ヤブキリ

10日ぐらい前から、庭で鳴いている虫の正体を突き止めようと、鳴き声の発生源に慎重に近づくのだが、意外と警戒心が強く、2メートル近づいたぐらいの所で、必ず鳴き止んでしまう。

そんな折、飛んで火に入る夏の虫とはこの事かと思わせるが如く、鳴き声の正体と思える虫が、家の壁へと止まっていた。その時に撮った写真が、下の一枚。

ネットで、少し調べた所、ヤブキリと断定した。この写真の個体は、随分大きかったけど、これぐらいの大きさになると、ヤブキリも、植物質の餌だけでなく、他の昆虫など動物質の餌も食べるようである。

ちなみに、ヤブキリの鳴き声を、言葉で表現しなければならないとしたら、私の表現は、「乾いた空に向かって、ある程度の口径のある対空砲みたいな物を速連射してるようなイメージの鳴き声」とでもなるかな。

我家の庭では、1ヶ月前ぐらいには、ウマオイの仲間が、「ジーージッジーーー」と鳴いていたのを思い出す。ウマオイ→ヤブキリ→次は、アオマツムシ辺りが鳴き始めるのかな。

ツチイナゴ

今年の5月5日に我家の庭で写真に撮っていたバッタの種類が、ここに来ていとも簡単に判明。

写真を撮った時に、既に随分大きく成長しているバッタだなという印象だったが、理由は簡単だった。昨年の秋生まれで、成虫の形態で越冬した模様。そして、基本的にバッタの仲間で越冬するのは、このツチイナゴだけというから、写真のものはツチイナゴで、間違い無いであろう。……後に、科が違うが、ササキリ科のクビキリギリス等も越冬する習性がある事を知る。

身体的特徴としては、眼の下に涙を垂らしたような線状のデザインがあると言う事だが、確かに写真のバッタには、見て取れる。

食べているものも、大抵のバッタ類は、イネ科の植物が好きと言う事だが、このツチイナゴは、葛(クズ)とかイネ科以外の植物も好みらしい。この辺も、我家の庭に生息している事に頷ける理由になるかな。

続いて、下の写真は、1年ほど前の5月27日に撮られた少し緑がかった個体。むしゃむしゃ食べているのは、アメリカ産の野葡萄の葉っぱ。

ここに来て、このバッタが越冬した個体だと知ったら、今まで写真を見ても気が付かなかったドラマが、急に見えてきた。1枚目の写真の個体は、ジャンプに欠かせないであろう後ろ足が1本欠損してる。2枚目の写真の個体は、触覚が1本無い。

誕生してから約半年。自然界のサバイバルを生き抜いてきた姿なんだろうな〜。

ヤマトシジミ

数週間前から、このよく見かける小さな蝶が、庭を飛んでるなぁ、そのうち写真にでも撮ろうと軽い気持ちで眺めていたんだけど、昨日、明らかに、庭のあちらこちらで、このヤマトシジミの姿を目撃し、まさに我家のヤマトシジミのフィーバー(旬)を実感する。

以前は、虫達のこうした状況を、産卵にでも、我家の庭に集まってきた時期なのかとの発想をしていたが、最近は、「嫌違う」、全部、我家の庭で一斉に羽化し始めたんだよとの発想に、考えを改めている。多分、それで正しいと思う。

スマホだと鮮明な写真が写せず、こんな写真になってしまうが……

写真を撮ろうと思ったら、離れてしまったが、交尾中の個体もいた。

この年齢になって、初めて昔からよく何気なく見かけていたこの蝶の生態を学ぶことになったが、限りある人間の一生の中で、同じ時代同じ空間を共有した生きる仲間達の事を少しでも知るチャンスに巡り会えた事に幸せを覚える。

「ヤマトシジミさん、随分前から知ってたけど、これからは、もっと深いお付き合いを宜しくお願いします!」との気分である。

さて、このヤマトシジミの特徴を簡単に記しておく。産卵に選ぶ植物、幼虫が食べて育つ植物共に、カタバミという事である。年に、4、5回発生するようである。我が家で発生するのも頷ける。雑草として、抜かれる事を上手く逃れたカタバミが、庭のあちこちに散在している。庭には、少なくとも3種類のカタバミが存在するが、ある記事では、ムラサキ葉のイモカタバミは選ばないとの記述があった。我が家には、普通のカタバミ、ムラサキの葉の芋カタバミ、大きく直立するカタバミの3種類が混生しているので、今後は、その辺の真偽も、のんびりと確証していけたらと思う。

また、このヤマトシジミは、雌雄によって翅の色合いが違うようで、オスの前翔表側は、薄い灰水色のような色合いで、メスの方は、黒茶っぽい色のようである。このメスの色合いが、種名にシジミと入る由縁と思われる。オスの色合いも、十分、シジミ汁の薄い青色と被るような気がすると言いたがるのは、私ぐらいとしておこう。

今後、庭のカタバミを抜くときには、ヤマトシジミの幼虫を見つけたく、少し注意して観察してみようと思う。