フタホシシロエダシャク Lomographa bimaculata subnotata (Warren, 1895) 茨城県と福島県の県境付近 標高600メートル近辺

茨城県と福島県の県境付近に、植物観察をするお気に入りの場所があり,先週末に出かけてみた。

観察中には、数種の昆虫にも出会ったが、本種もその一つ。(どうしても薄暗い茂みの中にいたので、写真がピンボケになってしまった。)

大きさは、開帳24ミリぐらいの蛾らしいが、この個体も,まさにそれぐらいのサイズであった。

種名は、フタホシシロエダシャクだと思う。

幼虫の食草は、バラ科の樹木の葉とのことである。野生の桜の類なり、山には多く生えているはずである。

生息分布の方は、国内は、北海道から対馬含む九州を経て、屋久島まで居るようである。海外の生息分布は、信憑性のあるデータに出会えなかった事もあり、国内で見られる蛾という認識を個人的に持っておこうと思った。

ニセオレクギエダシャク  Protoboarmia faustinata (Warren, 1897) 茨城県と福島県の県境付近 標高600メートル近辺

茨城県と福島県の県境付近に、植物観察をするお気に入りの場所があり,先週末に出かけてみた。

観察中には、数種の昆虫にも出会ったが、本種もその一つ。

大きさに関してだが、この手のグレー系のエダシャクの仲間にしては小さいなというのが第一印象であった。開帳で30ミリぐらいであろうか?

種名は、おそらくニセオレクギエダシャクだと思う。

幼虫の食草は、杉や檜の枯葉や枯れ枝とのことである。

生息分布の方は、国内は、北は北海道から、南は対馬含む九州まで。海外は、樺太の南部やロシア沿海州南部からの生息報告を見てとった。

ここで、ピンと気たのは、食草が針葉樹の昆虫達と、北方系の起源との関連性である。今後は、この辺の傾向(規則性)も、昆虫達の生態を眺める上で、注目してみようと思う。

ところで、オレクギエダシャクという種もいるが、自分には本種と外見で類似しているようには、あまり見えない気がする。

ヒロバトガリエダシャク? 成虫 Planociampa antipala Prout, 1930

少し前の3月後半に近隣で見かけた蛾の一種である。

大きさは、前翅長18ミリぐらいだったであろうか。

とにかく、腹部側の胸の辺りのフサフサ感が目立つ蛾である。あとは、前脚が長いのも気になる。

そして、まだ春本番とは言えない寒い日も多い、この季節に現れる蛾としたら、上の写真の種は、ヒロバトガリエダシャクなのではないだろうか。触角が見えていないので、上の写真の個体が、雄(櫛ヒゲ状の触角)なのか、雌(糸状の触角)なのかは、判断しかねる。

別の角度からの写真を、以下にもう一枚。

さて、このヒロバトガリエダシャクと思われる蛾であるが、3年前の同時期にも、雄と思しき個体の投稿をしていることを確認した。

幼虫の食草は、ブナ科のクヌギを筆頭に、結構、科を跨いで広汎に及んでいる。

生息範囲の方は、国内は、本州以南……対馬含む九州まで。海外の生息分布は、朝鮮半島を経て、ロシア沿海州南部までいる模様。

ちなみに,少し似た容貌の種で、ホソバトガリエダシャクという種も存在し,私も昨年の3月10日にそれと思う種の投稿をしている。そして、このホソバトガリエダシャクの生息範囲も、今回投稿したヒロバトガリエダシャクと被り気味なのだが、両種の間にどのような進化の関係性があるのかや、どうして同所に混生しているのか等、興味は絶えない。