アオシャチホコ 成虫 Syntypistis japonica (Nakatomi, 1981)

最近、近隣で、この蛾を見かけ写真に撮っていた。

大きさは、前翅長20ミリちょっとぐらい。

上翅の後端から後縁にかけて、角度があるのと、全体的に毛のフサフサ感が感じられる事から、シャチホコガ科の蛾の気はしていたのだが、シャチホコガ科の中に、中々、該当種を見つけられないでいた。

しかし、アオシャチホコが、臭いなと感じ、アオシャチホコの画像を照合していくと、変異の多い写真の中に、上の写真の個体と同じようなパターンのものも複数混じっている事を確認出来た。

幼虫の食草は、エゴノキらしいが、この蛾が居た場所の近くには、エゴノキが確かにあるのである。近隣のエゴノキと言えば、圧倒的に人為的な空間に多いが、中には、このエゴノキは自生ではないかなと思いたくなる個体もある。

どちらにせよ、近隣のエゴノキに自生がないとしたら、近隣のアオシャチホコの歴史も浅いものになるかもしれない。と疑問点が生まれたので、直ぐに調べたところ、エゴノキStyrax japonica (Sieb. et Zucc. 1837)自体は、北海道から沖縄まで、日本全国に自生している木とのことである。

クロシタシャチホコ 成虫 Mesophalera sigmata (Butler, 1877)

最近、近隣で見かけ、写真に撮っていた。

大きさは、前翅長25ミリぐらい。大きい部類の蛾である。

名前は、クロシタシャチホコ。確かに、この蛾が地面で羽ばたいた時に、下翅が黒灰色をしているのは確認している。その時に、既に種名を知っていたならば、その下翅が確認できる写真を絶対に撮っていたのにと悔やまれる。

幼虫の食草は、所謂、ツバキと言われている。

ところで、この蛾は写真だと分かりづらいが、ちょっと翅の表面に筋の突起のようなものがあり、遠目にはデコボコ感がある蛾に見える。例えて言うなら、キノカワガの雰囲気に近いかもしれない。

フタジマネグロシャチホコ 成虫 Neodrymonia delia (Leech, [1889])

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾のひとつである。

一瞬で、大きい方だなと感じたが、実際の前翅長は2センチぐらい。ふっくらこんもりした体型が、この蛾の大きさを助長させている。

我家の外灯下では、最近数回ほど、ウスベリケンモンというやはりふっくらした蛾に出会っていた事もあり、ヤガ科のケンモンヤガ亜科辺りから探し始めるが、妥当な種を見つけれず、少し途方に暮れている時に、頭部から肩部にかけてが特徴的だった事に着目してみる事にした。

横から見た翅のシルエットと、フサフサの毛が付いた前脚を前方に伸ばして止まっている姿から、「そうか」と閃き、シャチホコガ科を当たると、フタジマネグロシャチホコとオオネグロシャチホコという2種が候補に上がった。

紋様的にもフタジマネグロシャチホコが臭いかなと思ったが、2種の食草の違いも種の特定の考慮に入れた。フタジマネグロシャチホコの幼虫の食草はサワフタギ……一方で、オオネグロシャチホコの幼虫の食草は、ヒメシャラやナツツバキ。

ヒメシャラやナツツバキは、一昔前の庭木人気で、近所の住宅に植わっていることはあっても、私が暮らすような平地の自然下には存在しないぞと思った。逆に、サワフタギは、標高20-30メートルぐらいの低地の雑木林から、少し離れた山の標高400メートルぐらいまで結構お目に掛かれる落葉低木である。(標高200-300メートルぐらいに沢山ある気がして、当然ホタルガ達の楽園になっている。)

こうなって来ると、上の写真の個体は、フタジマネグロシャチホコかなと考える。

ちなみに、ネット上で、投稿の中に灯に遅い時間帯に飛来する種との記事がを見つけたが、愚然かもしれないが、昨晩、本種と出会ったのは、何か未だ昆虫達が現れないかと就寝を引っ張っていた深夜0時過ぎだった。

灯に蛾達の現れる時間帯……この視点は、個人的にノーマークだったが、今後は、その視点も頭の片隅に入れて、外灯下に集まる昆虫達の観察を続けて行きたい。