オスグロトモエ 成虫

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

当たり前の流れと言えば、当たり前の流れなのだが、我家の外灯下に集まる蛾達も既に出会って来ている種が多くなってきている。

そんな中での、初めて出会う大型の蛾であったので、内心、本当に「神様に感謝!」みたいな気持ちになった。

大きさは、前翅長で40ミリ弱ぐらい。とにかく、この蛾の存在は知っていたので、出会えて良かった。種名は、オスグロトモエ。確かに、前翅の大きな丸は、巴紋様だし、雄がもっと黒っぽいところから、オスグロトモエの名が付いたようである。

また、この複雑な紋様は、夏型の特徴であり、春型(春生まれ)のオスグロトモエは、雄雌共に、もっとシンプルな茶色地の下地をしているようである。同様に、オスの紋様は、メスより単純とのことなので、今回は、上の写真のような夏型の雌の個体に出会えた事はラッキーと感じた。

さて、幼虫の食草は、アカシアとの事だが、アカシアと言えば、南半球とから輸入された観賞用の木の気がする。この類の木が日本に持ち込まれる以前は、何を食草にしていたのか、元々日本に居た蛾なのか等、気になる。事が出て来た。

クワコ 幼虫 成虫

本日、家の近所を散歩中に、桑の木に蛾か蝶か分からないが、それらの幼虫が居るのが目に留まった。

桑の木の葉を巻く形で潜んでいる蛾の幼虫達には、たまに出くわすが、葉の表面に堂々といる幼虫は初めてであった。

ただ、思い当たる幼虫が居た。私が小学生の頃には、観察用に学校の教室の後方の棚の上でカイコ(蚕)を飼う慣習があったのだが、色さえ違うが、何処となく見覚えのある幼虫であった。

そうである。明治時代になり、海外への主要輸出品の生糸(シルク)の原料となる繭を作るカイコ(蚕)の幼虫の野生盤なのではと思った。

調べたところ、実際に、カイコの原種と考えられているクワコの幼虫であると分かった。成虫の姿も、カイコの成虫とほぼ同じである。ただ、生糸を取るためだけに改良飼育された蚕が飛べないのと違い、クワコの成虫は飛翔能力を持っているようである。

このクワコの繭からも糸は紡げるらしいが、ここで繋がった事がある。過去に、小川の土手に生えている野生の桑の木に沢山の蛾の繭がぶら下がっているのを見た事がある。当時は、何の蛾の繭なんだろうと気になったが、このクワコの繭だったと知る事になった。

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2021年11月5日追記

最近、とある人工物(橋)の下に生えているクワの木に、沢山の蛾のものと思われる繭が付いているのに気が付いた。

種が違いそうな繭を幾つか家に持ち帰る事にした。目的は、どんな蛾になるか見届けるためである。

予定では、来年の春先までの長期戦を覚悟していたが、持ち帰った晩には、小さなカップの中に動く蛾を目にした。以下がその蛾である。翌日にも1匹羽化していた。

大きさは、前翅長で22ミリぐらいある。うーん………なんだっけ?この蛾……と少し考えたが、直ぐに、桑にいたし、クワコじゃないかとの正解に自力で行き着いた。

クワコが正解である。

ところで、今回の大きな橋の下の雨に濡れない場所の桑の木には、近くの雨に濡れる場所の桑の木より断然高確率に蛾の繭が付いていた。

いくら葉や繭を纏っても雨に濡れ過ぎると繭が弱ってしまう現場(現場を作ってしまったのは私であるが…)は見たことがあるので、雨に濡れない場所の桑の木で繭まで育つに越した事はないはずである。

敢えて、雨に濡れない木を産卵に選んでいるのか、雨に濡れない場所の幼虫の生存率が高くなるのか、今のところの私には分からない。

オニヤンマ

本日、日が暮れるか暮れないかの頃合いに、近所の徒歩で行ける辺りを散策。

目的は、昨日も同じ場所を訪れたのだが、その際見た淡いレモンイエローの小さな蝶を捕まえる事だった。この蝶の止まる際に必ず葉裏に隠れるという習性が気になっていたのだった。ゆえに、今日は、オモチャっぽい安っぽい捕虫網と虫籠は持参していた。

さて、その淡い黄色い蝶には出会えなかったのだが、その林の横の農道を進んでいる時に、前方からヤンマっぽいトンボが高速で真っ直ぐに飛んで来ているのに気付いた。右手に持っていた安っぽい捕虫網をヤンマの進路に高速で差し出すと、奇跡的に、網の中に、そのヤンマっぽいトンボが入ったのであった。凄い一瞬の判断と見切り(動体視力)だったと、我ながら感心した。

捕まえた個体を眺めながら、凄い大きいとは思わなかったが、ヤンマの仲間であったら良いなぁという希望はあった。

そして、先ほど、ヤンマの仲間から照合していくと、オニヤンマ?とあいなった。オニヤンマと言えば、言わずと知れた日本最大のトンボで、時々、近隣でも、デカイなぁというトンボが高速で飛んでいるのをたまに目撃するが、それらがオニヤンマなんだと想像している。

今回捕まえたオニヤンマ(腹部先端の形状からメスであると思う)は、そんなに大きな気はしなかったが、オニヤンマはオニヤンマなんだと思う。家でリリース前に、定規を当てて測ったところ、体長9センチであった。

ところで、今回、オニヤンマが縄張りとしてパトロールしていた場所は、小川から田んぼを経て70メートルぐらいの場所である。そして、その捕獲地点の農道より先は、河岸段丘なのであろう、一気に4メートルぐらいかけ上がる崖なのである。そして崖の上には、近隣の一般的な雑木高木が色々と多様に生えていて崖下に日影を作り、、崖の斜面にもこれまたちょっと昔の農家には利用価値の有りそうな中低木が里木博覧会みたいに生えているのである。

結果、その崖の一番下と崖に沿った農道との間に水が染み出しており、近隣近所ではよくある自然光景を形成している。

そして、推測だが、オニヤンマのヤゴは、この落ち葉が堆積する自然の水深10センチ程度の水路で育ったんだと思う。運の良い事に、崖上の樹木の豊富さが保水力を維持し、一方で日陰のため、水の蒸発も防がれるのか、常に水は枯れないスポットなのである。なんと、ヤゴからトンボになるまでに平均5年、その環境にいなければならないようなので、水が枯れないに越したことはない。

さてさて、こんなスポットも、10年以内には、道路拡張でなくなってしまう可能性も予想している。一番近所のオニヤンマ・スポットがなくなる可能性があるのは少しショックだが、同じような自然条件の場所が、近所に沢山あるのも、我家の周りの環境である。