セミヤドリガ 幼虫  Epipomponia nawai(Dyar, 1904)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていた。

主役は、蝉ではなく、蝉の腹部に寄生している白い物体である。

調べたところ、セミヤドリガという蛾の幼虫であることが分かった。

ヒグラシに寄生する事が多いとの事だが、上の写真のセミはミンミンゼミの気がする。

このセミヤドリガの幼虫は、蝉の体液を吸って成長するようだが、吸汁されたセミが死ぬことはないみたいである。ただ、飛翔能力とかが落ちたセミは捕食者にも狙われやすくなり、その狙われた瞬間に、セミヤドリガの幼虫は落下し、繭を作り蛹になるとも言われている。

セミヤドリガは、世界に40種ほどが知られているが、日本には本種以外に、ハゴロモ類に寄生するハゴロモヤドリガがいる。また、1954年には東京の石神井公園で、ニイニイゼミに寄生していた少し小さめの幼虫が発見されて、ニイニイヤドリガと命名されたが、その後更なる個体は発見されておらず、幻のヤドリガとなっているようである。

このセミヤドリガの分布は、関東以西、四国、九州。海外の分布は、朝鮮半島南部と台湾には生息しているようである。

ヒトスジシマメイガ? 成虫  Bostra mirifica Inoue, 1985

先ほど、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長10ミリぐらいだった。

触角を背負っていることから、ツトガ科の蛾であることが分かるが、ツトガ科シマメイガ亜科に属するヒトスジシマメイガではなかろうかと思う。

とここで、ヒトスジシマメイガを調べ始めようと思ったのだが、インターネット上に、情報が殆どないのである。ゆえに、幼虫の食草も分からなかったし、生息分布の方も、しっかりとしたデータを元にした情報がまだ形作られていないようであった。一応、本州と九州からの生息報告はあるようである。学名の登録年も新しい事から類推出来るが、日本での認識も未だ未だのの種なので、海外での認知度はないに等しいのではないだろうか。

コウンモンクチバ 成虫 Blasticorhinus ussuriensis (Bremer, 1861) 2nd

数日前に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長23ミリぐらいだったと思う。

直ぐに、コウンモンクチバであろうと予想が付いたが、この個体は、灰色味が強いというか、そんなふうに見える。巷では、もっと薄黄色がメインになる個体も多い気がする。

一応、3年前の7月11日にもコウンモンクチバと思われる個体の投稿をしているので、そちらも確認して頂きたい。

コウンモンクチバの幼虫の食草は、マメ科の植物ということで、取り敢えず、近隣だと、ヤブマメだったり、フジだったりするのかと思う。ちなみに、タデ科のスイバも食べるとの情報もある。

生息分布の方は、国内は、北海道から対馬含む九州を経て、屋久島辺りまで。海外は、朝鮮半島、台湾。おそらく、ロシア沿海州南部にも生息しているものと思われる。

最後に、近隣では、ウンモンクチバという名前が似ており、もっと茶色味の強い少し大きめの種も生息している。他にも、ニセウンモンクチバやオオウンモンクチバという種もいるらしいが、この辺の識別に関しては、単に外見上の違いにばかりに目を向けるだけでなく、国内での棲み分けや海外での生息分布を眺める事により、種の違いを見分けるヒントを掴む事も必要かと思われる。