イモサルハムシ

最近、近隣でこの甲虫を見かけて写真に撮っていた。

ハムシの一種とは分かるのだが、いつものハムシ達と違うのは、大きさが大きい。被写体が、大きいから、写真も鮮明に写せた感じである。

大きさは、6〜7ミリぐらいあったのではと思う。とにかく、俵型で細長い感じではなく、短くズングリした印象の強いハムシであった。そして、多くのハムシに共通する金属光沢が鮮やかで綺麗である。

付いていた植物はヨモギである。

調べ始めたら、アオバネサルハムシという種が浮上したが、平均サイズの4ミリぐらいというのが解せない。そんなに小さくなかった。ただ、ヨモギにいるという特徴は合っている。

他に、候補は居ないかと探していると、イモサルハムシという種も浮上した。そして、このイモサルハムシは、サツマイモやヒルガオに着くといった習性が書かれていたが、実際のところ、ヨモギにいるところをよく目撃するとの報告が複数あった。そして、平均サイズは、6ミリなのである。

こうなってくると、イモサルハムシだろうとの結論に至った。そして、イモサルハムシとアオバネサルハムシを、外見的に比べていると、違いが見えてきた。イモサルハムシの脚の腿節は、凄く短いのである。一方、アオバネサルハムシの腿節は、普通の長さで、オマケに少し膨らんでいるのである。

イモサルハムシ……ハムシにしては、大きくって特徴を掴みやすい種であった。

シロシタバ 成虫

最近、近隣の雑木林で、この蛾を見かけて写真に撮っていた。

正直、クヌギの幹肌に、この蛾を見つけた時、その大きさに、胸が高鳴った。とにかく、逃げられないように慎重に近づき、写真に撮った。

大きさは、目測で前翅長で55ミリぐらいあった。

あと一眼で気が付いたのは、この蛾が木の幹肌に擬態しているのは、一目瞭然であった。蛾の紋様の地衣類に見える緑の所なんかも、凝ってるなぁと感心した。

木の皮に化けているところから、一瞬、我家の外灯下でたまに見かけるキノカワガかと思ったが、キノカワガにしては大きいなと感じた。それに、既に投稿済みのキノカワガと違う未投稿の蛾であって欲しいとの気持ちもあった。

そして、とても大きな蛾として紹介されている種達を当たると、シロシタバというヤガ科シタバガ亜科に属する蛾だと分かった。

幼虫の食草は、サクラ他らしい。

先ほどから、この蛾が大きかったと連呼しているが、少なくとも、ここ2年ぐらいは、沢山の蛾をに出会ってきている身としては、客観的にそう感じた。

因みに、私のここ数年で出会った蛾で大きいと思った種は、オオミズアオエビガラスズメ辺りであろうか。キマダラツバメエダシャクエゾヨツメなんかも、とても大きな蛾の部類に入ると紹介していた方もいらしたが、大きいのは認めるが、私には、凄い大きな蛾には映らなかった。

さて、このシロシタバ……都道府県が独自に定めるレッドデータでは、大阪府、奈良県、高知県が、準絶滅危惧種に指定。福岡県は、絶滅危惧種Ⅱ類に指定している。

ノカンゾウ

先ずは、ノカンゾウという植物を語るにあたっては、ヤブカンゾウという似た特徴/習性を持つ植物とセットでなければならない。少なくとも、自分にとっては……。

梅雨明けごろに近隣の里山でオレンジ色の派手で大きな花を咲かせる植物が存在する事を初めて認識したのは、かれこれ20年ぐらい前のことだったと思う。ちょうど、ガーデニングに興味を持ち始め、身近な植物に関心が向けられ始めた30代の頃、近所の小さな川沿いの土手道を歩いていた時に、緑色の雑草の下草の中から、花茎を力強く長く伸ばし、オレンジ色の派手な大きな花を咲かせる植物は、とても心に焼き付いた。

同時に、野生の花なのであろうか、それとも近所の新興住宅地の人が捨てたり植えたりした園芸植物なのであろうかとの好奇心が芽生え、直ぐに正体を調べたところ、ヤブカンゾウ(ノカンゾウ?………今回のノカンゾウを見た場所と同じ水系で近い)という植物であることを学んだ。

それからは、毎年、近隣の里山でこの時期になると、ヤブカンゾウが咲いているのを目撃しては、季節を感じた。

ただ、一点だけ、ヤブカンゾウに個人的な不満というか改善点を感じるなら、その八重咲きの仰々しい花姿があった。今でこそ、それも魅力に感じる様になったが、その当時は、もっとシンプルな一重咲きが、個人的好みであった時代である。

そして、ヤブカンゾウを知るにあたって、ノカンゾウという一重咲きの種も野山で見つけれるという事を知り、近隣でオレンジ色の花を咲かせているカンゾウを見かけては、一重咲きのノカンゾウを期待するのだが、出会うのは八重咲きヤブカンゾウばかりであった。

しかし、時に、運転中の車中から、あの孤独に草むらにポツンとオレンジ色の花を咲かせる小さめの植物がノカンゾウではないかという予感をさせてくれるスポットに出くわす事が有ったのも事実である。時間がある時には、車を近くに停車して、その主の姿を調べに行ったものだったが、答えは、一重咲きのオレンジ色の花から、ノカンゾウなのかなと判断する事にはなった。ただ、ヤブカンゾウに比べて、概して小型なのか、下草に埋もれて、ヤブカンゾウの花の部分が入れ替わっただけとは言い難く、少し期待とは違う現実にも気がつく事になったものだった。

そんなこんなのノカンゾウ探しだが、最近、近隣の田んぼ脇で、ノカンゾウを見かけた。比較的、花茎も太く、背丈もあり、良い感じの個体群であった。

一応、知られている事に、ヤブカンゾウもノカンゾウも種子は作らずに、地下茎で増えて行くらしい。ゆえに、過去も現在も、広範囲の拡がりには、少なからず人間の力が関与しているはずである。

最後に、今回ノカンゾウを見つけた場所を思い返しながら、ノカンゾウのノ(野)とヤブカンゾウのヤブ(薮)の違いに気が付いた。今回の発見場所は、炎天下に障害物の少ない野的環境である。

ちょっと、この水系に沿って、のんびり探し歩けば、ノカンゾウに出会える可能性があるのではとの期待というか推測を立てている自分がいる。

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2021年7月19日追記

この水系を探し歩けば、他にもノカンゾウに出会えるかもしれないという期待は現実となった。

たまたま、とある小さな橋から下流を眺めると、20メートルぐらい先に、川面ギリギリの辺りに一輪だけすっきりとした花弁のカンゾウが見えた。しかし、とても近づけれそうな場所ではないし、川に落ちる危険も大いに孕んでいる。

ただ、明らかに、ノカンゾウがある事が分かったので、他の橋からも土手を眺めると、ノカンゾウらしき群落があった。今度も、凄い藪漕ぎになるが、川には落ちそうもない場所であったので、近づいて写真に撮ってみた。

少し色合いが薄いノカンゾウであった。