ウスキシャチホコ 成虫 Mimopydna pallida (Butler, 1877)

二日前に、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長20ミリちょっとぐらいだったと思う。

翅端からはみ出した尾部や、肩毛の下に潜り込んだ頭部の形状から、直ぐにシャチホコガの仲間だとは分かるぐらいには成長している自分がいる。そして、いつも迷うのは、キシャチホコだろうかウスキシャチホコだろうか……どっちなのかという事だが、正直、これまでは、色合いだったり、紋様だったり、微妙な形状の差異だったりから、なんとか両種を見極めようとして来ていた。ただ、色も紋様も形状(形状に関しては、雌雄で少し差があるため、両種を違う性別で比べてしまうと、分かり難くなってしまう気がする)も、これでもかというぐらいバラツキがあり、なかなか自信を持って同定出来ない2種である。

しかし、ここに来て、前から情報としては知っていたが、ここを押さえれば、絶対に見分けられるというポイントを自分なりに掴んでしまった。それは、真上から写した写真を見た時の肩部の雰囲気(毛の流れ方)である。以下に、真上から写した写真を貼ってみる。

肩部の左右に後方の尾の方に流れる毛束が見て取れる。そして、真ん中に色が違う部位があるが、ここは逆に、頭部の方に毛は流れているのである。

これが、キシャチホコの場合は、肩の毛が全部、後方に流れているのである。この部位は、両種ともほぼ例外がない特徴と言いたいのだが……。

それでは、このウスキシャチホコの幼虫の食草は、イネ科のススキやササとの事である。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州まで。海外は、朝鮮半島、ロシア沿海州南部、サハリン(樺太)や択捉島との事である。ヒマラヤの南麓にもいるとの情報も見たが、有り得ない話では無い気はする。

マルバネウスグロアツバ? Hydrillodes pacificus (Owada, 1982)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長16ミリぐらいだったのではないだろうか。

直ぐに、ハイハイ……我家の外灯下の定番のソトウスグロアツバHydrillodes lentalis(Guenée, 1854)かヒロオビウスグロアツバHydrillodes morosus(Butler, 1879)のどっちかでしょみたいにスルーしようと思った。しかし、色合いがアップロードした写真だと微妙に変わってしまったが、オリジナルの写真だと、緑色というかオリーブグリーンの要素も結構入っていて、普段我家で見かけるタイプとは違うタイプだなとは感じていた。

こうして、種をもう一度検討していると、マルバネウスグロアツバという種のネット上の紹介に、この色合いと雰囲気のものが使われていることがある事に気が付いた。そして、マルバネウスグロアツバの名の由来であるマルバネ(前翅の頂翔が白い外横線の辺りから丸くなり始めている)の特徴が、確かにあるよなと見えて来たのである。ただ、これも、いつもと違う雰囲気のウスグロアツバということから来る思い込みの可能性もなくはないと慎重になりたくも思う。

という事で、今回はマルバネウスグロアツバにクエスチョン・マークを付けるという形で投稿させて頂いた。

マルバネウスグロアツバの幼虫の食草は、他の2種と同様に枯葉と思われる。

マルバネウスグロアツバの生息分布は、国内は、本州(関東地方南部)以南……九州近海を経て、沖縄本島まで生息しているようである。海外の生息分布は、ちょっと分からなかった。

ニセナラクロオビキバガ 成虫 Teleiodes pekunensis (Park, 1993)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長7ミリぐらいだったと思う。

サイズと頭部の先の下唇髭の雰囲気からキバガの一種であろうと予想は付いたが、調べたところ、ニセナラクロオビキバガであろうとの結論に至った。

そっくりな種にナラクロオビキバガという種も居るようだが、上の写真の個体は、ニセナラクロオビキバガとした。理由はと言うと、サイズと紋様の雰囲気から判断したが、2種は結構ソックリだと感じた。

幼虫の食草は、種名からも類推出来るが、ブナ科の樹木の葉である。

生息分布は、国内は、本州。海外は、韓国にはいるようである。そっくりなナラクロオビキバガNuntia incognitella (Caradja, 1920)は、国内は、北海道から九州と対馬まで。海外は、朝鮮半島とロシア沿海州に生息している紋様。