ルリタテハ

この蝶は、私の中では身近に見られる蝶としては、美しい部類に入る蝶である。大きさも、決して小さな蝶ではない。中と大の間ぐらいだと感じる。

主に林内で出会い、幾度となく写真を撮ろうと試みるのだが、近付くと絶対逃げる。慎重に慎重に忍び寄ると、案外逃げないで留まってくれる(吸汁や産卵や目的があるからだが)蝶も多いが、このルリタテハは、隙を見せない。

今回の遭遇は、先日の土曜日の近所の谷津田散策の時だった。もう成虫が飛翔しているのかと少しビックリしたが、紛れもなくルリタテハだった。

そして、今回も写真に収めようとチャレンジしてみた。ただ、過去の失敗経験から、ピントが多少合わなくても、段階的にシャッターを押しながら、近付く作戦を敢行してみることにした。そして、やはり、鮮明な写真を撮れる距離まで近づく前に、飛び去られてしまった。すぐに、何枚かシャッターを押した写真の中に使えそうなものがないか探したところ、拡大しても、辛うじてルリタテハと分かる一枚が有ったので、その写真を以下に投稿してみる。

昨年の11月にも元気に飛翔しているルリタテハを目撃したのを覚えているが、その時も、随分、息の長い蝶だと感じた事があった。そろそろ冬に突入しそうな11月に、そして今回は、まだ春が始まったばかりの4月の頭に、成虫を目撃出来る理由は、どうもこの蝶の成虫越冬する習性が起因していると思われる。

さて、このルリタテハと幼虫の食草は、サルトリイバラや他にはユリ科の植物が知られている。成虫は、よく雑木林の樹液を吸いに来ている姿を目撃する。

この蝶を庭で見たいが為に、庭にサルトリイバラを植えちゃおうかなとも、密かに思い巡らせている自分が居る。

ヒメアカタテハ  幼虫 成虫

本日、時折、小雨の降る中、近所の里山を一人で散策。幾つかの昆虫の写真を撮ることが出来た。

この幼虫が乗っているのは、本来の食草とは違うスイバかギシギシだと思われるが、この幼虫の種名はヒメアカタテハであると思う。

本来の食草は、ヨモギであり、この幼虫を見つけた辺りには、ヨモギの群落も有り、そのヨモギ群の中では、このヒメアカタテハの幼虫が作った巣を幾つか見つける事が出来た。ヨモギに居た個体を写したものが以下の写真である。

ヨモギではなく、スイバかギシギシの上に居た黒っぽい個体の写真も以下に載せておく事にする。

さて、このヒメアカタテハの成虫の蝶に関しては、秋の始まりと共に、ツマグロヒョウモンのゆらゆらとした優雅な飛び方とは違う素早い鋭い切り返しを繰り返しながらグイグイ飛ぶ少し小型の似たような紋様の蝶の存在に気が付いていた。

飛翔している時の紋様も脳裏に焼き付いているし、それが、蝶となったヒメアカタテハであると思う。

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2020年10月24日追記

巷でよく見かけるツマグロヒョウモンの雄と思い込んでいて、シャッターチャンスがあってもスルーしていた蝶に、もしかしたら、このヒメアカタテハの成虫が紛れこんでいないかとの予感がよぎったので、先ほど焦って、過去の写真を振り返ってみた。

すると、案の定、ツマグロヒョウモンの雄として注目していなかった写真の中に、?という写真を見つけて調べたところ、やはりヒメアカタテハであった。

この可能性に気が付いた理由があるとすると、最近、近隣の里山を乱舞しているキタテハの成虫を目にしながら、同じような条件に居るはずのアカタテハやヒメアカタテハの成虫って、何処に居るんだろうと疑問に思い、もしかして、同一の場所を飛んでいるツマグロヒョウモンの雄と思っている蝶がそれらではないのかという仮説を立てたのであった。

そして、仮説は予想通りの結果であった。以下に、9月27日に撮っていて、今、ヒメアカタテハであった事が判明した写真を載せておく。

キタテハ  幼虫 成虫

本日は、仕事は休み。子供達を連れて、近所の里山を散策。

長男が、遠くから、「お父さん、来てー。ヤバイのが居る!」と叫んでいる事に気付く。ゆっくり近づいて行くと、林辺の藪の中に居たのは、この幼虫。

一見、やばそうな蛾の幼虫の気がしそうだが、タテハチョウの仲間の幼虫であろうということが、私には分かった。

家に戻り、ネットで調べたところ、キタテハの幼虫のようである。

キタテハの幼虫の好む食草は、カナムグラとの事である。今度は、成虫になった蝶にも出逢いたいものである。


2020年3月12日追記

昨日、昼休憩時の散歩中に、水田周りの畦道で、オレンジの蝶を見つける。スマホを片手に恐る恐る近付くが、運の良いことに飛び立たずに写真に収まってくれた。

ヒメアカタテハなのかキタテハなのか、その時点では分からなかったが、帰宅後に調べたところ、キタテハの成虫だと分かった。

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2020年11月8日追記

今年になって気が付いたんだが、近隣の里山、特に水田周りには、特に秋にはキタテハという蝶が沢山飛んでいる事を知った。

少し時が過ぎてしまったが、本年10月11日の出来事を書いてみたい。

この日、近隣の田園地帯を散歩していると、コセンダングサの小群落に群がる無数(ちょっと大袈裟)のオレンジ色の中大型の蝶達を目にした。大分、蝶にも知識がついてきたので、直ぐにキタテハである事は分かった。

その時に撮った写真の一枚を紹介すると以下のようなものである。

そして、ほんの10メートルぐらい歩いたところで、以下のような蝶が目に止まり、写真に撮っていた。

そして、この蝶に関しては、自分の中での新しい蝶との出会いかとも一瞬思ったのだが、どうしても、それらしい蝶に行き着くことが出来なかった。同時に、もしかして、これも、キタテハなのではという勘が働いて、ネット上の写真と照合したところ、キタテハの夏型である事が分かった。

最初の方のオレンジ色が鮮やかで、ちょっと翅の切れ込みも目立つのが秋発生型で、下の方のちょっと茶色っぽくて翅の切れ込みも目立たないのが夏発生型なのである。

人間の感覚というのは、時に鈍感で有り、夏場には、その茶色っぽいキタテハを沢山目にしていたが、いつの間にか、キタテハの色が鮮やかなオレンジ色の型にとって変わられていたのには気が付けなかった。

そして、同じ日にキタテハの夏型と秋型を両方とも見れたのにも、ちょっとした幸運を感じた1日であった。