ウンナンマルガタゴミムシ? Amara (Amara) silvestrii Baliani, 1937

2日前の夜に、我家のテラスを歩き回っていた小さなゴミムシである。

大きさは、体長9-10ミリぐらいあって、同時期に自然下で、よく見かけているマルガタゴミムシ達と比べると、明らかに少しだけだが、大きいと感じた。

光沢に関しては、金属光沢を若干感じた。触角の色が基部から3節は薄く、それより先に向けて濃くなるのは、マルガタゴミムシとニセマルガタゴミムシの特徴であり、コマルガタゴミムシの触角は単色であるので、コマルガタゴミムシは外れる。

そして、私の知る限り、ニセマルガタゴミムシもコガタマルガタゴミムシも、今回写真に撮ったゴミムシよりも、平均的に明らかに小さい気がする。

こうなって来ると、上の写真の個体をマルガタゴミムシとして紹介したいし、一昔前なら、それで大丈夫だったと思う。しかし、近年、マルガタゴミムシに似ていて、ウンナンマルガタゴミムシという種の存在に日の光が当たり始めて来ているのである。そして、このウンナンマルガタゴミムシの特徴が、まだしっかりと確立して、インターネット上では、世の中に情報として流布していないような気がするのだが………上の写真の個体は、そのウンナンマルガタゴミムシの方ではないかと思うのだが、どうなのであろう?

1番の根拠は、背胸部の後角の付近に見える篆刻である。この辺りに、篆刻が顕著にあって、艶消しのザラッとした感じに見えるのはウンナンマルガタゴミムシの特徴で、マルガタゴミムシは、篆刻が殆どなくツルツルしているとのことなのである。そうすると、上の写真は、その部位に篆刻が見える気がする。(マルガタゴミムシは、もっと全然ツルツルなんだと思われる。)

2番目の根拠は、胸部が、マルガタゴミムシより、ウンナンマルガタゴミムシの方が少し大きく丸っとしているように見えるのだが、上の写真の個体は、結構全体のバランスの中での胸部の占める割合は大きいと思う。現時点で、自分の中でのマルガタゴミムシの自身で確立した見本のようなイメージがないので、あくまでもネット上の2種の比較からの見解であるが……。

3番目の根拠は、2番目の根拠と被るような視点だが、胸部外側の湾曲が、ウンナンマルガタゴミムシの方が、丸み感があり、マルガタゴミムシの方が、もうちょっと直線的な感じがする。

4番目の根拠は、小楯板の下部の辺りの雰囲気である。ここは、ネット上にほとんど情報はなく、自分が気がつき始めた箇所であるかもしれないので、今後、マルガタゴミムシと思える個体の写真を自ら撮った暁には、じっくり比較して行ってみたい。

さて、上の写真の個体をウンナンマルガタゴミムシとして、生息分布を調べると、国内は、本州に生息しているマルガタゴミムシのようである。一方のマルガタゴミムシは、北海道から奄美大島辺りまで生息しているようである。ウンナンマルガタゴミムシの海外の生息分布の方は、ちょっと分からなかった。

アトボシアオゴミムシ? Chlaenius naeviger (A.Morawitz, 1862)

先ほど、我家の敷地内にいたゴミムシの一種である。

大きさは、体長15ミリぐらいだったと思う。

さて、上の個体が、アトボシアオゴミムシかキボシアオゴミムシかで迷ったが、頭部や前胸部の緑光沢が強かったことから、アトボシアオゴミムシなのではと思った。

キボシアオゴミムシは、過去に庭の草むしり中に見かけた個体を投稿しているが、今回の個体の方が、1-2ミリの差であるが大きい気がする。

とにかく、アトボシアオゴミムシもキボシアオゴミムシも、ネット上の情報だけで区別出来るほどの確証的な違いは無い種達の気がする。実際に多くの個体に出会って、両者は、ここが違うのかと自分なりに両者の相違点を見出して行くしかないのかなと思う。

ちなみに、私が、もしかして、ここが違うと考え始めている点では、前胸背板の篆刻の雰囲気がある。アトボシアオゴミムシの方が粗いように見える。

もちろん、まだアトボシアオゴミムシもキボシアオゴミムシも、違いが感じ取れるまでに至れるほどの個体数に出会って来ていないので、この投稿のタイトルもアトボシアオゴミムシ?の形にしておいたし、上の写真の個体が、キボシアオゴミムシの可能性も大いにあるかもしれない。

以降は、上の写真の個体が、アトボシアオゴミムシという前提で書き進めるが、アトボシアオゴミムシの生息分布の方は、国内は、北海道から九州近海まで。海外の生息分布は、韓国にはいるようである。

ケウスゴモクムシ Harpalus griseus (Panzer, 1797)

昨晩、我家の外灯下に来ていた甲虫の一つである。

大きさは、体長12ミリぐらいだったのかなぁ。

直ぐにゴモクムシの一種である事は分かったが、写真に撮ってみて初めて、毛が結構生えていることが分かった。

調べていくと、ケウスゴモクムシという種が浮上してきたが、このケウスゴモクムシの特徴として、頭楯の端に一本づつ長毛が生えているとの特徴があった。写真を見ると、確かになんか生えている気がする。この場所の毛が、近似種のヒメケウスゴモクムシの場合は、数本らしい。

ということで、上の写真の個体を、私はケウスゴモクムシと同定したのだが、果たして合っているのであろうか。

ところで、このゴモクムシの学名の登録年が古いが、このケースは、当時ヨーロッパで普通種として認識されている昆虫の場合が多いが、案の定、このケウスゴモクムシは、ほぼヨーロッパ全土で確認されているゴモクムシである。ポルトガル沖のカナリア諸島でも生息確認。他にも中央アジアの国々でも確認。そして、極東アジアでは、日本と韓国で確認されている。生息確認が上がっていない地域には生息していないという事でもないのは当たり前のことだが、大概の先進国は自国の生息生物の把握はある程度しているはずである。

そんな状況下で、このケウスゴモクムシの世界分布は、私にとっては興味深いものに感じられた。

ちなみに、国内の生息分布は、ほぼ日本全土に生息しているようである。