ケラ

少し前に、昼休憩時に水田周りを歩いている時に、細く浅い水路の中にオケラがいることに気が付いた。しかし、どうも生きてる感じはしない。

なんとか手を伸ばし、捕まえてみたが、やはり亡骸であった。よく見ると、他にも近くにオケラの亡骸があった。きっと、代掻きの際に、なんらかの事故に見舞われたのかと察する。

亡骸の写真ではあるが、その写真を使い、オケラの投稿をしてみようと思う。

先ず、正式名称は、オケラではなく、ケラみたいである。

私達、少なくとも私が、ケラではなくオケラという呼び方をするのは、やはり、子供の頃によく歌わされた『手のひらを太陽に』という歌の中の歌詞で、🎵オケラだ〜って♬というフレーズに寄るところが大きいいのではないであろうか。

ちなみに、この歌の作詞は、アンパンマンの作者のヤナセタカシさんである事を知っているであろうか?作曲はイズミタクさん。

曲が作られたのは、1962年、翌1963年には、NHKみんなの歌で紹介され、1963年にはレコードが発売されている。ただ、爆発的に知れ渡るのは、1965年にボニージャックスが歌ったヴァージョンがヒットして、その年の紅白歌合戦で歌われてからのようである。1969年には、小学校6年生の音楽の教科書に選定されている。

2006年には、文化庁と日本PTA全国協議会が選定した親子で歌い継いでいって欲しい歌100選に選ばれているみたいである。私ぐらいの年齢には頷ける。今、聞いてみると、本当に良い歌詞だなと思う。生きてる事の素晴らしさや可能性も謳われてるし、ミミズもオケラもアメンボも皆友達なんだと謳っている。小さな虫達も植物達も、みんな友達って思える余裕や心が人間には必要なんだって、つくづく感じる今日この頃である。

ただ、過去の遠い記憶を呼び戻すと、この『手のひらを太陽に』にの歌詞をちゃんと理解できていたのか不安になる。中学の運動会の閉会式で全校生徒で大合唱したのをハッキリ覚えているんだが、血潮というフレーズが怖かったのと、確か、私の中では、前半は人間の事を謳った歌詞で、途中の皆んな皆んな友達なんだの下りからは、虫達の歌になり、皆の中には、人間は含まれていないように解釈していなかったかと、微かな記憶が蘇ってくる。

今聞けば、作者の意図することは、当たり前に、人間も虫達もみんな友達なんだという事が安易に汲み取れるのだが……。とにかく、深いテーマや核心が沢山含まれてる歌詞である。音楽の教科書に載るにはうってつけの曲の気がする。音程なんかどうでも良い。この曲から子供達が考える力を身につけていくためのテーマがいっぱい見え隠れしてる素晴らしい歌詞の気がする。ただ歌うだけでなく、この曲の歌詞に秘められた可能性や意味を考える事に時間を割いてくれる音楽の先生とかと出会えてたら、最高だったのにと当時を回顧してみた。

さて、投稿は脱線したが、ケラに戻そう。ケラは、コオロギの仲間であり、鳴くことも出来るのである。そして、飛ぶことも出来るのである。水田周りで出会うイメージが有るが、時たま随分水田から離れた場所の畑等でも見かける事がある。これは、飛ぶ事ができ、比較的移動能力を備え持っていることによる拡がりかと思われる。

ケラ含め小さな虫達を友達って思える心……素晴らしいと思う。