見ての感想としては、抱いていたイメージより大きいなという印象を持った。サイズはカラスぐらいなのかもしれないが、とにかく筋骨隆々に丸々太ってがっしりとした身体つきに見える。そして、これはイメージ通りであるが、体色にメリハリがあり,見間違えることのない中小型猛禽である。

このチョウゲンボウという猛禽は、広義のFalco tinnunculus (Linnaeus, 1758)という学名で生息分布を調べると,南北アメリカ大陸とオセアニアとシベリアに目撃例が少ないが、世界中で目撃されている鳥である。また、日本亜種と思しきFalco tinnunculus subsp. interstinctus (McClelland, 1840)の生息分布は、私にはちょっと分からない。理由は、世界中に結構見た目やサイズが所々違う亜種が結構存在しており,目撃報告は、それらを正確に区別して報告しているとは思えない節もあるので、亜種毎の目撃情報を鵜呑みに信じてしまうことは避けるのが賢明と判断するからである。

そして、私が最近見ているチョウゲンボウのタイプは、冬になると目に付く気がするので、何処か北の方の冬は雪景色に埋まるような地域から南下して来ているのかなとも思いたい。ただ、このタイプは、移動せずに留鳥として、その場で繁殖している家系も結構いるとの事である。最近は、鉄橋等の人工物に営巣する個体も多いようである。

また、コチョウゲンボウというような少し小さくて明らかに見た目に差異がある亜種達も、冬の日本には大陸から冬鳥としてやって来て、バードウォッチャー達を楽しませているようである。

最後に,このチョウゲンボウの行動で気がつく事は、地面に降りて来て、少しモゾモゾしながら数秒で飛び去るという行動をしている現場によく出くわす。おそらくの推測だが、餌を捕まえているか、その場で食べていると思われる。そして、この冬の寒い時期に、この場所で沢山捕まえる事が出来るのは、体長5-7センチぐらいのツチイナゴなんじゃないかなぁーと思いたい。そして、今年,私の昼の休憩場所の近くに、このチョウゲンボウが現れた理由も推測すると,珍しく冬場に,草刈りが行われた。その結果、葛の枯れ蔦や他の枯れた下草が除去されたため、地表のツチイナゴが見つけ易い場所になったことが関係しているような予感がする。

最後に,この同じ場所は、ノスリも冬になるとよく見かける場所だが、ノスリとの関係性も気にして眺めてみたいなとも思う。身体のサイズはノスリに分があるが、なんか華奢な感じはせず意外と強そうだと知ったチョウゲンボウという鷹である。