イヌナズナ 

毎年、草刈りが行われ、除草剤までかけられる一画を歩いていて、ふと、とても小さな黄色い花を咲かせる清楚な植物の存在に気が付いた。一瞬だけ立ち止まりしゃがんで写真に収める。あまりに茎が細く花も小さくピンボケの写真しか撮れないので、一本だけ抜いて地面に置いて撮ってみた。

高さは10センチぐらい。近くに生えていた他の個体達も、皆10センチ程度であった。

‘ペンペングサ(ナズナ)の黄色いやつ‘で検索したところ、イヌナズナという植物である事が分かった。因みに、そのまんまの変換だとタガラシがヒットしてきたので、小さいというワードを付け加えて、イヌナズナに辿り着く事ができた。

このイヌナズナ……北国の方の植物らしく、同じような仲間達は亜高山帯とかを自生地にしている種も多いようである。

地球温暖化の流れで、本来、暖かい地域の生物が北上してる現象を垣間見ることが多いが、こうした、もしかしたら身近で見られなくなる可能性も無きにしも非ずの植物に出会えると、なんか嬉しい気持ちになる。

実際のところ、数県が、都道府県独自のレッドデータで、絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定しているようである。

イヌナズナは、土が富栄養化して、草丈が大きく繁りすぎると枯死していくとの記事を読んだが、もしかしたら、草刈りと草掃きがしっかりと行われて、除草剤もふんだんにかけられる土地が、消えゆく(?)彼らの生育環境とマッチしたのかもしれない。5月から6月には、除草剤が噴霧されると思うから、それまでに熟した種からの誕生のサイクルが出来上がっているのかなと想像する。

ヒメホシカメムシ  幼虫 成虫 つくば市中部

仕事の昼休み中に、いつもウォーキングする森を散歩中に、完全に芯だけ残った小さな切り株が目に留まる。

動くのかなと思い、揺すってみると、簡単に落ち葉でふわふわの地面から外れてしまった。と同時に、その下のあった腐葉土の中から、7、8匹程度の赤いカメムシが現れた。

同じ林内で見かける赤いカメムシのアカシマサシガメだろうと思い、適当に写真を撮ったのが、以下の一枚である。

そして、先ほど、撮った写真を見返していて気が付いた。アカシマサシガメではないではないか。

同時に、人間の集中力の無さを痛感した。個人的に初見のカメムシなら、もっともっと色々な角度から写真を撮り、鮮明な写真が撮れるまで諦めなかったのにと。また、最近、新顔のカメムシと出会うとやっている匂いチェックも忘れた。また、近々、同じ場所で探してみるが、このヒメホシカメムシを再び見つけれるだろうか。

さて、このカメムシの名前は、ヒメホシカメムシ。ヒメと付いてるほど小さな印象は無く、平均サイズで1センチちょっとぐらいはある。似た種に5ミリぐらい大きいオオホシカメムシという種類が居るが、その対比でヒメが名前に、使われてる気がする。また、ホシは、翅にある印象的な丸を指してると思うが、きっとヒメマルカメムシだと都合が悪い理由があったのかなと想像する。

生態としては、アカメガシワ、シイ、コウゾ、クワなんかに集まるとのことであるが、その林内には、カシの仲間やコウゾは確実にある。どこにでも生えてるアカメガシワや、またヤマグワも、おそらく近くに有るのではと推測する。

匂いチェックしなかったのが悔やまれる。

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追記

気になっていたので、このヒメホシカメムシの発見現場に戻ってみた。落ち葉を退けると、かなりの数のヒメホシカメムシが集団越冬中であった。運の良いことに、ステージは分からないが幼体の写真も撮れた。

そして、念願だったヒメホシカメムシの匂いチェックもやってみた。ヒメホシカメムシからしてみたら、突然寝込みを襲われる形で、かなり危険なシチュエーションだったと思うが、掌にいくら乗せたり、摘んでみても、匂いを出すことは無かった。

新しい鮮明な写真を以下に。

以下に、幼体の写真を。

ニホンカナヘビ

ニホンカナヘビが身近な存在になったのは、小学校6年の時に引越した先の北九州の地においてだったと思う。ちょっとした草はらや茂みに、沢山いた。

ただ、北九州の人達はカナヘビとは呼ばずに、カベチョロと呼んでいた。記憶が確かなら、ヤモリはヤモリと呼ばれていた気がする。もちろん、2種の違いが分からない人達の間では、どちらもカベチョロで通った。

次に、このカナヘビとヘビーローテーションで出会う機会が訪れるのは、30代半で引越して来た茨城の地においてであった。最初に住んだ小さな庭付きのアパートに沢山住み着いていた。どうも、軒下で産卵しているらしく、季節になると、通気口を通り這い出してきた子供のカナヘビ達が、芝庭の上で日光浴しながらチョロチョロする姿に癒されたものだった。

また、現在の土地を購入し、地鎮祭を行なっていた時に、敷地内でカナヘビを見かけた時には、人知れずほくそ笑んでしまったのを覚えている。

ただ、実際に暮らし始めると、思いの外、いや全く、庭でカナヘビと出会わない日々が続いた。それならばと思い、近隣から、カナヘビを捕まえては、庭に放す事を数年間続けたが、放してからの1週間ぐらいは、あちらこちらで気配や姿を見せてくれるのだが、次第に気配は薄れていく。そして、小さなカナヘビ達が誕生してる光景も記憶に残らない。

思いの外、天敵が多いのであろうか?一度、10匹ぐらいのカナヘビを庭に放した翌日に、玄関先で小型の爬虫類を主食にするシロマダラというヘビが死んでた事があった。またある時は冬場に庭の手入れをしていた時に、庭の木の枝に串刺しにされたカナヘビの亡骸を見つけた。犯人はモズ。他にも、カナヘビをハンティングしてそうな生物として、野良猫なんかも怪しい。

同じような我が家の庭の意図的移入種のヤモリヤマアカガエルが、定着して、毎年繁殖している事を思うと、なんとかカナヘビ達にも増えていってもらって、その可愛らしい姿を見せて欲しいと思う。

ちなみに、カナヘビの名の由来は、愛(まな・かな)でることが出来る蛇という説もあるようである。私には、頷ける気もする。

今年も、子供達とカナヘビを採りに出掛けるとしよう。