ハキダメギク

この小花を咲かせるキク科と思われる植物を、たまに野山で見る。

ただ、近隣のここかしこ何処でも見かけるというわけでは決してない。

気になって名前を調べたところ、ハキダメギクという名だと判った。そして、北米原産の外来帰化植物であることも分かった。日本での花期は、6月〜11月辺りの1、2年草である。

日本に入って来たのは1920年代の大正時代……1932年に有名な植物学者の牧野富太郎氏に世田谷の自宅近辺の掃き溜めで発見されて、ハキダメギクと命名されたとのことである。

似た種類に、北米原産の同じく帰化植物のコゴメギクがあるが、上の写真の植物は、ハキダメギクで合っていると思う。

外来帰化植物の種類によっては、随分何処でも生えているなと印象を受ける種も多いが、このハキダメギクが近隣に蔓延っている印象は私は持っていない。

因みに、このハキダメギクが生えていた場所は、谷津田の最奥部の田んぼ脇だったと思う。春先に、この田んぼ脇を訪れた際にも、周りとは少し違う少し不思議な植生だなと思った記憶がある。

おそらく、その場所に芽生える少し不思議な雑草の多くは、車でその場所までやって来るであろうその田んぼの所有者の靴底に種が付いて来て芽生えたものと思われる。

言い換えると、外来帰化植物の拡がりを、その植物の猛威みたいに植物だけに焦点を当てがちだが、拡めるのを加速させている人間の行動が省みられる事は少ない。

ニレキリガ  成虫

我が家の外灯下に寄って来た蛾を写真に撮っていたもので、今まで名前が分からなかったのだが、ここに来て、種が判明したので投稿することにする。

撮影年月日は、本年6月11日。

名前はニレキリガ。サイズは、日が経ってしまったため、正確な記憶を呼び戻すことができない。ただ決して小さくはなかったと思う。

幼虫の食草は、エノキ、ケヤキ、ハルニレ等を挙げている人が多かった。我家の周りには、エノキやアキニレなんかは、沢山生えているのではないかと思う。

最後に違う角度から写したニレキリガの写真を一枚。

ムラサキシジミ 成虫

先ほど、子供達と近所の里山を散策中に発見。

山肌に大木の枝葉が覆い被さり日陰を作り、少し涼しげな風が吹き抜ける環境に数匹いた感じである。

サイズは、シジミチョウの中では大きい部類に入ると思う。個体によっては、ヤマトシジミの2倍ぐらい有りそうな雰囲気である。

近くの開けた場所には、ベニシジミという蝶が沢山居たが、ベニシジミも微妙に大きめだが、更にひとまわりぐらい大きい印象である。

ムラサキシジミの名前のムラサキの部分は、翅の表側の色に由来しているんだと思われる。

残念ながら、現在、翅表が見える様に止まった瞬間の写真を撮れていないが、本日も現場では、綺麗な輝きのある藍色を見せてくれた。実際のところ、「翅を開いて…翅を開いて」とシャッターチャンスを伺う瞬間は数度あったが、そういう時に限って、翅を拡げてくれなかった。

同じシジミチョウ科のツバメシジミを春先(今も同じ場所で飛んでいる)に多数見て、その翅表の美しさに魅了されたが、ツバメシジミの美しさが、紫色のぼんやりと溶け合った霞感(私が作った言葉)であるなら、このムラサキシジミの美しさは、藍色と黒茶色のくっきりとしたコントラストの美しさかと思った。

どちらも捨てがたいが、ムラサキシジミの方が一般受けしそうな美しさの気もする。

さて、このムラサキシジミの幼虫の食草は、常緑のカシ類とのことである。我家の近隣の環境では、取り敢えず、シラカシやスダジイあたりになるのではと思うが、どうであろう。常緑のブナ科樹木が無ければ、ブナ科落葉樹でも代用が効くみたいではある。

とても美しい蝶なので、もっと身近に増えて行ってくれればなとは、個人的に思っている。

成虫越冬して、年に何回か発生するとのことだが、私的にはあまり出会った記憶がない。