マイヅルソウ Maianthemum dilatatum
(Alph.Wood) A.Nelson & J.F.Macbr. 福島県 標高 1100メートル

先週末に、家族が山登りにお友達と行くというので、私は、一行を登山口で下ろし、下山口で拾うという完全な運転手の役を買って出た。

買って出た理由の一つは、登山口も下山口も標高は1000メートルぐらいあり、待ってる間の5時間(結局は7時間)は、自由に自然観察やイワナ釣りが楽しめるからである。登山一行もスタート地点に戻ってこないコースが取れる事を喜んでくれる。お互いの利害が一致した。

想像以上に豊かな生態系であったが、先ずは気になった植物を種名に辿り着ける限り、紹介してゆこうと思う。

この植物は、登山道の縁にいっぱい生えていた。

調べたところ、マイヅルソウという名だと知った。

秋には、赤い小さな実も出来るらしい。

そして、この植物の生息分布が、面白かった。ヨーロッパにも存在はしているのだが、日本を含む北東アジア(もちろん南に行けば高地の条件が加わるはず)には多く見られ、興味深かったのは、千島列島を通りアリューシャン列島を経て、アラスカに上陸して北米大陸の西海岸の森林地帯に伸びる一本のルートが見えて来るのである。

こうなって来ると、アリューシャン列島や千島列島というのは、いつ頃形成された地形なんであろう?思いっきり地続きだった時代もあるのであろうか?

ヤブラン

一般の人がヤブランと言うと、園芸コーナーで定番の斑入りのヤブランをイメージするのではないだろうか。少なくとも、私はその口で、実際、庭の花壇のエッジに、斑入りのヤブランを植えている。その明るい葉色が、良いコントラストになり目立つので、もっともっと庭の要所に植えようかとも現在検討中である。

さて、元々のヤブランが、濃い緑色の葉なのは知っていたが、身近な自然に普通に沢山生えているのを知ったのは極々最近である。家の近所の林縁には当たり前に沢山生えていた。自然下でのかなりの拡がりから、古来昔より、我々が住む地区の林縁に、普通に生えていたものと思われる。

ちょうど今が、花のシーズンのようである。園芸種とは比べ物にならないぐらい長く立派な特徴的な花を咲かせていたヤブランの写真を以下にアップしておく。別名、サマームスカリという名が有るらしいが、頷ける。

ところで、このヤブラン、私がよく散歩する隣の市町村の雑木林では、目にする事が殆ど出来ない。生息場所としては、とても似通った場所の気がするのだが、何処にでも有るわけではない事も分かる。

この違いが何処に有るのか、少しづつ日々の意識を持った観察の名から、傾向を導き出せればとな思う。