シロジマエダシャク 成虫  Euryobeidia languidata languidata (Walker, 1862) 2

最近、近隣で、薄暗い林の中を、複数のこの蛾が飛び回っている光景に出会った。

ただ、飛び回っている主は、あらかた見当は付いていた。数回のチェイスの後、なんとか写真に撮ってみた。

大きさは、開張で4センチちょっとぐらい。

名前は、シロジマエダシャク。昨年、この蛾の存在に気がつき、なんとか写真に写したものを、昨年のほぼ同時期に投稿済みではある。

また、幼虫は、本年の春に見つけて写真に撮り投稿済みである。

さて、この幼虫の食草は、モクセイ科の樹木の葉という事だが、今回、この蛾の写真を撮ったエリアは、モクセイ科の樹木が濃く植わっていたのは確かである。

今の時点で、その樹木が何であるのか調べてないが、ネズミモチではないのは分かる。トウネズミモチかなぁと思うのだが、その木の周りを歩いている時に、少し良い香りが漂っているのである。白い蕾がいっぱい付いていたけど、ネズミモチの蕾って良い匂いするのかなぁ。(手で手繰り寄せて嗅ぐと、それ程でもなかった。)

あと、流石に常緑広葉樹が好みの蛾だけあって、暖かい地方の蛾であり、台湾、中国南東部、インド、ネパールにも生息しているようである。

ナカウスエダシャク 成虫 Alcis angulifera (Butler, 1878) 3

数日前に近隣で写真に撮っていた蛾である。

立派な櫛髭状の触角が目立つが、大きさは案外小さく、開張で3センチちょっとぐらいだったと思う。

サイズ的には、ナミシャク亜科に行きたいところだが、立派な櫛髭状の触角と下翅が見えるように止まっている姿から、やっぱりエダシャク亜科の蛾なんだろうなとの予測は付いた。

ただ、こんなに黒っぽい蛾がいたっけと路頭に迷い始めたが、ジックリと写真を眺めていると、薄らと中程を横に走る太い帯のようなものの存在が見えて来た。

ここで分かった。色は濃いけど、ナカウスエダシャクであると。

ナカウスエダシャク自体は、数日前にも我家に現れた個体(上の写真の個体とは雰囲気も全然違う)の投稿をしているが、この時期に、小さめのエダシャクで、ちょっと暗めの蛾がいたら、ナカウスエダシャクを候補に挙げて良いのではと思う。

ちなみに、ヒメナカウスエダシャクという種もいる事を知り、調べたが、このヒメナカウスエダシャクの幼虫の食草が、コメツガやトドマツやモミ等とあった。私の家の近所には、標高の高い場所がないし、物凄く北の地域でもない。ヒメナカウスエダシャクの可能性は、ほぼ無い。

モンウスグロノメイガ? 成虫 Bradina geminalis (Caradja, 1927)1

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾のひとつである。そして、昨晩、初めて来たというわけではなく、毎年、周期的に現れる蛾でもある。

大きさは、前翅長13ミリというところであった。

腹部が細く長いので、オスであることが分かる。

元々は、この蛾は、ウスグロノメイガという名で呼ばれていたが、現在では、モンウスグロノメイガ、シロテンウスグロノメイガ、ヒメアカウスグロノメイガ、アカウスグロノメイガ、オオウスグロノメイガの5種類に分類されている。モンウスグロノメイガを除く後半の4種が確立されたのは、1984年頃と思われる。

さて、上の写真の個体をモンウスグロノメイガ?とした理由というか根拠を少し述べると、消去法でいくと、ヒメアカウスグロノメイガとアカウスグロノメイガには、赤っぽい要素が見て取れるはずだが、上の写真の個体には、赤っぽい要素があるようには見えないので、この2種が外れる。

あと、オオウスグロノメイガに関しては、信憑性はともかく、横脈紋に付随する白点がないものが紹介されているのを見る。上の写真の個体では、薄ら白点が見える。

そうなって来ると、モンウスグロノメイガかシロテンウスグロノメイガのどちらかという事になるが、シロテン(白点)と呼んでいいほどは、ハッキリとした白点を認識する事は出来ない気がする。

ゆえに、モンウスグロノメイガ?として紹介した次第であるが、種の同定に自信満々というわけでは、到底ない。嫌、元ウスグロノメイガに関する他の方の投稿も自信満々というものは少ないはずであるし、そうなるのが自然な近似種達だと思う。それぐらい、微妙な近似種達の予感がすると、現段階では言っておく。

さて、幼虫の食草は、ネット上の情報から拾うと、枯葉なのではないであろうか。