ヒメクロホシフタオ? 成虫 Dysaethria illotata (Christoph, 1880) 福島県 標高1100メートル

先週末に、家族が山登りにお友達と行くというので、私は、一行を登山口で下ろし、下山口で拾うという完全な運転手の役を買って出た。

買って出た理由の一つは、登山口も下山口も標高は1000メートルぐらいあり、待ってる間の5時間(結局は7時間)は、自由に自然観察やイワナ釣りが楽しめるからである。登山一行もスタート地点に戻ってこないコースが取れる事を喜んでくれる。お互いの利害が一致した。

想像以上に豊かな生態系であったが、先ずはこんなのもいた。

大きさは、開張で2センチあるかないかで、小さい印象の蛾であった。

種名は、ヒメクロホシフタオと思いたいのだが、自信がないのも認める。中々、種の同定が難しい亜科のようである。

幼虫の食草は、不明と紹介されている事が殆どだったが、似た種のクロホシフタオの幼虫の食草は、ガマズミと紹介されている方もいた。この蛾がいた場所にガマズミがあったかは気が付けなかったが、同じガマズミ属のオオカメノキなら、いっぱい生えてはいた。

この蛾の生息分布は、北海道から九州までと紹介されていたりするが、国外ではシベリアとの紹介があったり、気温が高めの地域では、当然標高の高いところで見られる蛾の予想は立つ蛾である。

クロホシフタオ 成虫 福島県 標高800メートル

最近、気が付いた事だが、昆虫の分布状況を把握する際に、地図を上から眺めながら横方向の繋がりを模索するよりも、どの標高をメインに棲息しているかを掴んだ方が、昆虫の食草や種の進化の過程に繋がる情報を絞りやすいという事が分かって来た。

という事で、私が暮らす標高5〜25メートルぐらいのエリアの生物相の特徴を掴むためには、標高800メートルの辺り(気温が重要)のエリアとでも、違いがあるのか否かの比較は、少なからず色々なヒントをもたらしてくれる気がする。

では、この蛾は、どうなのであろう。

大きさは、開帳で25ミリぐらいだった。種名は、ツバメガ科フタオガ亜科のクロホシフタオだと思う。似た種に、ヒメクロホシフタオという種も居るらしい。

幼虫の食草は、ガマズミ、コバノガマズミ、オトコヨウゾメ等との事であるが、確かに、ガマズミかコバノガマズミかの精査はしなかったが、それらの類が低木として沢山生えているエリアで、この蛾は見かけた。

では、私が住む近隣の低地エリアにそれらの類は生えているかというと、ガマズミは、普通に結構生えている。

ただ、今のところ、クロホシフタオを、近隣で見たことはない。