ホソミイトトンボ? Aciagrion migratum (Selys, 1876)

最近、近隣で見かけたイトトンボである。

大きさは、所謂、標準サイズのイトトンボであり、体長3センチちょっとといったところであろうか。このトンボを見かけた付近では、少し前まで、オオアオイトトンボを見かけていたが、彼らよりは明らかに小さいサイズである。

このトンボをホソミイトトンボとした理由は、眼後紋の特徴からに依るところが大きい。ホソミイトトンボの特徴として、複眼の間にも紋が繋がって入る特徴があるのである。上の写真は、鮮明とは言えないが、その特徴を表している気がする。

あとは、腹部が細いところが、種名の由来らしいが、イトトンボ達は基本的に腹部が細い気がするので、上の写真の個体の腹部が、他のイトトンボ達と目立って細いとは断定できかねないでいる自分が居る。

さて、このホソミイトトンボは、二つのライフサイクルの型があり、夏に羽化して秋に生命を終える型(夏型)と、夏に羽化して未成熟で冬を越し、翌年の初夏に生命を終える型(越冬型)である。そして、この一種で2型のライフサイクルがあるトンボは、このホソミイトトンボだけとも読んだ気がする。(裏どりはしていないが……)

この6月後半に出会った上の写真の個体が、どちらというと、やはり羽化したばかりの夏型なのかなと思いたい。越冬型が生き残っている可能性もあるが、やはり初夏前には交尾を終えて、一生を終えているようなイメージを持ってはいる。

このトンボの生息分布は、国内では西の地域。(石川県が北限、栃木県が東限との記事もあった。)国外では、韓国南部や台湾、インド西部で目撃されているようである。

また、各都道府県が独自に定めるレッドリストでは、絶滅危惧I類に指定しているのが千葉県と石川県、絶滅危惧II類に指定しているのが長野県、準絶滅危惧種に指定しているのが、福井県、大阪府、徳島県、島根県である。

アジアイトトンボ?

昨晩、我家の外灯下に来ていたイトトンボの仲間である。

昨晩の事だが、大きさがハッキリと思い出せないでいる。ただ、このイトトンボを見た時の一番印象に残った点は、翅が短めな気がするという点である。

さて、微小な差異しかないイトトンボの仲間達であるが、尾の先の白っぽい紋様と普通種という観点から、アオモンイトトンボとアジアイトトンボが、候補に上がった。

アジアイトトンボとアオモンイトトンボだと、アオモンイトトンボの方が、1センチぐらい体長が大きい。また、アジアイトトンボというのは、最小のイトトンボと認識される事があるぐらいだが、私が昨晩見た上の写真の個体が小さかったとは気付けなかった。

ただ、タイトルにアジアイトトンボの方を選んでいる根拠を書いていくと……

✳️ アオモンイトトンボの複眼の後ろの後頭部には、4っの水色の小さな紋が見えるらしいが、上の写真の個体には見えない。

✳️ アオモンイトトンボの尾の先端の方の水色の紋(写真では、白く写ってしまっている)は、腹部8節目にあるらしいが、写真上で数えると、9節目にあるように見える。ちなみに、9節目に紋があるというアジアイトトンボの特徴とは合致する。

✳️ アオモンイトトンボは、腹部2節目の上部の方も水色が見えるとの事だが、上の写真を見る限り、黒いだけの気がする。

✳️ あとこれは、他の方が同じ事を言ってるか知らないし、自分で気がついた事だが、アジアイトトンボの方が、アオモンイトトンボよりも翅が短い気がする。上の写真でも、翅は、腹部5節目に到達していないが、アオモンイトトンボは、腹部5節目より先に飛び出している写真が多い。

こんなところから、上の写真の個体をアジアイトトンボだと思った根拠であるが………どうなのであろう。

我家の庭には、どこから現れるのか、涼しげなところでイトトンボが休んでいるのは、たまに目撃する。しかし、被写体が細い上に、静止しないので、ピントの合った鮮明な写真を写すのは難しい。

昨日みたいに、外灯に寄って来て静止してくれるチャンスが、また訪れるなら、じっくりと肉眼で観察したり、定規を当ててみようと思う。

また来てね!

オオアオイトトンボ(つくば市中部)

10日ぐらい前に、仕事先で昼休み中に、林の中に池がある場所で、沢山見つけたので写真に撮っていた。相変わらず、ピントが合った写真が撮れないのだが、投稿させて頂く。

このイトトンボの第一印象は、大きいという事である。我家の庭とかにも飛来する比較的よく見るアオモンイトトンボに比べると、長さも太さも、1,5倍ぐらいは有る。上の写真のものは、複眼が青色をしているが、林内でよく見かけたパターンは、以下のものである。

この複眼の茶色いパターンのものも、同一種だと考えられる。

さて、このオオアオイトトンボの習性として、池や沼に迫り出した木の枝に産卵するらしい。ゆえに、少し薄暗い林内の池みたいなところに発生するようであるが、まさにこのトンボが沢山居た環境も、そのような環境であった。

同じような環境は、私の家の周りにもあるだろうから、家の近所で見つけた際には、またこの投稿をアップデートする形で、お知らせしたく思う。