ヤネホソバ? 成虫 Eilema fuscodorsalis (Matsumura, 1930)

ヤネホソバの成虫というものが、近隣で見かけるヒトリガ科コケガ亜科の蛾達のうち、どれなんだろうとの疑問を常々抱き続けて来ていた。

という事で、秋に限りなくヤネホソバの幼虫であろうと推測して捕まえていた幼虫を、あわよくば成虫に羽化する事を目論み、飼育していたのだが、最近、そのうちの1匹が運良く成虫に羽化してくれていた。

以下が、その羽化した個体である。

飼育下で貧栄養のまま蛹になった可能性も考えられるが、羽化して来た個体のサイズは、私が予想していたより、ずっと小さい。上の写真の個体で、体長で12ミリぐらいしかない。

あと、私が知りたかったのは、この蛾の下翅の色であるが、飛んでいる瞬間に目にする限り、上翅よりは、濃いが、物凄くハッキリとした黒や濃い灰色といったいった感じはしなかった。

という事で、自分の中では、一応、上の写真の個体が、ヤネホソバの成虫なのかなと結論付けたく思っている。

ところで、このヤネホソバの幼虫は、毒毛針を持っているという情報の真偽だが、ヤネホソバの幼虫の投稿の時には書けなかったが、後日、ヤネホソバの幼虫と考えられる幼虫を、人差し指の甲で触ってみたことがある。どうせ、意識できるような影響は起きないであろうと予想を立てていたのだが、触れてから一時間後ぐらいからは、明らかに、触れた指の甲の部分が薄らと赤くなり、同時に固くなり、痒みの症状が現れ始めた。物凄く痒くて、集中力を奪われるというまでは行かないものの、なんか虫に刺されて痒くなってしまったなと感じるような状況にはなった。そして、痒みは6時間ぐらい続き、その後は、自然と知らないうちに影響は収まっていった感じである。

最後に、ヤネホソバの幼虫の投稿でも触れたが、このヤネホソバの生息分布を以下に記しておく。

この蛾の生息分布の方は、国内は、本州以南……九州近海を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の生息分布は、ちょっと辿り着けなかった。

ゴマフリドクガ 幼虫 Somena pulverea (Leech, [1889])

これも、少し日が経ってしまったが、本年11月4日に写真に撮っておいてドクガの仲間の幼虫である。

では、さてドクガ科のなんという名前のドクガの幼虫かと言うと、ゴマフリドクガの幼虫なのではと思いたくなる。ちなみに、ゴマフリドクガの成虫は、本当に近隣でよく見かけるドクガであり、過去に投稿済みである。

根拠の一つ目は、類似幼虫であるキドクガの幼虫に見られるという頭部の方から先に伸びる黒い長めの毛束が見えない事があり、また、他の類似幼虫のモンシロドクガの方は、サイドに並ぶ白い小点が、もっとクッキリと大きく見える気がする(勿論、現時点では、ネット上の比較でしかない事を認めるが……)。

根拠の二つ目は、近隣では、圧倒的にゴマフリドクガの成虫との出会いが、他のドクガ達と比べて多いという事もあり、ゴマフリドクガの可能性が高いのではという願望的推論から来ている。

このゴマフリドクガの幼虫は、多岐に渡り、色んな植物を食べれるようである。

最後に、このゴマフリドクガの生息分布は、国内は本州以南……九州近海を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の生息分布は、上の学名だとヒットしてこなかったので、違う種に取り込まれている可能性が思い浮かぶが、時間のある時に真相に近づきたいと考える。

ギンモンシマメイガ 成虫 Pyralis regalis [Denis & Schiffermüller], 1775

少し日が経ってしまったが、本年11月11日に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長1センチぐらいであり、小さな蛾の部類であると感じていた。

雰囲気が、メイガ科シマメイガ亜科の蛾っぽいなとは感じたが、調べると、やはり、メイガ科シマメイガ亜科のギンモンシマメイガと判明。

2年前の9月23日にも投稿済みの種であるが、今回の方が、少し良い写真が撮れたと思うので、再投稿してみた。

さて、このギンモンシマメイガで特筆すべき習性は、前回の投稿でも触れているが、幼虫が、スズメバチ科の蜂の巣(オオスズメバチ、ケブカスズメバチ、セグロアシナガバチの巣と限定されている方もいた)を食べるというところである。我家の敷地内には、スズメバチの巣は出来たことを見たことがないが、数種類のアシナガバチが、毎年巣を作っている。火のないところに煙は立たずで、このギンモンシマメイガも、そうした環境に誘き寄せられて来たものと思われる。

蜂の巣を食べる蛾は、科に囚われず、他にもいるが、シマメイガ亜科の蛾の中で、どうして蜂の巣を食べるようになったのか、そのキッカケというかスタートの経緯が知りたいものである。

さて、このギンモンシマメイガの生息分布は、国内は、北海道以南……九州近海の島嶼まで。海外は、朝鮮半島や台湾。あとは、ロシアや中国の東部に疎に生息しているのが分かった。そして、ヨーロッパの地中海側と北の方のバルト海に面したリトアニアの辺りにも濃く生息しているのも分かった。少し、興味深い生息分布だと思った。あと、少し山地性の蛾だとの情報もあったが、こちらも興味深い情報だと思った。