チャドクガ  成虫

数日前に仕事先の壁に止まっていた蛾である。

遠目に眺めていた時には、ヒトリガ科の蛾かなと思ったのだが、近づいて写真に撮ったものを見た時、これがチャドクガという蛾であろうと薄々予想が付いた。

そして、ちゃんと調べたところ、やはりチャドクガであった。この写真の大きい方の個体で、前翅長2センチぐらいだった。

家の庭や家の近所で見かけるゴマフリドクガと比べると少し大きめである。そして、写真の個体を見ると、明らかに色の違う2匹が組み合わさっていることを見て取れるが、おそらく交尾中なのかと思われる。同時に、色の薄い大きい方が雌で、下に隠れている小さい方が雄であろうとは、蛾の雌雄のサイズの違いの一般論から導き出せる。

さて、このチャドクガの幼虫が主に付く木として知られているものに、ツバキやサザンカがある。このチャドクガを写真に撮った直ぐ近くには、一応、ツバキかサザンカの並木があるはある。ただ、年に2回発生のチャドクガの幼虫が群れているのには気が付いた事はない。

このチャドクガも、ゴマフリドクガ同様に幼虫・成虫共に、毒毛を持っている。刺さると凄い痒みのもとになる。

最後に、この交尾個体の直ぐ傍には、チャドクガの雄と思われる個体が1匹寂しくじっとしていた。あぶれちゃった雄なのかな〜とも想像する。

タケニグサ

夏が近くと近隣の所々(決して至る所ではない)で、この2メートル以上になる大型の草を目にすることになる。

ケシ科に属する多年草であり、名前はタケニグサ。名前の由縁には2節あり、一つは茎が中空で竹に似ているからという事と、もう一つは、竹を柔らかくするために煮る時に一緒に入れていたからとの説である。

先ほど、この写真の個体の太い茎から枝分かれしている葉柄の部分を折って見たところ、完全な中空感は味わえず、思ったより組織が詰まっている気はした。ただ、滲み出て来るレモンイエローの汁の方が気になった。

竹を煮るということは、竹加工が盛んだった昔にはやってそうな気もするが、今のところ裏は取っていない。

さて、このタケニグサは背丈も葉も大きく目立つが、決してどんどん増えて行っている気はしない。家の徒歩圏内にも数本の株がある場所が何箇所か存在するが、拡がっているようには思えない。全然、共存出来る植物の気がする。

因みに、茎を折るとレモンイエローの汁が染み出してくると書いたが、組織内に幾つかのアルカロイド成分を含んでおり、有毒植物として認識されている植物でもある。

最後に裕に2メートル超えの背丈のあるタケニグサの写真をアップして、この投稿を締めくくることにする。

シラホシカミキリ

数日前に、近隣のとある雑木林の林縁で見つけた。

直ぐにカミキリの仲間とは分かったが、始めて目にしたカミキリ…果たして種名は…。

直ぐにシラホシカミキリという名前が判明。サイズは、既に記憶が曖昧なのだが、15ミリ弱ぐらいだったのかなと思いだす。

成虫は、サルナシとかノブドウの葉を食べるとか書いてある記事が多かった。ちなみに、このシラホシカミキリが止まっていた葉は、ナワシロイチゴかと思われる。一方、幼虫は、枯れた倒木や粗朶の中で育つと書いてあった。

確かに、この雑木林の印象は全く手付かずの原生林という感じで、道路からは中も見通せなかったが、所々に倒木の残骸が道路脇に飛び出しきているのは目に出来た。そうした倒木や朽ちた木が、このシラホシカミキリの幼虫の住処になっているのかなと思った。

そして、この雑木林の辺りは、15年ぐらいは知っているが、とうとう開発の手が入り始めたのか、森の奥手からは重機の音がガンガンにしていた。また、知らない間に切り開かれたと思われる裸地も目に付いた。

近隣でシラホシカミキリに殆ど出会したことが無い身(今回が始めての出会い)としては、シラホシカミキリの生息地がどんどんと狭められる気がして不安になったが、そんな事を気にしている人は……殆ど居ないと思う。