ハミスジエダシャク? 成虫 Hypomecis roboraria (Denis & Schiffermüller) 1775

約2週間前に、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、開張で40ミリぐらいあったと思う。

我家の外灯下には、似たような蛾は数種類が頻繁に訪れるので、そのうちのどれかだよなとスルーしていたのだが、もう一度、この蛾をどの種だろうと、当てはめてみたところ、どうも未投稿のハミスジエダシャクではないかとの結論に至った。

このハミスジエダシャクの幼虫は、マツ科から、ブナ科、トウダイグサ科、マメ科、バラ科、ミズキ科と、広範囲の植物を食べれるようである。

生息分布の方は、国内は、北海道から対馬含む九州まで。海外の生息分布は、ヨーロッパの西から東へとほぼ全土に、中央アジアの温帯に、そして東アジアの温帯から亜寒帯にかけてといった超広範囲に拡がっている。所謂、動物地理学的に旧北区と呼ばれる地域を網羅している蛾であり、このことから各大陸がもっと凝縮していた時代に既に誕生していた蛾なのかなと想像してみたい。

リンゴツマキリアツバ 成虫 Pangrapta obscurata (Butler, 1879)

数日前に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

この形の蛾は、我家の外灯下に結構来ている印象でスルーしそうになったが、ちゃんと調べてみたところ、未投稿の種であることを確認した。

大きさは、前翅長14ミリぐらいだったであろうか。

種名は、リンゴツマキリアツバだと思われる。

我家の外灯下を始め、近隣でよく見かけるのは、ウンモンツマキリアツバかムラサキツマキリアツバといった種だったと思うが、今回のこの紫色をしたツマキリアツバは、紫色が特徴でも、ムラサキツマキリアツバではなく、リンゴツマキリアツバというらしい。この種の同定の決め手は、後翅に見える金色の横筋達である。

幼虫の食草は、バラ科の植物なので、桜を筆頭に、多くの植物を食べれそうだが、リンゴもバラ科の植物である。

ちなみに、ウンモンツマキリアツバはイボタノキ(モクセイ科)、ムラサキツマキリアツバは、スイカズラ(スイカズラ科)なんかを食べるのが知られていて、想像以上に3種の幼虫の食草に共通項を見出せないなと、正直感じた。

生息分布の方は、本種、リンゴツマキリアツバは、北海道北部から対馬含む九州まで。海外の分布は、朝鮮半島からロシア沿海州南部まで。このことから、少し寒いところにも生息できていることが分かる。

また、ウンモンツマキリアツバPangrapta perturbans (Walker, 1858))も、リンゴツマキリアツバと同じような分布をしていることも掴んだ。一方、ムラサキツマキリアツバPangrapta curtalis (Walker, [1866]))は、国内は北海道の南部から、南は屋久島辺りまで生息していることが知られていて、海外は、朝鮮半島、台湾、中国の内陸部からの報告が上がっているようである。

マタスジノメイガ 成虫 Pagyda quinquelineata (Hering, 1903)

先週の金曜日の晩に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長10ミリぐらいだったのではないだろうか。

種名は、マタスジノメイガだと思う。

幼虫の食草は、クマツヅラ科のムラサキシキブの類のようである。近隣には、普通に生えている。

生息分布の方は、国内は、北海道から対馬や竹島含む九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで生息しているようである。海外は、朝鮮半島にいると思われる。済州島からの報告も上がっているようである。

ところで、このマタスジノメイガには、フタマタノメイガとヨスジノメイガといった結構そっくりな類似種がいるのだが、どういった進化の変遷があって、種文化したのか気になるところである。ヨスジノメイガと思われる蛾に関しては、過去に近所で見かけた個体を投稿(2021年10月28日)しているが、という事は、同所に共存しているということになる。長い年月をかけて断絶された環境で種分化したと思われる種たちが、今度はどれだけの年月をかけて同所で再会したのか気になるところである。

ちなみにマタスジノメイガ、ヨスジノメイガ、フタマタノメイガの3種の生息分布は国内の傾向と、朝鮮半島の傾向は、同一なのだが、海外は、ヨスジノメイガは、台湾でも確認されているらしく、更にフタマタノメイガになると、それに加えて、東南アジアのタイの辺りでも確認されているようである。