ハグロケバエ

もうそろそろ終わりそうな予感がするが、少し前までの自然下で、この黒く細長いハエの一種を沢山見れたはずである。

目下、コロナの影響で在宅の人が増えたのか、普段は人なんか殆ど通らない里山の畦道を、子供を連れたお母さんや老夫婦が歩いているのをよく見かけるようになった。

そんな人達の目にも、このハグロケバエの雄(?)がお尻を下にゆらゆらと飛んでいる光景は映っているはずである。そして、辺りの草むらに目を落とせば、ここかしこに、休憩中であったり交尾中であったりのハグロケバエの生活の一部を目撃出来るはずである。

ただ、殆どの人達に気にも止められないのが虫達の生活。それはそれで良いと思う。

ゆっくり写真で見て気が付いたのは、前脚の屈強そうなところ(雌の特徴?)である。あと、背中も強そうな感じがする。

このハグロケバエの時代の前には、同じ場所で、殆ど同じサイズ感のメスアカケバエ達が同じ環境を謳歌していたが、おそらく2種のライフスパンは微妙に被っているのではと考える。

上の写真の個体は、ハグロケバエの雌と思われるが、この頭部が異様に小さいのが雌であり、眼が大きく頭部が大きく見えるのが雄である。そして、この手の仲間は、雌の体長の方が雄の体長よりも心持ち大きい。

この日、辺りには、交尾中の個体も多かった。

上の交尾中の写真を見ると2匹とも、ハグロケバエと分かるが、下の方の雄の方を、メスアカケバエの雄と見分けられるかと言われたら、現段階では答えはノーである。

ただ救いなのは、メスアカケバエとハグロケバエのライフサイクルが、メスアカケバエの方が数週間早い感じでズレているところである。

この日、メスアカケバエの背中の赤い雌を見かけた記憶は無い。