コナラシギゾウムシ Curculio dentipes (W.Roelofs, 1874)

最近、近隣で、このゾウムシの仲間を見かけて、写真に撮っていた。

コナラの木をバサバサやったら、頭上から降ってきた感じである。

大きさは、案外と大きくて、嘴を入れない体長で、10ミリ弱ぐらいある気がする。

種名は、紛らわしい種が幾つか存在するが、コナラシギゾウムシの雌(上の写真は)だと思われる。

そして、以下の個体も、同時に降ってきた。

こちらの写真の個体は、明らかに嘴が短く、触角の付け根の位置も触角の前の方に付いているが、このタイプをニセコナラシギゾウムシとして紹介されているサイトも多々あるが、同じ木から降ってきたことを考えると、この下の写真の個体は、コナラシギゾウムシの雄なのではと、私は思ってしまうが、どうなのであろう?

そして、この微妙に似ているコナラシギゾウムシ、クリシギゾウムシ、クヌギシギゾウムシは、外見上の差異で見分けるだけでなく、地球ロマン的に日本列島の形成の過去を思い返し、何らかの列島形成の順番や地理的分断によって、種の分化が進んでいる可能性を感じたい種達である。

各地で観察を続けていれば、何らかの棲み分け(分布傾向)が見えてきそうな気がする。今後も、観察を続けていきたい種達である。観察にあたっては、コナラやクヌギやクリの木をバサバサすれば、簡単に落ちてくる虫なので、サンプルには事欠かないはずである。

最後に、このコナラシギゾウムシの生息分布は、国内は、北海道から対馬含む九州まで。海外の方は、朝鮮半島からロシア沿海州南部まで生息しているようである。

イネミズゾウムシ Lissorhoptrus oryzophilus (Kuschel, 1951.)

先ほど、我家の外灯下に来ていた極小のゾウムシである。

大きさは、図鑑とかだと体長3ミリぐらいとなっているが、肉眼での目測だと2ミリぐらいしかないように感じる。実際、マダニとかに見えてしまう。

種名は、イネミズゾウムシ。

そして、興味深いのは、この極小のゾウムシが、北米原産の外来種ということである。初めての確認は、愛知県の知多半島で1976年の事とのことである。

その後、日本各地へと拡がり、現在では、ほぼ日本全土に拡がっているようである。日本生態学会が定める日本の侵略的外来種ワースト100にも選出されている。

侵略的外来種というだけあって、成虫は稲の葉を食べ、幼虫は、稲の根を食べるとのことである。

そして、これも興味深いことだったのだが、このイネミズゾウムシは、両性生殖型と単為生殖型が存在しているということである。日本には、3倍体の雌だけで単為生殖出来る個体群が入って来ているらしいが、昆虫にも単為生殖とかあるんだとビックリした。

さて、このイネミズゾウムシの生息分布が気になったが、1988年には、朝鮮半島と中国で初確認……1990年には、台湾でも確認。しかし、私が想像した以上に、世界中への拡がりは見られず、原産地と見られるアメリカでも、全土に拡がっているわけではないようである。

もちろん、とても小さいゾウムシなので、人々に認識されていない可能性も無きにしも非ず。

スグリゾウムシ?

最近、近隣の草むらで見かけて写真に撮っていた。

写真は拡大してしまったが、体長6ミリぐらいのとても小さな昆虫である。

現場でも見た目から、ゾウムシっぽいなとは思っていたので、ゾウムシの仲間を調べたところ、スグリゾウムシという種が浮上して来た。

ただ、スグリゾウムシにしては、この種の特徴と書いてあった腹部の2本の横線が見えない気もする。

さて、このスグリゾウムシの食草は多岐に渡るようで、そのうちの一つにマメ科の植物もあったが、この写真のゾウムシが齧っている葉も、マメ科のカラスノエンドウか何かに見える。