シロオビノメイガ 成虫

シロオビノメイガという蛾の存在を知ったのは、身近な昆虫達に興味を持つようになった今年になってからの事である。

先ず、シロオビノメイガに関して気付いた事から書くと、同じサイズの同じような行動をしている蛾の仲間の中では、群を抜いた生息数であるのではと思う。

実際、9月の半ばに、仕事先の敷地内の草むらを歩く度に、物凄い数の蛾が飛び立つ時期が有り、その際に、葉裏に隠れ切れずに、葉表に止まったその蛾を写真に撮ったところ、その蛾がシロオビノメイガという種類だと知ったのだが、それから1ヶ月半経った現在も、それなりの数を草むらや藪の中で目にすることが出来る。本当によく目に付く小さめの蛾である。

しかし、そんなによく見かけるシロオビノメイガの幼虫は、どれなの?と訊かれたとしても、私には、今のところ、答えられない。

理由は、似た感じのメイガの幼虫が無数に居て、幼虫から蛾まで育ててみないと、ちょっとどれが、シロオビノメイガの幼虫か分からない感じである。また、成虫になったシロオビノメイガに、色々な組み合わせから成る様々な植物が生えるロケーションで出会う事により、幼虫がどの植物をメインに餌にしているのかが、突き止めきれないでいる。

ただ、沢山見かける理由は、餌に出来る植物がバラエティーに富んでいる可能性と結び付きそうな気がするので、今後は、様々な場所のシロオビノメイガ地帯を少し丁寧に観察して、怪しい幼虫の生態を、少しづつ、自分なりに解明していければなと思う。

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2021年8月15日追記

秋になると近隣の自然科で、これでもかというぐらい出会える蛾であるが、早くも我家の外灯下に現れた。そして、夜に外灯下で出会ったのは初めてかもしれない。

ミツボシキリガ 幼虫

アカバキリガと迷ったけど、この色鮮やかさと、我家に勝手に生えてきた榎木の木(どんどんでかくなってる。ヤバイ。)の下を歩いていた事から判断して、ミツボシキリガの幼虫で間違いないね。

上の2枚の写真は、今年の5月18日に撮影したもの。

タイリクバラタナゴ

このタナゴは、私の暮らす地域では、結構出くわすタナゴである。そして、「綺麗なタナゴが釣れたよ、採れたよ」って言う場合、大概は、このタイリクバラタナゴである事が、ほとんどである。

フナとかコイとかドジョウとか地味な色の淡水魚ばかりに普段出会って来ている人達が、突然、この魚が釣れてきたり、網に入ってきて、オスの派手な婚姻色を目にしたら、おそらく感嘆の声を漏らすのではと想像する。

現に、寒い時期ならこのタイリクバラタナゴを数時間で何百匹も網で掬えそうなポイントを知っている私でさへ、未知なる場所や予期せぬ場所で、このタイリクバラタナゴと遭遇すると、「おっ、ここにも居たな!」と多少の感動を覚えるのは否めない。

ただ、この美しい魚(タイリクバラタナゴ)に出会えた感動は、そろそろ、岐路を迎えているのかもしれない。

元々は、このタイリクバラタナゴという魚は、中国大陸原産の魚で、過去の戦争中の食料増産の目的で移入されたハクレンという魚の種苗に紛れ込んで日本にやって来たと言われている。1942年の事である。そして、最初に移入された関東より、少しづつ勢力を広げながら、日本全国に拡大しつつ今に至る外来のタナゴという事実を、多くの人が知ったり、思い出したりしなければいけない時代になって来たのかもしれない。

そして、フィールドで出会うこのタイリクバラタナゴの習性を観察していると、思った以上に環境適応力があるなと感じる事がある。例えば、池や沼のような止水にも生息していると思えば、少し流れのキツい河川にも生息しているし、また、産卵に選ぶ貝も、大型〜中型まで幅が広いようである。そして、シーズン中に、数回産卵するという繁殖力の優位性も侮ってはいけない気がする。

また、日本の近畿・四国・九州地方にスポット的に生息している純血の日本バラタナゴという種と容易に交雑してしまうと言われている。あとは、本来、関東・東北地方に、かつて当たり前に生息していたと思われるマタナゴ(タナゴ)という在来種の住処を、大型の産卵貝の取り合いに勝ち、奪ってしまっているのではないのかなという懸念を私は持っている。

そんな懸念が、私の頭をよぎるようになり始めた頃と同時期、環境省でも同じような懸念の動きが表れ始める。環境省からも、このタイリクバラタナゴが特定外来生物のひとつ下のランクの要注意外来生物に指定されたり、2015年3月からは、生態系被害防止外来種(環境省は、特定外来生物という呼び名も使いつつ、これまでの特定外来生物や要注意外来生物を一括りに生態系被害防止外来種という呼び名で括るようになった)の重点対策外来種(甚大な被害が予想されるため、対策の必要性が高い…これは、環境省の文章のまま載せた)に、このタイリクバラタナゴを指定している。

また、一般社団法人日本生態学会の定める侵略的外来種ワースト100にも、このタイリクバラタナゴは選ばれてもいる。

先ずは、市民が自然環境というものの大切さに気付き、色々な方向に、深い知識と共に一歩を踏み出していくことが、未来に繋がると思うけど…頑張れ…ひとりひとりの人間。

上の写真は、昨年の1月に、冬枯れの近所の田んぼを子供達と散策した際に、持ち歩いていた網で、水路の枡の部分の少し深いところを掬ってみたときに、網に入ってきたタイリクバラタナゴ達です。