スジエビ

近隣の水辺の超一般種であり、極々普通に見かける事のできるスジエビ。

意外な事に、まだ未投稿であった。最近、近所の小川でタモ網で、大きめの個体を捕まえたので、その個体の写真を使い、投稿してみる。

先ず、このスジエビは、近隣の水系なら、何処でも見かける事ができる気がする。よく比較対象されるヌマエビの方が少し生殖場所は限定される気がする。我家の近辺では、混生している場所も多いが、スジエビの方がヌマエビの仲間達よりは、若干汚れた水系にも生息している気がする。

そして、最近まで、このスジエビや同族のテナガエビは、抱卵後に産み落とされたゾエア幼生達は、海水域(汽水域)まで流れ降り、再び河川を登ってきて初めて、ライフサイクルが出来上がるみたいな説を信じ切っていた。

そして、常々、近所で見かけるスジエビやテナガエビが、本当にゾエア幼生の時に、汽水域と言えるような場所まで降っているのかという本音の疑問と向かい合い続けてきた。

理由は、この考え方なら、近所の水系において汽水域に近付くほど、スジエビやテナガエビの生息密度が高くなりそうな気がしたんだが、随分と汽水域と離れた奥地にも、スジエビもテナガエビも濃くスポット的に棲息している場所がある気がしたからである。また、過去に、湧水(雨水)オンリーで作られる他の水系と繋がりのないひっそりとした人工池で、とても小さいスジエビを釣り上げた事があった。この時にも、この池に遡上して来る水路はないし、誰かが放流した可能性を考えるよりは、この池で繁殖していないかと思いたくなるような小さいサイズだった。

しかし、最近、スジエビの産卵行動や幼生の行動パターンをネット上で調べている際に、汽水域に降らずに完全に淡水域で一生を終えれる型が存在するとの紹介記事を、幾つも目にするようになった。

そして、この一生淡水型のスジエビやテナガエビが存在してくれる方が、彼らと出会う場所の疑問点を少なくクリアーにしてくれる事は間違いないのである。

さて、このスジエビも、場所によって、紋様や色合いに違いがあるような気がする。今の段階では、そこまでは気にしていないが……。

また、ヌマエビとは違って、かなり凶暴な性格である事を知っている。以前、小さな水槽で、近所で獲れる小魚たちと混成させていたら、どんどん小魚を襲い食してしまう現場に頭悩ませた事がある。

あと、書いておきたいことがあるとしたら、夏場とかに、ひと網で、100匹近くのスジエビが獲れることや場所がたまにある。3網ぐらいで、両手一杯にビチビチとなる量である。

川の水質が未知だが、同じ水質で育つお米を平気で食しているなら、このスジエビも、昔の人達みたいに、どんどんと食べるのも有りだと思う。

今度、色々と料理してみようかとも考える今日この頃である。

テナガエビ

この投稿の写真のエビは、昨年の1月に近所の用水路の枡を網でガサガサした時に捕まえたエビを写したものである。

採った直後から、テナガエビだということは、分かった。でも、少し、えッて思ったのは、海から結構離れた内陸の、しかも小河川から派生してる水路の最上部の方のこれ以上は昇れませんよっていうどん詰まりの最期の落ち込み(枡)で採れた事実だった。

私の知識で、このテナガエビやスジエビという種類は、卵から孵(かえ)った幼生は、流れ流れて、海(汽水域)へと下り1ヶ月半ぐらい過ごした後、また上流へと遡ってくるという習性を知っていたからである。

海までは、随分距離が有るし、途中に幾つかの水門があるからで有る。また、海の方へと流れ下った幼生が、再び捕獲した地点まで戻って来る道のりは、大冒険だろうなと想像した。

そして、少し憶測したのは、海の方まで下っているイメージで捉えているけど、テナガエビの幼生成長に関与してるのは、純粋に水の中の塩分とかの成分とか比率が関係してるのではと思った。海までに幾つもの水門が存在していて、その水門を水質の境に捉えている事が多いけど、意外と上流の方まで、実際は汽水であり、そんなに海の方までは、実際は下ってない個体達も居るのではと思ったのである。

これを唱えたのには、他にも根拠が有って、では、なんでモクズガニは、昇って来てないのと疑問に思ったからである。近くの小川で捕まえた事がない。モクズガニの遡上には、やはり幾つもの水門が障壁になっているのではと感じたからである。テナガエビの遡上にも、水門は障壁になっている気がするんだが……

今度、私の住む地域から海まで、川の流速と同じ速さで、どれだけの時間で辿り着け、またエビみたいな泳ぐより歩いて遡上して来てそうな小さな生き物がどれぐらいで昇ってこれるのかを、ざっと計算でもしてみようかな。