ウスオビカギバ 成虫  福島県 標高1200メートル

この蛾は、近隣近所で見た蛾ではないが、敢えて、近隣近所の身近な蛾達の比較も込めて投稿してみようと思う。

大きさは、開帳で4センチぐらいだった。カキバガの仲間であるとは分かったが、ネット上の図鑑的なものにも漏れているものが多かった。理由は、何処でもよく見られる普通種というわけではない事を物語っていると考えたい。種名は、ウスオビカギバ。

さて、この蛾を調べて知った事に、山地性の蛾という事がある。北海道から九州まで分布しており、南西に行くほど山地にしか居なくなるとのことである。私が見かけたのも、福島県の標高1200メートルの原生林の中である。

ここで、私が気になったのは、山地や山脈、もしくは単に山であっても、隣の山系に移動するには、標高の低い場所(時に海)が立ちはだかっている筈である。しかし、日本全国の山地に散らばって生息しているのは、今より気温の全然低かった氷河期真っ只中には、日本全土に広く生息していたのかと思いたい。そして、その後気温が高くなるに連れて、標高が低いままの山地に孤立していったのかと想像したい。要は、氷河期には一般的であった種であり、現在は北方系と捉えているような種の典型なのかと考えたい。

この北方系の種を証明しているのか、日本に居るのが日本亜種なら、中国北東部やヨーロッパにも、殆ど同じ基本種が生息しているとの事である。

そして、気になったのは、この蛾の幼虫の食草だが、カバノキ科のシラカンバやダケカンバとの事である。確かに山地性の樹木の気がする。

山地に生息する生物と平地に生息する生物の類似性と断絶性を見出すのが楽しくなってきた今日この頃である。

ヤマトカギバ 成虫

最近、近隣の草地で見かけ、写真に撮っていた。

名前は、ヤマトカギバ。数日前の遭遇であるが、しっかりと目測で測ったサイズを覚えている。開張で3センチほどであった。この手の蛾にしては、小さい方だなと感じた。

幼虫の食草を調べたら、クヌギやコナラとの事であったが、この蛾を見かけた場所からクヌギやコナラが生えているエリアまで、150メートルはある。

同時に、生まれた場所から、これぐらいの距離は移動して来てしまうのかという事も伺えた。

月や灯火を目指して飛んでるうちに、この場所まで来てしまったのかもしれない。蛾が移動する目的って何なんだろう?

アカウラカギバ   成虫

昨晩、近所の小学校の体育館で見つけた。

死後どれぐらい経過しているかは分からないが、取り敢えず写真には撮っておいた。

現場でも、カギバガ科の蛾であろうとは予測はついたが、帰宅後に調べたところ、一番臭いのは、アカウラカギバという種である。

この名前と特徴を知っていたら、現場で、ひっくり返し、裏面を確認したのにと思った。

残念ながら、裏面の確認はしなかったので、次回、体育館を訪れた時に踏まれずにまだその場所に居たら、確認してみたく思う。

ネット上の写真から一番似ている種を選んだだけで、種の同定に自信満々というわけではない。どちらにせよ、カギバガ亜科の蛾の種類は、物凄く多いというわけではないので、同定が間違っていても、ゆくゆくは正しい種に辿り着くことは出来ると考える。

ちなみに、このアカウラカギバの幼虫の食草は、ユズリハとの事である。近所で、ユズリハは、決してよく見かける樹木ではない。